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これは限りなく事実に基づいたフィクションです。

※ 今日のひとりごとは、ニュース記事には書かれていないドラマを想像して物語風にしてみたというものです。トラブルに見舞われた受験生の不安や、対応に追われる中での駅員さんのやり取り、現場の状況などは記事には書かれていないので、あくまでも私の想像です。私はこのニュースを知って、こんなドラマがあったのかなと想像していたんですよ〜というお話です。


午前7時35分。北海道滝川市。
札幌行きの特急スーパーカムイ10号は20分後に、この滝川駅を出発する…予定だった。

「受験生はいませんか?」

構内アナウンスが響き、そこにいた7人の受験生に衝撃が走った。彼らが乗るはずだった特急が試験開始時刻に間に合わないと知ったのだ。

             *

「状況は、どうなっていますか?」

北海道旭川市。自動列車停止装置関係のトラブルが発生した運転所では、特急スーパーカムイ10号の運休を決めた後、本社とのやりとりを繰り返していた。特急の運休による影響はどれ位あるのか、後続列車で対応できるか、確認するべきことは多くある。トラブルには迅速に対応しなければならないのだ、その日が如何なる日であっても。

「受験生が、センター試験会場に向かう列車を待っている受験生がいます!」

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センター試験とは、大学受験生にとって一つ目の大きな関門であり、この試験の結果によって二次試験を受ける大学が決まる。受験生にとっては、このセンター試験が人生を決める、といっても過言ではない。

ーもう、試験会場に間に合わないかもしれない。

7人の不安がピークに達した頃、一本の知らせが届いた。
後続列車では間に合わないと判断した駅員が自ら、彼らをタクシーで試験会場まで送り届けることになったのだ。この異例の対応に、共に後続列車を待っていた他の乗客たちからも歓声が上がった。

             *

人の想いが誰かの人生をも動かすことがある。あの7人の受験生たちは、無事に試験会場へと辿り着いたらしい。彼らはどんな思いで椅子に座り、鉛筆を握ったのだろうか。この先、この出来事を思い出すことはあるだろうか。その時、誰かに話すのだろうか。
もしかしたら、今度は彼らが誰かに手を差し伸べているのかもしれない。

センター試験は明日、二日目を迎えるー。


このお話の基になった記事はこちらです↓
http://mainichi.jp/articles/20170114/k00/00e/040/216000c
http://www.asahi.com/articles/ASK1G3DKVK1GIIPE007.html

2017.1.14 のひとりごと。
「これは限りなく事実に基づいたフィクションです。」
おかざきめぐみ

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