私も周りだけかもしれないが、ここ一年ぐらいでタロットカードを引く人が増えた。

先天的な霊感を持つ子もいれば、ロジカルにカードを読み解く子もいて、同じカードでもこうもまあ人によって違うんだなあと感心する。

そんな私も彼、彼女らにあやかり、一ヶ月から三ヶ月おきぐらいに引いてもらっていたりする。

面白いことに違う人が引いたのに同じような順序を辿るカードの並びとも出くわしたりもするので、人々がこんなにハマる理由が分かった気もした。

ほんの数日前にもタロットを引いてもらった。
引いてくれたのは、現在アメリカで宇宙についてお勉強しているお友達。たぶん、私の知っている人の中でトップオブトップに頭がいいと思ってる。
（某西側の名門国立大学→某米国の名門大学）

一見すると、あまり占いなどの非科学的なものを好まないように感じていたが、久しぶりに連絡をした際（酔っ払って電話なんて言えない）、「そういえば俺、タロット引けるようになったんだよね」なんて話になり、「んなら、おねしゃす！」と鑑定スタート。

彼のカードの引き方、及び、読み方は一切感情が入ってない。

出てきたカードの絵柄と位置から情報を正確に確認し、相手の相談内容に当てはまる。ただそれだけ。

よくある、カード内容を基に気持ちに寄り添ってみたいなことは一切しないのだ。ロジカル！

初めて引いてもらったのが10月の頭で、で、前回の記事にも書いたように好きな人を好きだと認めたので、それについて引いてくれ〜とお願いし、二回目の鑑定。

面白いことにカード内容は違えど、他の子に引いてもらった時と同じ流れが浮き彫りとなり、思わず電話口でキャーと叫び、まじかーとゲラゲラ笑ってしまった。

鑑定後、「えーこの人とどうしよー」なんて、夕陽が差し込む放課後の教室でするような恋バナを一方的にスタートさせる。

私がベラベラ喋り、「いやーわかるわー」と返してくれる彼。大体、男性は答えの出ない感情論を好まないと考えているので、そうやって話に同調してくれるのはシンプルに嬉しかった。

彼も彼で、私の状況へのアドバイスになるような自分や周りの経験談を話してくれて、中には失敗談もあった。

詳しくは書かないけど、要するに何故人は好きな人、好意のある人からされた嬉しい行為に対して、天邪鬼な振る舞いをしてしまうかといったもの。

そして、その理由は傷つきたくないから、と。

人間は好意や愛情を抱く相手と溶け合いたい筈なのにその寸前で恐れをなしてしまう。

無論、私もそうだ。いや、まじでそうでしかない。普通に困ってる。好きな人の前だと作風がボーボボになってしまう。やめろ！せめて銀魂にしてくれ！嘘！いちご100%！←世代やめろ

ちな、いちひゃくはつかさ一択。異論は認めねえ。東城とさつき派とは戦争だ。

そんなことはどうだっていいんだ。
どうせお前ら、ToLOVEる派なんだろ？あ？

だ　か　ら

そんなジャンプのちょいエロラブコメ枠の話じゃねーのよ。

時を戻そう。

お互いの過去の恋愛やらかし話（私の場合、現在進行形も含む）をしていて、その途中、ふと聞いてみた。

「愛と宇宙なら、どっちが難しい？」

彼は「えー」と困り笑いをしながらも、「宇宙だね」。

「宇宙かーー」と項垂れる私に「まあでも、インターステラーでも愛について描かれていたじゃない」とも返してくれる。

インターステラーについてはご自分でお調べになってほしいのですが、超簡単に言えば、次元や時空を行き来できる唯一のモノが“愛”なのだ。

ノーラン、死ぬほどサイコパスそう（いや、絶対そう）なのに“愛”の描写の書き方が繊細でやはり推せる。

私より、というか、私と比べられないほど半端ねー学歴を持ち、大学時代からずっと学んでいたことをさらに深掘りしている人ですら、“愛”についての答えを見つけられないのだから、そりゃ人々は魅了されるわけだ。

東野圭吾作品の容疑者xの献身でも、湯川が「x=愛にはどうしたってならない」とその曖昧さについて言い切っていたが、やはりその湯川さえ物語終盤では“愛”の不可思議さに直面し、頭を抱えるわけだから、“愛”とはとんでもないシロモノなのかもしれない。

だからこそ、人間は言葉を持つ前から、愛を表現し、探求し、そして今なおそれが続いているし、続いていく。人それぞれの答えを乗せて、時を越えていく。美しいことこの上ない。

共通した答えがあるから美しいのではない。
それぞれの答えがあるから、美しい。

けれど、その美しさを可視化するには、手に取るためには、大なり小なりの痛みが生じる時もある。

だから、傷つきたくないで愛を避けるのは、ちょっと勿体ないんじゃないかな。と、私はカード結果と彼との話から思うのであった。

やっぱりノーランの解釈とその表現すげーわ。

2021年12月2日
明後日は射手座新月やー！