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この世でいちばん嫌いな人

「絶対に嫌!!私はこの女とは絶対に一緒に暮らさない!」

今朝もまた強烈な寝言と共に飛び起きた。
私の夢の中での母は、祖父からの遺産相続でもらった土地に新しい実家を建て直すのだが、その横にぴったりと予定にはない私と息子の家をくっつけるつもりでいるのだ。
大好きな息子(弟)とは母屋で生活し、私達母子家庭を隣に監禁しようという魂胆だ。
猛反発する私の前には普段揃わない、見た事のないような親戚一同が集まっていて、「メイちゃん、そんな事言うもんじゃないよ」と口々に私に反対意見を言っている。
どうやらこの“夢”は祖父が亡くなった時のお葬式と祖父の遺産相続がようやく決着が着いた時が合わさってごちゃ混ぜになっているようだ。
母は言った。
私はもうお墓の土地は買ってあるから、墓石は弟に建ててもらってお葬式もあげてもらう。
だけどあの子に墓守りは無理だから、メイあんたに頼みたい。

はぁ〜???


冗談じゃない。これまでどれだけの苦労をしてきたと思っているんだ。

なんであんたが死んでまで私はあんたの面倒をみなきゃならないの!絶対に嫌。


母はそんな事を言われるとは思ってもみなかった様で涙ながらに
「あんた、私が嫌いだったんだね」そう言った。
今頃、気付いたのかよ。
どんだけ我慢してきたんだよ、私。
地元を離れる時だからそれこそもう17年くらい前になる。
信田さよ子先生の著者【母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き】を読んだ時、これは私の事ではないか、私と同じ思いをしている人がいるんだ、と初めて知り、信田先生のカウンセリングを受けに原宿まで行った。
(現在、原宿カウンセリングセンターでは信田先生は顧問になられている)

信田先生は泣きながら事情を語る私に言った。
「そうするしかなかったよね。よく頑張ったね」
母と同年代にあたる信田先生にそう言われて私は心から救われた。

そうして問題は山積みだったが、私は息子を連れ、母の元を去った。
完全に離れたのだった。

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