食の楽しみ~イメージできることは大切~

 6月6日は、「飲み水の日」だったらしい。水と言えば、人間の生命維持に不可欠である。同時に、生命維持ということは臓器の働きの維持に繋がっている。

 私が入院していた頃、初めのころはとろみ水を飲んでいた。はっきり言ってとろみがついた水は美味しくない。美味しさで言えば、普通の冷水>とろみの冷水>とろみの常温というような感じであった。唯一の楽しみは、言語聴覚士立会いのもととろみの無い冷水を飲むことであった。
 また、「プリンが食べたい!」と思うが見守りが必要で面会の人か看護師などが付き添っていなければ食べることができなかった。そこで、看護師はナースステーションの前にある食堂で食べて良いと言って食堂へ移動した。俗に言う遠くから見守る遠位監視だ。こうすることで、リスクを最小限で安全を確保するというケアを選択したのだろう。

 むせること(誤嚥)やのどに詰まらせること(窒息)という可能性から、どうしたら本人(この場合は私)の望みをかなえられるのかということを考えた結果だと思う。

 現在は、自炊中心の食生活を送っている。入院中は、作業療法で野菜炒めの調理訓練を行うというリハビリも行った。しかし、実生活となれば1)何を作るか、2)どの食材を使うのか、3)どう作るのか、4)どう盛り付けるのか、5)配膳はどうするのか、ということが問題となる。
 リハビリ場面では、3)・4)を切り出して実践するが、私の場合は宿題として1)2)も行った。3)4)は、入院調理したものが出てきて食べるだけ。5)は、医療スタッフが行っている。
 これらを退院後の生活では、一人で行わなければならない。
 
大切なことは、1)から5)にかけての動作を鮮明にイメージできるか!ということである。そういったことをリアルに想像することで、退院支援や退院時のゴールが導かれるのかもしれない。


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