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「男性育休」開始までの、苦労と反省

いよいよ予定日直前で、妻さんが連日寝不足や腰・腹部のしんどさに直面しており、夫は脇でマッサージをし続けるくらいしかできずふがいない日々です……
それにしてもなかなか生まれてこないです。38週くらいの出産も見込んで事前に育休に入り、準備しておこうと思ったのですが。準備は終わりまして。ひまだ。嵐の前の静けさということなのかもしれないが。
出産促進のため妻さんの余裕あるタイミングを狙って散歩ばっかりしてます。出産後は外食に行けなくなるとよく言われるので、行っておきたいお店に行くようにし、そして大体行った。万全だ。こちらはいつでもオッケーやでお子!!

さてそんなタイミングで、出産前最後の更新になるかもしれないので、今回は「育休前」を書き尽くしたいと思います。

タイトルに「苦労」と書きましたけれど、妊娠期に大変なのは言うまでもなく妻さんで、妻の直面した・している苦難に比べれば僕の苦労なんて無に等しいです。ただ、いかに男性育休への理解が広まり始めているとはいえまだまだ浸透しておらず、それゆえの苦労がないではなかったので、その点を書いておきたいと思います。
また妊娠後や出産準備を巡って多くの反省がありまして、これも今後育休を取得される世の男性たちに共有できればと思います。
というわけで、ここから書くのは僕が育休を入るまでに取り組んでいたこと/取り組まなくて反省したことです。ご参考になればと思います。

「育休1年取得」早くから周知

言わずもがななのですが、「男性育休」への理解が職場(の男性)に浸透していないが故に、大事なのは取得の意向を早くから周知することです。この点は言い出す時期が早いほど苦労がなくなると思います、僕も実はほとんど苦労していないんですが、一番に挙げるべき項目なのでまずはこの点に触れます。
僕は結婚後の最初となる上司との面接(異動希望などキャリア形成に関する面接)時に、1年育休を取得する意向があることを伝えました。今から1年半以上前です。当時、子どもが欲しいとは思っていましたが出産の予定も見通しも全くありませんでした。
年度末には新年度からの業務で複数のプロジェクトにアサインされましたが、その際にもそれぞれ上長に1年育休を取得する可能性があることを伝えました。このようにキャリアに関わる面接時には基本的に1年育休の意向を伝えています。
妊娠が判明したのは新年度に入った後の昨年6~7月頃ですが、安定期以降に改めて上長に面接で確定的な意向として伝え、人事部の人や引き継ぎをお願いする人たちには早めにお知らせしました。
その間、ごく一部から軽度のマタハラ的な発言を受けることがないではなく、ちゃんと取得できるかけっこう不安だったんですが、人に意向を伝えれば伝えるほど自分の気持ちもそういうモードが深まっていき、後押しの言葉をくれる人もいて、かなりスムーズに育休取得に至りました。(「育休を取りたい」と言っている人がいたとき、応援する言葉を伝えると、何気ないありきたりな言葉であっても本人はかなり勇気づけられるんじゃないかと思います。)
ご存じの通り、育児・介護休業法は、男女とも仕事と育児を両立できるよう、雇用環境整備や個別の周知・意向確認を企業に義務付けています。いざとなれば法律を盾に。

ちなみにですが、育休取得の話をすると、女性はほぼ全員が好反応を示してくれました。「偉い」と言われることも多かったです。偉くはないんですが、女性に咄嗟にそう言わせてしまう社会だということだと思います。

交友関係で理解求める

妊婦さんはアルコール類や生ものの食事を控えることになります。うちの場合、我慢している妻の横で夫だけが従来通りの食事を続けるのはどうかと思いますし妻の生食の欲をいたずらにかき立てたくなかったので、夫もできるだけ生食をやめ、同じように妻さんが全然行けなくなってしまった外食もなるべく控えました。
アルコールに関しては妻が元々あまり飲まず我慢を強いられることもないため、了解をもらって飲みました。このへんの選択は妻と話し合って決めました。ただし僕はお酒を飲むと寝がちなので、臨月はもちろんですが、胎動が激しくなって夜眠れない妻の腰をさすることの多くなった後期はなるべく控えました。
夫婦間ではこれでよかったのですが、交友関係で飲み会に誘われたときが少し悩ましかったです……。夜はとくに妻の体調が不安定になることが多かったので、基本は誘われても断っていました。どうしても断れないときは事前に妻さんに了解をもらい、21時前には離脱するという感じで参加しました。基本的に、都度理解を求めて説明するしかないし、そういう姿勢でい続けることが大切だと思います。
悩ましかったのは、妻が妊娠していると伝えてなお、臨月に入ってからや出産直後の時期であっても呼ばれたことでした。誘ってもらえること自体はすごくうれしいんですが、さすがに時期が時期なのでは……。まあ端的に言うと、男性だから声かけされているのではないかというのが気に掛かりました。妻の体調をケアしないといけないし、破水したときにすぐ隣にいたいし、いないといけない。僕は断ってしまうし誘ってくれた相手も分かってくれていると信じていますが、世の中には断れない立場に置かれている人もいるんじゃないかと思うと、妊娠出産を夫婦2人のこととして捉えることがもっと当たり前になって出産直前直後に飲み会に呼ぶなんてことがなくなるのを願うばかりです。

