2023/4/6 天秤座満月 マッチングアプリでの出逢い

4月5日の夜11時過ぎ
どちらかというと12時近く、
私の元に、登録しているマッチングアプリから
『いいね!がつきました』というお知らせメールが届いた。
相手を見ると、同じ県内に住む、
何と!一回り…つまり12才年下の男性だった。
プロフィールを見てみると、本人の写真が載っていて、
一目で「好みのタイプ!」というわけではなかったけれど、
「ナシではない」という感じだった。
おそらく自宅の洗面所の前で、スーツを着て、鏡に映った自分を撮った写真だった。
髪型もイマドキというわけでもなく、でもきちんと整えられていて、
どこのメーカーかはわからない腕時計も、男性らしいものだった。
プロフィールには他に、何種類かの山の景色と、桜が満開の道路の景色が載せられていて、そのどれも、私も目に入ったら撮りたくなりそうな景色だった。
美し過ぎず、でも自然な。

プロフィール欄には他に、
好きなアーティスト名が数名書かれていたけれど、私には誰もわからなかった。
休みの日は、景色の良い山にドライブに行ったり、温泉に行ったりする、
と書かれていた。
私が大嫌いなタバコも『吸わない』とあり、お酒も『飲まない』と書かれていた。
とりあえず、ナシではない一回り年下の男性に、いいね のお返しをすることにした。
ただ、12時を過ぎたその日(4月6日)が満月に当たっていたので、
わざと12時を過ぎてから いいね を押してみた。
そして、そのまま寝てしまった。

寝て起きた6日の朝は、早朝から市外へ派遣の仕事に行くことになっていたので、特に携帯を確認することもなく、仕事に出かけた。
2つの市町村をまたいだ3つ先の市だったため、通勤の混雑を避けて、
山道を通った。
その山道の途中には、テレビで数回紹介されたことがあるパワースポットと称される神社があった。
毎年、初詣に行っている神社だ。

派遣の仕事は12時半で終わった。
それまで一度も見なかった携帯を見てみると、何と!あの一回り年下の男性から、メッセージが届いている、というメールがアプリから届いていた!

ドキドキしながらアプリを開いた……
すると、メッセージにはモザイクのようなものがかかっていて、
『本人確認ができていないため、メッセージは読めません』といった内容のお知らせが……
とりあえず登録!という感じでアプリに登録していたので、本人確認はしていなかった。
すぐに本人確認をしてしまいたいところだったけれど、証明書を使うことだから、間違って変なことをしてしまわないように
「落ち着いてキチンとしよう」と、まず家に向かった。
また、パワースポットの神社の前を通り、山を越えて、1時間半。
まず軽くお昼を食べ、免許証を用意して、本人確認の申請をした。
すると『認証までしばらくお待ち下さい』といった内容のメッセージが……
そうこうしているうちに、次の仕事に向かう時間がきてしまった。
おあずけを食らったまま
「え〜……どんなメッセージがきているんだろう……」
仕事中はつい上の空になってしまった。

やっと、その日2つ目の自分の仕事を終え、たまらずすぐに携帯を広げてメッセージを読んでみた。

『こんばんは。
夜分遅くに失礼します。
○○さん初めまして。
いいねどうもありがとうございます』

丁寧な挨拶。
そして、最後にスマイルの絵文字が入っていた。
彼からのメッセージは、私がこだわった12時過ぎから30分後に届いていたようだ。
寝ていて良かった……
そのときに、そこから本人確認申請など始めていたら、
寝るのが何時になってしまったかわからない。

私の心臓がものすごい勢いでドキドキし始めた。
私は、挨拶文のあと、
『とっても年上だし、写真も載せていないので、間違って いいね を押してしまったのかと思いました。』と送ってみた。
また、マッチングが初めてのため、初めて送るメッセージだということも伝えた。

彼からはすぐに返事が届いた。

『お返事どうもありがとうございます。
初めてのメッセージが私なんて、とっても嬉しいです。
有り難いです。
間違えてではないです。
年上の女性が好きなのです。
よろしくお願いいたします。』

私の心臓は、今度は
胸の肉や皮を破って、漫画のように飛び出すのではないかという勢いでドキドキ鳴り出してしまった。
このまま血圧が上がって死んでしまうのではないかしら……?

