マガジン

  • 夫婦で育休1年とった話

    いわゆる「男性育休」を2024年1月下旬から取りました。 調べてもあんまり出てこなかったので、男性育休について考えたこととか、今後取得を考えている人に役立ちそうなこととか、まあ些末な日記とか、書いておきます

  • あす飽きて辞めるかも日記

    なんの抑圧もなく無責任に書きたい…

  • 書物をめぐるメモ

    本にかんするその日の話題をメモります

  • 見ちがい読みちがい

    読書メモ、鑑賞メモ、考察メモ…

最近の記事

子が生まれた日

それはある冬の日、けれど春のような陽光が差し込んできた日。 分娩室は暖房が効いて熱がこもっていて、だから窓を開いた。外は散歩日和だった。 室内は緊張感と穏やかさと、配慮と、そして母親の勇気のようなものが混在した特別な空間だった。 午後だった。「ばあ」という初めての声が分娩室に響いて、無影灯に照らされて姿を現した子は、よぼよぼにふやけた皮膚に覆われていて、まぶたをぷっくりと膨らませ、大声で泣き始めた。僕は妻さんに声にならない声でお疲れ様、お疲れ様と言って、しか言えなくて、分娩

    • 「男性育休」開始までの、苦労と反省

      いよいよ予定日直前で、妻さんが連日寝不足や腰・腹部のしんどさに直面しており、夫は脇でマッサージをし続けるくらいしかできずふがいない日々です…… それにしてもなかなか生まれてこないです。38週くらいの出産も見込んで事前に育休に入り、準備しておこうと思ったのですが。準備は終わりまして。ひまだ。嵐の前の静けさということなのかもしれないが。 出産促進のため妻さんの余裕あるタイミングを狙って散歩ばっかりしてます。出産後は外食に行けなくなるとよく言われるので、行っておきたいお店に行くよう

      • 「男性育休」を1年取得するに至った理由

        育休に入ってはや1週間くらいがたち、準備に追われつつも、今はまだ穏やかな日々を過ごしておりまする……(いまこれを書き始めた時にガザ情勢の特集がテレビでやっており、それはうしろめたい言葉なのだけれど、、) まだ出産前で、出産や育児開始に向けた道具は一通り調達が完了しているので(産休に先に入っていた妻さんが多くを揃えてくれた…)、今は名前検討や出産/育児知識の勉強の日々なわけです。 妻さんは数日前に前駆陣痛?を思わせる痛みに見舞われ、気が休まらないのだが、それでも痛みが落ち着

        • "男性育休"の日記始めます

          育休が始まったんですが、仕事で引継ぎが多すぎてここ1カ月くらい死ぬほど働いて働いて、ついさっきやっとほぼ終わってもう二度とPC開きたくねえところ、そういえば育休のことせっかくだからブログ書こうと思っていたのだと思い出し、初っ端なのに疲れ果てた状態で書き出しておりますこんばんは… 妻さんが少し前に第1子の正期産の時期に入りまして、それに数日遅れてわたくしめも育休に入ったところです。思えば長かったです。育休に入るまでがとにかく長かったんです……その長かった話を、ぜんぶ書くには時

        子が生まれた日

        マガジン

        • 夫婦で育休1年とった話
          4本
        • あす飽きて辞めるかも日記
          1本
        • 書物をめぐるメモ
          5本
        • 見ちがい読みちがい
          0本

        記事

          ハントケコレクションですか!!

          なんと、法政大学出版局からハントケ・コレクションの刊行が始まるんですね!!!びっくりした!うれしい!全3巻。 『長い別れのための短い手紙』はおそらく初邦訳かな。ほかにも初邦訳がけっこう入ってくると思われる。同学社から出て高騰している『幸せではないが、もういい』も収録されるとのこと(僕は古本屋で500円で買いましたが…)。既訳では『空爆下のユーゴスラビアで』だけ未入手で、山崎佳代子のエッセイ読んだ時から気になっていたので、これが続刊で入るかどうか。 ハントケでは最近、戯曲『

          ハントケコレクションですか!!

          気になる新刊・近刊

          さいきんワシが注目している新刊の情報をまとめておきまする。 ウェルベック『滅ぼす』上下 河出書房新社から、訳は野崎歓、齋藤可津子、木内尭の3氏。 計600ページ超の大作ですね。 アガンベン『王国と栄光 新装版 オイコノミアと統治の神学的系譜学のために』 青土社から、訳は高桑和巳氏。 書物復権の候補にも挙がっていたけど選ばれず、少し遅れて新装復刊。 ラトゥール『パストゥールあるいは微生物の戦争と平和、ならびに「非還元」』 以文社から、訳は荒金直人氏。 http:

          気になる新刊・近刊

          ヤンキーたちの青春の行進をきみは見たか

          岩手の高校で応援団と有志が野球部応援のために2日かけて球場まで80キロを踏破するという謎の青春イベントの様子を伝えるこの記事、写真が最高すぎないか……。 先頭のキレ気味のヤンキー、ひとりも笑わずに叫んだり睨んだりする後続ヤンキーたち、そして背後に広がるロードサイド店舗の看板群によるザ・地方の雰囲気……この情報量。トラックのうるさい走行音と地響き、排気ガスの臭さが画面のこちら側まで迫ってきそうだ。 ピューリツァーや。ワイはこんな記事を求めとるんや……。 書きたかったのはそれ

          ヤンキーたちの青春の行進をきみは見たか

          ベルンハルトの自伝第3部『息』

          ベルンハルト『息 一つの決断』(今井敦訳)が近刊リストに入りました。5月16日発売予定。ベルンハルトの自伝的五部作の第3部です。五部作はこの他、第1部『原因 一つの示唆』、第2部『地下 ある逃亡』、第5部『ある子供』(いずれも今井敦訳)が既刊で、2年半ぶりの新刊です。残すは第4部『寒さ』のみとなりました。 ベルンハルトといえばここのところ毎年のように邦訳書が出されており、昨年12月には『樵る 激情』(初見基訳)が河出書房新社から出ました。新刊が出るたびにツイッターで「石灰工場

          ベルンハルトの自伝第3部『息』

          クッツェー最新作がくる

          J・M・クッツェーの最新作『ポーランドの人』(くぼたのぞみ訳)が近刊リストに入りました。きのうに続いて白水社なのですが(別にPR担当とかじゃないのですが)。5月末とのこと。(クッツェーファンとしては『イエスの死』邦訳も待っております鴻巣さま…) アンドレイ・プラトーノフ『幸福なモスクワ』(池田嘉郎訳)も同日刊行予定だそう。シリーズ〈ロシア語文学のミノタウロスたち〉の第2回配本です。「20世紀を中心に、〈ロシア文学〉の観念を攪乱するような、ロシア語で書かれた異形の作品を紹介する

          クッツェー最新作がくる

          ラウリー『火山の下』復刊ですって

          年度末。書物復権の復刊ラインアップ発表はまだだけど、各社のホームページでちょいちょい情報が出てきてます。ツイッターの読書クラスターでじわじわ話題に上がっています。 (書物復権2023のサイトはこちら。ただし復刊候補ページは見られないため、復刊ドットコムのページを参照) 白水社では今のところ以下5冊の復刊が確認できます。 マルカム・ラウリー『火山の下』(斎藤兆史監訳、渡辺暁・山崎暁子訳) 大江健三郎に大きな影響を与えたとされる一冊。 マルグリット・ユルスナール『火 散文詩

          ラウリー『火山の下』復刊ですって