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最高のシークレットサプライズ

2020年7月の昼下がり、私のスマホにメッセージが入った。

「メイは今日は家にいるの?」

時はコロナ禍、そしてアメリカで暮らしていた私、人と会うこと、そして外出もマスクをしていないと出来ないという、かなり制約された時を過ごしていた。

いるも何もそういう状態なので、どこにも行けずにいた。

メッセージの送り主は、一緒の英語教室に通うメキシコ人のLezlyレスリーだった。

「いるよ」と返信を送った私に、彼女は渡したい物があるから、私の家まで来るというのだ。

8月に日本への本帰国が決まっていた私にどうしても渡したいものがあるとの事だった。

うちに来てもらうのは申し訳ないので、お互いの住んでいる場所の中間地点で会おうと提案した私にどうしても家に来るという彼女、申し訳無いけれどお願いすることにした。

はじめて我が家を訪れる彼女、無事にたどり着けるかなと待っていたところ、外からけたたましいクラクションの音が聞こえた。

アメリカの車のキーには、「パニックボタン」と呼ばれる赤いボタンがついている。私も何度か使ったことがあった。

広大なアメリカの駐車場などで、自分の車をどこに止めたか分からなくなった時に、大助かりなボタンだった。

住人の誰かが、車のドアを閉める際に、間違えてボタンを押しちゃったのかな?と思っていたのですが、音は止まるどころか増えて行き、なにか事件でも起きたのかと、私も玄関先に出て見た。

玄関を開けたら、4台の車が止まっていて、クラクションを鳴らしていたのですが、英語のクラスの仲間でした。

アメリカでは、激励をする時に、盛大に車のクラクションを鳴らすことをするとのことでした。

英語のクラスの仲間と言っても、私と他1名以外は第一言語はスペイン語を話す人達でした。

私は、アメリカに渡米した時、英語を使って色んな人とコミニュケーションをとりたいと思っていました。

アジア圏の人とは、すぐに仲良くなれるのですが、スペイン語が第一言語の人とはなかなか仲良くなれずにいたんです。

私の英語の先生で、スペイン語が第一言語の人がいて、その生徒さんのほとんどがスペイン語圏の人でした。

英語教室の休み時間など、仲良く話が出来たらなってずっと思い描いていたのです。

英語のクラスにも毎日通い、毎週水曜日は図書館で教えてくれる、スペイン語教室に通ったりして、スペイン語の教室は1年間通い、初級クラスそして最後の方は中級クラスにも参加したりと、今は何も身についていませんが楽しい思い出は残っています。

コロナ感染の危険が懸念され、人と会うのも、はばかられる中、最後に私に会いに来てくれた、暗々裏な計画は、私にとって忘れられない最高の宝物の思い出です。


ピンク色のボードには英語教室、そして、自宅に呼んでもらった女子会の集合写真が貼ってあります。

We will miss you
Te vamos extraña
あなたがいなくて寂しいです

英語、スペイン語、日本語で書いてくれたお別れの言葉、ありがとう!!

山根あきらさんの青ブラ文学部
お題「暗々裏」(あんあんり)

私は始めて聞く言葉でした。

人の知らないうち。ひそかに事がおこなわれるさまにいう。ということでこの思い出が思い出されました。

英語の意味合いは「Secretly」

よろしくお願いします。



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