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【映画】『エリザベス』〜ヨーロッパの戦争が、日本の戦国時代に影響を与えた可能性〜

映画『エリザベス』は1998年の映画です。こういう映画は、世界史を学んでいないと、観てもあまり面白くない映画です。この映画を楽しめるようになっただけでも、世界史を学んで良かったと思えるところです。そして世界史は、日本史とも繋がっているのです。その関係性がわかると、歴史映画も歴史小説も、角度を変えて楽しむ事ができます。

私にとって、この映画の見どころは、イギリス軍がスペインの無敵艦隊と戦う、アルマダの海戦です。1588年の出来事なので、日本では織田信長がいなくなって、豊臣秀吉の世となっている頃の戦いです。

アルマダの海戦で登場するのが、大砲を装備した艦船です。日本に本格的な艦船が現れたのは、江戸時代の末期なので、スペインやイギリスは300年近く進んでいたことになります。

日本の戦国時代は、基本的には陸上戦ばかりで、海戦は殆ど行われていませんでした。村上水軍と九鬼水軍が戦った、木津川口の海戦が有名ですが、この頃はまだ大砲はなく、焙烙玉という爆弾のような物を、相手の船に投げ込んでいました。

大砲自体が、陸上戦でも戦国時代にはあまり使われていませんでした。大坂冬の陣で徳川軍が使って、難攻不落の大坂城を陥落させ、その威力の大きさに他の武将達がビビってしまったのか、その後は太平の世になりました。

この大坂冬の陣で使った大砲は、カルバリン砲という、イギリス製のものでした。大坂冬の陣は1614年なので、アルマダの海戦から36年後という事になります。その間に、アルマダ海戦で使われた大砲が、極東の日本まで届けられたという事です。この様に繋げていくと、歴史映画も歴史小説も、そして大河ドラマも、数倍楽しむ事ができます。


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