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ドイツの地方テレビ局の取材が来ました * 遊具製造会社と公園の紹介

こんにちは。
私はベルリンの郊外にある遊具製造会社でデザイナーとして働いています。現在は、在宅勤務中。

先週の木曜日、ベルリンとその周りのブランデンブルグ州の地方テレビ局が会社と工場に取材に来ました。その後は、ベルリンの公園で引き続き撮影。その公園は私の住んでいるところからそれほど遠くなかったので、公園での取材の対応をさせてもらうことになりました。

毎週土曜日の午後の番組の中でベルリンやブランデンブルグの企業を紹介するコーナーがあるそうで、ベルリン市内にある遊具製造会社の取材をするはずだったのがキャンセルになり、急遽私が働いている会社にそのお話が回ってきたようです。

2年前に建てられたこの公園。
私は当時このプロジェクトには関わっていなかったので今回写真と資料に初めて目を通したのですが、前日に大急ぎでプレゼンの準備をしながら、普段公園や遊具と関わりのない人にプロジェクトの説明をすることがほとんどないことに気が付きました。興味や専門が全く違う人にお話をさせてもらうと、普段考えていることや取り組んでいることについて頭の中で改めてしっかり考え直すいい機会になりますね。そして、インクルーシブな公園の一例として紹介されるということだったので、公園に置けるインクルージョンのお話もしました。

取材チームが会社から出発したとの連絡を受けてから、こちらの公園で待ち合わせ。ベルリンの中心地からは少し離れた住宅地の保育園のすぐ隣にある、お花畑がテーマの公園です。

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国連の子どもの権利条約によって、すべてのこどもたちが遊ぶ権利を持っていること。それなのに、障害があって、公園で遊びたくてもなかなか遊べない、行ったこともないこどもたちもいること。公園は、障害の有無、文化、宗教、年齢などにかかわらず、多様なこどもたちみんなが遊べる場所を目指すべきで、自分たちも常にそのことを大切にしながら遊具・公園づくりに関わっていること。障害があるこどもたちも挑戦ができるような遊びを取り入れていること。皿ブランコは、1人でも数人でも、また車椅子のこどもたちも遊べるし、こどもたちに大人気なこと。「インクルーシブ」とは、本来、誰も締め出さないということ。「インクルージョン」においては、「普通」が存在しないこと。インクルーシブな公園とは、障害のあるこどもたちのためのものではなく、みんなが一緒に遊べる場所であるべきだということ。そして、インクルーシブな公園、遊び場が当たり前になって、わざわざインクルーシブと言わなくてもよくなることを目指していること。

などなど。伝えたいことがたっくさん。

久しぶりに本格的に夏日になったこの日。遊びに来ていたこどもたちに話しかけながら、しばらく取材チームとお話をしました。

そして、会社と工場、公園での様子がこちらの3分間ほどの動画で見られるので、興味がある方は是非のぞいてみてください。
インクルーシブな考え方が少しずつでも広がっていくきっかけになりますように。


* 動画の要約 *

2年前にベルリンにできたインクルーシブな公園。
「小さいこどもたちが遊べるスペースも大きいこどもたちが遊べる大きなタワーもあって、いつもこどもたちが遊んでいる」と、公園に来ていたお母さん。

この遊具がつくられたのは、ブランデンブルク。
壁の崩壊の一年前に西ドイツに移り遊具製造会社で働いたヨーン・シェーファーさん(社長)。壁が崩壊し、東ドイツでもできると、遊具製造会社を設立。壁の崩壊後、住宅協会が住宅よりもまず先に取り組んだのが、遊具のある遊び場。遊具の市場はとても大きく、会社は成長。3人で始めた会社は、30年後の現在は100人以上の社員が働く会社に。
このロープでできたネットはオーストラリアへ。この魚はスイスへ。カラフルな虹の遊具は、ドイツ南部のホルツキルヒェンへ。
この会社には専属の遊具デザイナーも。韓国と日本出身で、ブランデンブルクで働いている。 (今私は在宅勤務中ですが。)

CNC加工機も導入し、装飾などのパーツの加工もできるようになった。
やはり昔から今もベルリンの遊具を多く手がける。
「ベルリンは想像性豊かな街。スタンダードではない特別な遊具が望まれ、高いプレイバリューも求められる。そして何と言ってもバンダリズムにも適した壊されないものをつくる必要がある。」

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