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[パン作り] イーストと天然酵母ってなにが違うの?

私はパン屋で働き、レストランでパン担当をしました。仕事をしていない時期は、家でパンを焼いたり。
パンを食べるのも作るのも好きです!
イーストのパンも天然酵母パンも両方作ってきました。
どちらも、良さがあります。今回はその良さについてお話しします。

イーストとは?

酵母(Yeast)という微生物。
パン酵母の一種を工場で純粋培養して商品化したもの。
原材料)パン酵母/乳化剤(ソルビタン脂肪酸エステル)、V.C

スーパーなどに一般的に売られているパンはほとんどがイーストを使ったパンです。
不純物が入っていないイーストは品質が一定なので、工場での大量生産に向いています。
例えば、温度と湿度を管理すれば、一定の時間で毎回同じように発酵します。

自宅で作るのにも向いています。計量を正確にして、オーブンの発酵機能を使えば、失敗なく作れる可能性が高いです。

パンの種類としては、菓子パン系、きめが細かい食パン系、バターたっぷりのデニッシュ系に向いています。

イースト特有の匂いが、唯一のイマイチな点かな。
とはいえ、少量の使用で長時間発酵するバゲットなど作り方次第で美味しいパンもあります。

天然酵母とは?

パン酵母を培養して商品化しているのは、イーストと同じ。
違うのはざっくり言うと、乳化剤、ビタミンCといった添加物が入っているか否かでしょうか。

市販品で有名なのは、ホシノ酵母と、白神こだま酵母。

○ホシノ天然酵母 

原材料)  小麦粉(小麦(国産))、米(国産)、酵母、麹

イーストの次に手に入りやすい酵母だと思います。
米由来の酵母です。

ホシノでは、上記の天然酵母パン種以外にもパン種の種類がたくさんあり、作りたいパンによって使い分けができます。

生種は冷蔵で酵母を休眠状態にしているので、まずは水と混ぜて、28℃で24時間発酵させ、パン種を起こす必要があります。
温度を一定に保つ発酵機を使うと楽ちんです。

種を起こしたあと、パンを作る段階でもイーストより発酵時間がかかります。
また乳酸菌が含まれるため、出来上がりのパンは複雑な味と香りがします。
時間をかけて、ゆっくり美味しさを引き出し、麹のほのかな甘さがするもっちりしたパンが特徴です。

○白神こだま酵母

白神山地の土の中から発見された、白神こだま酵母菌そのものを純粋培養。

私は、白神こだま酵母を使ったことはないですが、こちらも手に入りやすい有名な商品です。
世界遺産白神山地ということで、おぉ〜!なんだか凄い!というイメージです。

サイトによると、
イーストを使う場合と同じレシピでイースト→こだま酵母に入れ替えることができるとのこと。
ドライ状態なので、生種のように酵母を起こす必要がなく、手軽に使えますね〜

公式サイト内に、事業者向けページがあり、イーストと変わらない手軽さ、値段の安さで、美味しいパンが作れて天然酵母という差別化ができると謳っています。

発酵も3時間とあり、イーストよりは時間がかかりますが、充分早いですね。
チャレンジしやすい酵母といえます。

実は、自家製天然酵母もあります

天然酵母というのは、もともと自分で起こした酵母のイメージがあると思います。
自家製天然酵母パンと、市販品を使った天然酵母パンが混ざって売られているのが、分かりづらい要因な気がします。

自家製天然酵母は、果物や小麦粉などと水を数日かけて発酵させて、元の種を起こします。
場合によっては、元種を育てて強い酵母にしてから使います。

自家製天然酵母については、また記事にしたいと思います。

それぞれの特徴が伝わったでしょうか?
ありがとうございました。

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