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#5 二人の旅するワインメーカーが作り上げた HOP NATION BREWING / メルボルン / クラフトビール

「オーストラリア人はラガーよりペールエールを飲む人種だ」と思うくらい、みんなよくペールエールを飲む。
ホームパーティを開けば、女性も男性も「とりあえずペールエール!」だ。

HOP NATIONのビールは、ボトルショップでひときわ目の引くネーミング・デザインで、自然とよく手にしていた。彼らのビールを飲めば、旨いペールエールとIPAが保証されていた。


僕が初めてHOP NATIONのビールを飲んだのは、行きつけのタップルームCarwyn Cellers で手にした"JEDI DUICE / ジェダイジュース"。

ジェダイのジュース。NEIPAだった。もちろん味も旨い。

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(JEDI JUICE / Carwyn Cellars)


レンガ造りの元倉庫だったHOP NATION BREWINGの店内には、背の高い発酵タンクがいくつもあるのが目立つ。6000Lタンクだ。それでも天井までには余裕のある広々とした空間。

入り口の目の前には、大きな樽が置いてあり、何が入っているのか尋ねたところ、「今年のGABS用のバレルエイジングしたビールだよ」と教えてくれた。

GABS(Great Australian Beer Spectapular)とは、メルボルンで毎年5月、三日間に渡って開かれるオーストラリア最大級のクラフトビールイベントだ。2017年のイベントでは、ここHOP NATIONの”JEDI JUICE / NEIPA”が、数百あるビールの中から上位入賞と好成績を残した。

HOP NATION から、どのビールがGABSに参戦するのか、僕が取材した2週間後に控えるこのイベント、非常に楽しみだ。(めちゃ楽しかった。)

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(二階席から店内 / HOP NATION BREWING)

~ Their winemaking roots was always inevitable, and Sam and Duncan have no shortage of barrel-aged brews in the works ~

"サムとダンカンが経験してきたワイン造りのルーツがためになるのは明らかだし、彼ら二人に樽熟成のビール作りをさせたら右に出る者はいないよ"

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( Duncan Gibson ダンカン・ギブソン / Brewer)

〈前職〉
ワインメーカー (フランス、ドイツ、カナダ、NZ)
〈好きなビールスタイル〉
Hoppy IPA, Mix fermented Sour
〈趣味〉
スキー
〈素敵な一日にしてくれるもの〉
 一杯のコーヒー


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(WET HOP IPL 7.0 % / IPL)

〈ルックス〉
透き通った美しい黄金色
〈アロマ〉
ものすごいハーバルなアロマ
〈テイスト〉
クリーンなラガーののどごしだが、鼻から抜けるアロマが爽やか
〈フィーリング〉
7 %にしては非常にイージーに飲めてしまう、クリーンでドライな
インペリアル・ペール・ラガー


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(Oatmeal Stout 5.0 % )

〈ルックス〉
黒褐色
〈アロマ〉
キャラメルチョコレート
〈テイスト〉
圧倒的に香ばしいモルト。あくまでも口に入れた時のチョコレートはサイドフレーバー。
〈フィーリング〉
口に入れた時に感じる三つの強いフレーバー。
モルトとチョコレートやキャラメルのフレーバーバランスがとても良い。


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info
規模 1200Lのブリューハウス、1500 3000 6000Lの発酵タンク
Unit 6, 107/109 Whitehall Street Footscray VIC 3011

月/火/水/木 closed 金 15 - 22 土 12 - 22  日 12 - 18 

History
ダンカンは、世界中をワインメーカーとしてカナダ、フランス、ドイツと駆け巡っていた。そしてニュージーランドでワインメーカーをしている際、今のパートナーであるサムと出会うことになる。彼らは、仕事でワインを作る傍ら、ホームブリューイングをしてビール作りも楽しんでいた。メルボルンに移り住み、ビールの魅力に取り憑かれたその思いは、2014年にコントラストブリューイング(醸造機器は他社に借りるやり方)としてオープン。それからフットスクレイで大きな倉庫を購入し、2015年6月にオーストラリアン IPA をリリースしたのが始まりだ。今では、10以上のラインナップがあり、中でも特筆すべきはバレルエイジングのビール。彼らのワインメーカーとしての知識が、今クラフトビールの世界で脚光を浴びている。


Area Information

フットスクレイはメルボルン市街地の西側5kmの湾岸沿いに位置し、電車も通っているためアクセスも簡単だ。大きなショッピングセンターもあり、そこに訪れる客層は、ギリシャ系イタリア系と様々だ。特に、大通りには多くのベトナムカルチャーを見かけることができ、個人的にも、ここのベトナム料理は好んで食べに来ることがあり、本場のベトナムコーヒーなどオーストラリアにいながらミックスカルチャーを楽しめる。


Beers

POT 285ml 5 - 8 AU$
Pint 475ml 10 - 15 AU$
クラウラー 1L 16-24 AU$
テイスト4種 20 AU$
タップ数 8 ( 自家醸造8種 )

1. WET HOP IPL - 7.0 % 珍しいインペリアルペールラガー ( 写真1 )
2. THE HEART - Pale Ale - 4.6 % 心臓ホップのデザインがとてもユニーク。僕のお気に入りPA。
3. SESSION ALE - 3.8 % 女性にも優しい低アルコールのエールビール。
4. THE CHOP American IPA -どのスタイルにも当てはまらないようなIPA 7.0 %
5. MARKET NEIPA - 6.0 % ベトナムカルチャーに発想をもらったスパイシーNEIPA
6. JEDI JUICE NEIPA - 7.1 % 濁ってて、クリスピーでジューシーな、これぞNEIPA代表作。
7. OAT MEAL STOUT -5.0 % フレーバー、テイストのバランスが非常に良いスタウト( 写真2 )
8. THE PUNCH Mango Gose - 4.0% ピンクソルトとマンゴーミックスのジャーマンスタイルゴゼ。


Foods
スナックのみ
気まぐれフードトラックが来ます。
詳細はインスタグラムに掲載


その他

フード持ち込み可
1L クラウラー持ち帰り可能
Tシャツ スウェット 販売
ゲーム機
ペット可


ACCESS

Footscray または Seddon 駅より徒歩10分
駐車場有
マリビロン川自転車道より50m


ダンカンはワインメーカーとして世界を旅したことを本当に楽しそうに語ってくれた。手に職があって、英語ができて、あとはフットワーク。日本の職人が世界に出て行ったら、さぞかし面白いこと起こるんだろうけどな。 23



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