次に私は、同じ県内のどの辺りに住んでいるのかを聞いてみた。
私の住んでいる市から60km以上離れた町に住んでいた。

『私は○○市に住んでいます』
と送ると、

『○○市なら1時間で行けますし、(高速だと35分、40分くらい)そんなに遠くないですし、良い出会いにしたいです。』

私は今度は目が飛び出しそうになった。
えぇっっ?!
私のために、高速を使って会いに来てくれてもいいってこと?!
良い出会いって……
お付き合いも可能ってことなのだろうか……?
でも、そんなことを直接質問するわけにはいかないと思った。
とりあえず話題を変えてみようと、
『今日は満月ですね』
と送ってみると
『満月とても美しいです』
と、満月を撮った写真が送られてきた。
月を美しい と思える人だ……
それに、『綺麗』ではなくて
『美しい』という言葉を表現として選ぶ人だ……
私はただそれだけのことで、もう彼に惹かれてしまった。

メッセージのやりとりが続くということを、あまり考えてはいなかった。
けれど、彼は、友達とのやりとりかのようにすぐに返事をくれた。

このままメッセージのやりとりを続けると死んでしまいそうだ。
本当に心臓のドキドキがずっと止まらなかった。

とりあえず、私はそこでメッセージを送ることをやめてみた。
そして、心臓の動きが普通に戻るのを待ちながら、いろいろと考えてみた。

まず、この人は『良い出会いにしたい』
なんて言ってくれたけど、私はプロフィールに自分の写真は載せていない。
すっごいデブでお肌がブッツブツとかシワッシワのおばあちゃんみたいなおばさんかもしれないとは想像しないのだろうか?
下手にメッセージのやりとりを続けて、私に会ったときにガッカリさせては申し訳ない……
ブッツブツでもシワッシワでもないけど、私は太っている。
とりあえず写真を送ってみようか……?

最近撮った写真を探そうとしたけれど、
もともと仕事仕事の毎日で出掛けることもめったにないのと、
今の自分が嫌すぎて、たまに出掛けても自分の写真など撮らなくなっていたから、1人で撮った写真は無かった。
数週間前に仕事関係の食事会で撮った集合写真でも送ってみよう。
食事会だったから、比較的キレイめの格好をしていたのと、
集合写真なので、自分を少し拡大したところで、ボヤケていて、
実際はどんな顔なのかはわからないレベルだった。

数時間経ってから
『初めてメッセージを送った方からこんなにたくさんお返事いただけるとは思わず……クールダウンしてました。
Mさんの貴重なお時間が無駄にならないよう、自分の写真を送ってみました。(あえてボケているもの)
太っています。

こんな私で良かったら、またメッセージお待ちしています。

今日は幸せな気持ちで眠れそうです。
ありがとうございました。
おやすみなさい。』
というメッセージをつけて、写真を送った。

なんだ、太ったおばさんだな。
と、ブロックされてしまうかもしれない。
でも、このまま続けて、会ったときに目の前で直接ガッカリしたような顔を見る方が辛そうだし……

返信が来ない、又は
無言でブロックされる可能性もあるだろうと、すぐに返信を確認する気持ちにはなれなかった。
どちらにしても、アプリを通したメッセージのやりとりなので、届くことをお知らせされるまで少しタイムラグもある。

寝る準備をして、寝る直前に確認してみよう。

歯磨きをして、目覚ましをセットし、
布団に入る直前にアプリを開いてみた。
返事はきちんと届いていた。
『ごめんなさい』
などと短い言葉が書かれていると想像していた私は、数行書かれたその文字を目にし、ひとりきりなのに大声で叫んでしまった。
「えぇっっっ?!」

『お写真どうもありがとうございます。
お写真 好みの雰囲気です。
これからもメッセージのやりとりしたいです。』

心臓はもう本当に破裂しそうだった。
好みの雰囲気……?
これからもやりとりを『したい』??
メッセージをまた送ってもいいの?

布団に入っても、全く眠れなかった。
ドキドキはいつおさまるのか?
全然普通に戻る気配はなかったけれど、
次の日も仕事だったので、とりあえず眠る努力をした。
本当に次の日に死んでしまうのではないかと、本気で心配になるくらい、心臓の動きがすごかった。


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