妻の体調変化を最優先

妊娠後の体調変化はかなり個人差があるようなのですが、10週目前後がピークとされるつわりだけでなく、「後期つわり」がある人もいますし、胎動が激しくて臓器や骨盤が圧迫されて苦しいこともあります。座ってるだけでもお尻や腰に痛みがくることがあるし、食欲が無くなったり、便秘がちになったり、普通に食べただけで苦しくなったり、血圧が上がったり、体調が超変わりやすいです。その上、切迫流産や早産、逆子、妊娠期になりやすい母体の病気など、多くのリスクがあり、何もトラブルなく出産を迎えられるかどうか全く分からず、毎週のように胎内への心配事が変化する。だから、一般的な妊娠期の状態の変化は把握しつつも、それにとらわれずに妻さんの体調を見守り、母体と胎児に関するリスクを知り、ケアすることがまじで大事です。
この点で僕は強く反省しておりまして、妊娠した女性の体調がこれほど大きな変化にさらされるとは全く知らなかった……。考えてみればおなかの中で誕生した小さな命が3000g前後まで育つわけだから、母体の体調に影響がないはずないんですよね。
難しいのは、体調変化が一定ではないってことだと思いました。おなかは空くから食べるんだけど、その結果苦しくなることもあるし、そうじゃないこともある。苦しくなったときに軽はずみに「食べすぎだよ~」と言って不快にさせてしまった反省もありました。
それにしても妊娠がこれほど大変だというのに、産休が産前6週間以内って少なすぎない?男が考えたの?あの体調変化の中で仕事をするのは普通に無理なので最低3カ月は確保すべきだと思いますまじで。
とにかく、産後だけでなく妊娠の段階から女性の身体はさまざまな変化にさらされるので、その点を伝えたいっす……。

当事者意識を鍛える

これすごく大事なんですが、父としての「当事者意識」って勝手に育つものではないと(現時点で僕には)思われるので、積極的に当事者である意識を鍛えていく必要があります。
妊娠に至る過程で自分が当事者であったことはおそらく間違いないんですが(むろん妊娠の秘密を知っているのは世界中で妻だけですが、夫は当事者だと強く信じることができる)、その後のたとえば心拍が確認されたとき、おなかが膨らんできたとき、胎動が確認できたとき……いずれも、自分という輪郭の外側で起きている出来事で、けっこう実感が湧きにくい。新たな命の小さな心拍を聞いたことに強く感動しながら、どこかつかみきれないものがある、非現実感がある。ほんとうに自分の子が生まれてくるのだろうかという、浮いたような感覚がある。それでも自分は父になるのだということを思い描きながら日々すごすわけなんですが。
妊娠後のあるときに職場で育休講習を受けられる機会があって、僕も参加希望を伝えていたのに、すっぽかしてしまったことがありました。当日に僕の頭はその予定を少しも思い起こさず、実際に思い出したのは翌々日でした。予定管理でミスしている時点で社会人としてだめだろって話なんですが、この時に僕は自分が育休の当事者になれていないという事実をまざまざと突きつけられたわけです。普通に忘れるはずないんですよね、重要な予定だと認識しているなら。認識していると僕自身は思っていたんですが、でもそうじゃなかった。
その時にはたと気付いたわけですが、思い返すと、育児に関して同僚や友人から情報収集しているのは妻で、僕は妻からその話を聞くわけですが、自分はほとんど情報収集をしていなかった(そもそも情報収集をできる人があまり周囲にいなかったのもあるかもしれませんが)。育休を取ったのだから、時期が近づいたらしっかり準備しようと思っていたんですが、その認識自体がかなり甘い。だって赤ちゃんはまじでいつ生まれてくるか分からないわけで、想定通りの時期に生まれてきてくれるのかどうか、何の確証もない。育休を取ればOKなんじゃないんです。育休とは別に、出産に向けて意識を高め、早いうちからさまざまな事態を想定して準備する必要があるわけです。

……ということで、ひとまず4項目、思っていたより少ないですが、ひとまずそのような取り組みと反省をしてきました。また何か追加したくなったら上書きしたいと思います。
いよいよ予定日直前です。緊張するぜ・・・

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