見出し画像

【読書】平野啓一郎著『「カッコいい」とは何か』


平野啓一郎さんの小説はとても面白い作品が多く、大好きな作家の一人です。
そして、平野啓一郎さんは独特な考えを持っていて、その考えをネットや書籍で発信しています。
そんな平野啓一郎さんが書く小説だから、面白いということも言えます。


「カッコいい」車

車にはあまり興味がないのですが、町を走っている車を見て、「あっ、カッコいいな」と思う車と、そうでもない車があります。

フェラーリを見て「カッコいい」と思うのは当たり前のことなのですが、
「日野の2トン」を見ても、「カッコいい」と感じてしまうこともあります。
いくらフェラーリがカッコ良くても、左のドアが凹んでいたりしたら、それだけで逆に「カッコ悪い」と思ってしまいます。

フェラーリを「カッコいい」と感じるのと同時に、フェラーリに乗っている人のことを「カッコいい」と感じます。
それは、フェラーリを所有している人物のことが「カッコいい」訳です。
所有していないとダメです。
レンタカーのフェラーリではカッコよくないのです。
フェラーリのレンタカーってそれなりに高額だとは思いますが、レンタカーではダメなのです。

フェラーリを所有している人が、家賃38,000円のアパートに住んでいても、それはそれで「カッコいい」と思います。


カッコつけるな!

今はどうかは解りませんが、昔は関西人はカッコつけることを嫌いました。
「お前、何カッコつけてんねん!」とか言って、変に絡まれたりしました。
そんな輩が高校に通っている頃にはいっぱいいたので、できるだけ目立たないようにして街を歩いていたのを思い出します。
他にも「ええカッコすんな!」とか「カッコつけてんちゃうぞ!」とか、柄の悪い言葉が飛び交っていました。

昔はケンカの強い奴がカッコ良かったのですが、最近は頭のいい奴の方が「カッコいい」と言われるそうです。
「カッコいい」という感覚も時代と共に変化しています。
そしてカッコつけてはいけない時代もあったのです。


人と違う生き方

人と違う生き方をしている人はカッコいいと思います。
人と違う生き方とはある意味、安全な道を選ばない人ということも言えます。
プロ野球選手のことを「カッコいい」と思いますが、プロ野球選手を目指すということ自体、大学を出て企業に就職をする一般的な人生と比べると、めちゃくちゃリスクのあることです。

こだわりのある人のことも「カッコいい」と感じます。
昔ならオタクといわれた人は、今では「カッコいい」のです。
だから、人と同じことをしている人は「カッコ悪い」とは言いませんが、カッコよくありません。

「カッコ悪い」からと言って、人の目を気にすることが実は一番「カッコ悪い」のです。
人の目を気にせず、自分のやりたいことをやっている人が一番「カッコいい」人だと思います。


「カッコ悪い」ことに気づく

若い時はカッコつけていたらしばかれましたが、今は違います。
「カッコいい」といわれるおじさんを目指しています。

でも、よく考えてみると、どうすれば「カッコいい」と言われるのだろう?・・・と考えている時点で、恥ずかしいくらい「カッコ悪い」ことだと気づきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?