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過激な代弁者

母の弟の友達。小学校低学年生で、よだれかけがトレードマークでした。

性格も幼いのかというと、そうではありません(笑)。

家の近くの開業医の息子で、恵まれた生活を送っていました。

そんな彼が、非常に貧しい母の家に、頻繁に遊びに来ていました。

そして、祖母に言います。

「おばちゃん、なんでこんな貧しい生活に甘んじとんか?」

「もっと、しっかりせんとダメやんか!」遠慮がありません。

その後も、次々と祖母にダメ出しをします。まるで、指導者。

よだれかけと、彼の発言の間に整合性が取れず、笑ってしまう母。

その話を聞いた私が、母に尋ねます。

「そんな事言われて、腹が立たんかったんか?」

すると、母が嬉しそうに答えます。

「○○ちゃんは、私の言いたいことを全部言うてくれて、胸がスッとしたわ!面白い子やったで!」

(おかしい!母が思ったことを祖母に伝えていないなんて・・・)

そして、さらに私が尋ねます。

「お母さんは、ばあちゃんに直接、そう言わんかったんか?」

母が言います。

「もちろん、そう言うたんやけどな。子供の私が言ってもバカにされるだけで、聞いてもらえんのよ。他人から言ってもらった方がええんよ!」

最後の私の質問です。

「ところで、お母さんは、○○ちゃんが好きやったん?」

母が、力強く答えました。

「全然。あんな可愛くない子、嫌いや!」

「一体、どういう事やねん!」と思う私(笑)。

意外にも、母は自分と似た人物が嫌いなのでした(笑)。


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