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マーケティング能力を上げるため1シート (不定期更新)

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マーケティング・PR・セールスなどの領域に関わる人たち向け、思考力と実践力を上げるための考え方・フレームワークなどを1枚のシートにまとめて公開していきます。
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記事一覧

対談記事が2本公開されております: FacebookJapan中村さんとの対談、及び、Microsoft Advertising有薗さんとの対談

さて、ここしばらく、対談やインタビュー記事が続いてます。対談は校正が大変で、話をしている間はスムーズに言ってても、文字に起こすと言葉足らずだなという部分がでてきたり、時間をかけて修正作業を行うようにしています。 今週、2つの対談(片方は後編が来週出ますが)が公開されましたので、以下にてリンクを張っておきますので、お時間あるときにお読みください。 2023/10/02 公開 Agenda Note こちらは Facebook Japan のマーケティング・サイエンス統括執

顧客視点に立った営業体制の話〜営業組織の三類型とThe PODs - #1sheetMktg 番外編2

 普段は表向きはマーケティングの話をすることばかりですが、実際にはマーケティングを改革していくと、営業体制の改革もしなければいけない場面に出くわします。あるいは、過去に外資IT企業でのセールスマーケティング   組織のチームリーダーとして働いた学びをもとに、ベンチャーやアドテク/マーケテック企業に、マーケティングと営業組織体制についてのアドバイスをする機会もあり、結構な頻度で営業とその組織の改革がプロジェクト化することが頻繁にあります。現在も数社、営業組織改革を含めたプロジェ

メディア事業の根本原理 #1sheetMktg 番外編1

 『マーケティングのチカラをあげる 1 sheet』で「番外編」を作りました。  メディア事業者の方々と話をしていると、意外と自分たちの事業の根本原理について一枚の絵で捉えられていない事実に直面します。そこで、とあるミーティングで作成した一枚絵を一般化したものをこちらにアップします。  基本的には、メディア事業のみならず、あらゆる intermediary型のビジネスでは同様です。左右のステークホルダー/アクターに対して、それぞれに対してどのような価値を提供することができ

6. インサイトって何?〜英国の Account Planning から学ぶ #1sheetMktg

 ここしばらく、「インサイト」という言葉がマーケティングや広告業界で”再び”ブームのようになっている。実際のところ、「インサイト」の調査・コンサルティングを生業としている事業者や、それを語る人たちが増えているので、まぁ、それなりにニーズがあるのだろう。  私自身が "insight" という言葉を聞いたのは、博報堂に在籍をしていた頃だから、1990年代後半か或いは2000年代の前半のことである。幸運なことに、英国の Account Planning という広告におけるリサー

5. Needs, Wants, and Demands その違い - #1sheetMktg

マーケティング従事者は、needs, wants, demands といった言葉について、明確に理解をしていないことが実は多い。しかし、Kotlerらによってまとめられた 『Marketing Management』 においては、その3つの違いについて定義がなされている。 この違いを理解することで、マーケティング従事者は、「何に」対して働きかけるのかが明確になる。 その違いについて、一枚のシートにまとめた。 ※PDF版は以下からダウンロードできます。

4. Share(共有)は、購買プロセスのどこで起きるのか? #1sheetMktg

次の記事を読んだ。 従来の購買ファネルは古く、新しいファネルの考え方として、ACTIONのあとにSHAREがあることを捉えよう!というものだ。 これは、電通から出てきた有名な「AISAS」やあるいはGoogleのZMOTから派生した「TMOT」など、近年のマーケティング実務家の中でもよく使われている考え方である。 しかし、である。 実際のところ、ソーシャルメディアやブログ、noteなどを見ても、「Share(共有)」は、上記のモデルで主張されたような「買った後」だけで

3. マーケティングの3つのレベルについて - #1sheetMktg

意外と理解されていないことだが、マーケティングというのは3つのレベルに分かれる。 色々なマーケティングの教科書によると、マーケティングを経営レベルで考える Manegerial Marketing と いわゆるマーケティング部門・チームが行うレベルの Marketing Management という分類になる。そこに、部門・チーム内で行う日々のマーケティング実務である Maketing Operations を加えると、企業の経営や戦略レベルから、実務の運用レベルまで、「マ

2.「買う」のバーを超えることが「買われる」ということ - #1sheetMktg

Decision Criteria という考え方がある。何かが買われるときにはいろいろな判断基準がある、というもの。 B2CであれB2Bであれ、たった一つの理由だけでモノやサービスが買われることはない。 しかしながら実際のところ、マーケターや広告従事者は、見込み客が「買う」ために頭の中に作っている判断の要素を注意深く観察することなしに、最悪の場合には”たった一つの”メッセージを広告やPRを通じて届けようとする。 「買う」を理解するためには、「買う」という行為における要素

1. ブランディングとは、=Exposure+Experience. #1sheetMktg

「ブランディング」=広告をすること、露出をすることと思われがちだが実際にはそれは、「ブランディング」の半分の要素にすぎない。 「ブランディング」とは、ブランドを買い手の頭や生活の中に定着させるための実践なのであり、そのためには、ブランド自身が何を約束するのか、 そしてその約束を果たすことの両輪が必要である。 この前者を Brand Exposure といい、後者を Brand Experience という。 例えば、シンプルな家具や家電を提供しているという小売ブランド