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本田圭佑”さん”へ

Xの投稿、拝見しました。
(ネットニュースで「はい?」と思う内容が流れてきましたので、真意を知るべく原文確認)
 

『 日本のメールで”様”をつける文化は嫌い。
  なんとかしてほしい。
  様をつけて欲しくない。
  思考停止で続けている形だけのダメな文化。
  さん付けでよい。』
『 最初に”さん”で送られてきた場合は、”様”で返さないで欲しい。
  ”さん”を”様”で返されて圧力を感じる本田圭佑がいますw 』
    (本田圭佑さんのX投稿文より)

わたくしごときが僭越ながら
よい解決策、ご提案いたします。

これは、
”ご自身”が「メールの宛名に ”様” という敬称をつけられるのが嫌」
ということですよね。

であれば、
”様”とつけて送信くださったかたに最初に返すメールの文末に

「 ご丁寧なメール、ありがとうございます!
  ○○さんとはこれからも気を遣わず意見交換できる関係性でいられれば  
  と思っています。
  これからはメールでも宛名は気楽に『本田さん』でだいじょうぶです!
  むしろそのほうがうれしいです。
  おたがい肩の力抜いて、
  よいコミュニケーションをとっていきましょう!」

と、いれてみてください。
きっとお相手も次回から喜んで ”本田さん”と送信されることと思います。

まあ、
この文章さえ「面倒くさい」「非効率」「長い!」「ムダ!」
とおっしゃるかたもいらっしゃることは百も承知。

人の感じ方や価値観は人それぞれですから
それもまた、当然。

ただ、

『思考停止で続けている形だけのダメな文化』

ご批判覚悟でハッキリ言うと
このことばには(控えめに言っても)ムカつきました。
むしろご本人のツイートよりも
『メールや面談でなくすべき定型文選手権』というポストに
ここぞとばかりについた「これいらない」コメントに。

出たよ。
「謎」マナー撲滅運動…
(たしかに謎な文言もなかにはあるけど)

人の感じ方や価値観は人それぞれ。(二回め)
”様”とつけられるのが嫌、というかたもいれば
”さん”という宛名を失礼と感じる人もいる。
また、
ビジネスに携わっている人、
ビジネスメールでのやりとりが必要な人は
本田さんのようにしっかりと
その地位を築かれている人ばかりではありません。

自分より立場が上の人も まったく未知の業界の人も
初めて関わる人も なんとなくコミュニケーションが難しい人も
たくさんいる環境のなかで、
相手に失礼のないように。
きちんとした姿勢を示せるように。
職種・業種によっては自社や自分のブランドイメージを体現するために。
おたがいにとってよい仕事となるように。
気を遣いながら
たくさんの人とやりとりをしているかたがほとんどなのでは。

そりゃ、臨機応変に 送る相手によって
宛名の敬称も冒頭の挨拶文も
「相手の好み」によってカスタマイズできれば
なんの問題もないし
そのほうがほんとうの心づかい、かもしれない。

でも、わかります?
そんな 「”様”は圧力を感じる。”さん”がいい!」って。
エスパーじゃないんだから。

フレンドリーに ”さん”付けがいい人。
やっぱり ”様” が落ちつく人。
Aさんには”さん”と言われたらうれしいけど、Bさんが”さん”と言うとちょっとイラッとする人。
そもそも見てない(そこどうでもいい)人。
”さん”と言われたら、「失礼だ」「馴れ馴れしい」と感じる人。
どっちでもいいけど、「この人ビジネスマナー知らないのかな…」と思う人。

もう、人の考え方・感じ方なんて
千差万別、星の数ほどある。

言われなかったらわからないし、
メールのやりとりだけなら表情から相手の反応をみて
感情やニーズをキャッチすることもできない。
もし、仮に「本田”さん”でいいですよ」と言われたところで
それが真意なのか社交辞令なのか
一回目で判断するのは、不可能です。
「”さん”でいいよ」と言っておきながら
「アイツは礼儀をしらない!」とか勝手に立腹する人だって
少ないけどいるのも現実。
ましてや、自分より立場が上の人に
そんなリスキーなことできる人、なかなかいないと思う。

むしろ、
今回の本田さんの何気ない、悪気ないひとことで
「そう思う人もいるんだ!この人はどっちだろう…」って
ドキドキしながら
”様”と書くべきか、”さん”にするべきか…と
ハムレットのごとく苦悩しつつメールかく人だっているかもしれない。
その人たちのほうがよっぽど圧力感じてるんじゃ…、と私は思いますけど。

折りしも、まもなくたくさんの新入社員が誕生するこの季節。
緊張感いっぱいで社会への第一歩を踏み出すフレッシュマンたち。
また、
転職でまったく違う業界でのチャレンジをなさるかたもいらっしゃると思います。
人によって、は もちろんのこと
企業や業種・業界によっても
やりかたや常識、「アタリマエ」は違う。
入社一年目なんて
なにやったって、緊張感で胃がキューってなってる人は多いはず。
そんなかたたちが、少しでも安心して仕事に臨めるように
「ガイドライン」としてビジネスマナーはあるんです。
ビジネスマナーは仕事をするうえではある程度の「共通認識」とされていることであり、
その「ビジネスマナー」自体に納得いく人も いかない人も
言い方はちょっと乱暴だけど
「ビジネスマナーのせい」にして
まあまあ落としどころをみつけられる。そんな側面もあるんです。

ことばも通じない、はじめての異国で
スマホもガイドさんもガイドブックもなしで
「 自由にやっていいよー。ただし、ぜったいトラブル起こさないでね!」
と手を離されて
「 やったー!」と、楽しめて実際ひとつもトラブルなくやっていける人が
いったいどれくらいいるのだろうか。
(それできるかたがいたら、ご一報ください。弟子入りしたい!)
なにかいっこくらいあったほうが、よくないですか…?

ビジネスメールだって
まずは定型の「 ○○様  お世話になっております。」
でいいじゃないですか。
そこから始めて、
実際にお会いしたり話したり、
コミュニケーションをとりながら関係性を深めていくなかで
「この人は ”さん” という呼び方のほうがいいんだな」と気づいたら
そのときに変えればいい。
気づけなければ、訊いてみればいい。
そうやってひとつづつ、「じぶんの心の伝え方」を
みつけていければいいのでは、と私は思っています。

本田さん。
あなたには必要ないその『文化』。
必要な人も、便利だと思っている人も
ときにはたすけられている人も いるのです。
他にもやること、汲むべき相手の気持ちはたくさんある。
メールの宛名くらい、
なーんにも考えずに「定型文」「様」でいいんです。

あなたが「嫌」だとおもうことは
他の人にとっては「嫌」なことではないかもしれない。
私が「いい」と思うことを
必ずしも、あなたが「いい」と 
思わないかもしれないのと おなじように。

その『文化』自体をダメというのではなく、

あなたが嫌だと思うなら
『「私」は”様”ってつけられるの苦手。”さん”でじゅうぶんです!ありがとう」
そのひとことでちゃんと伝わります。
伝えてあげる心づかいをぜひに!
そして、
「圧力」なんてまったく気になさらず
ご自身はいまのまま ”さん” の宛名で送信なされば
それもそれで全然OK!

あなたにはあなたの 考えや感覚があるように
相手にも相手の 感じ方や価値観がある。

「あー、自分はこれのほうがいいと思うけど
 この人にとってはこっちがやりやすいんだな。」と
受け容れてあげてはどうでしょうか。

サッカーにまったく興味がない私でさえ
すばらしいかただと存じ上げている、本田さん。

その大きな器を生かすのは、まさに今!


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