【まくら✖ざぶとん】①⓸⓸『死語廃語』トコザワ第➎巻

えー、流行り物は廃り物、とよく云われる通り、盛者必衰のことわりは物にまで適用される優れた概念概念といえばこれまでも新概念新語を生み出してきた言業師・トコザワの守備範囲は最先端のみならず古き懐かしきほうにも及ぶってわけで、今日は言葉の流行り廃りについての一席。

言葉の流行り廃りたるものそのまま漢字が当てられた「流行語」と「廃語」、有為転変の世相に応じて登場する「新語」も時代が変わればあっけなく「死語」に転ずる諸行無情、しかしファッションでも流行がぐるりとめぐるように流行り廃り表裏一体、こと〈流行り廃り流行り〉をざっくり分類してみれば〈脱皮〉型と〈承継〉型、〈言霊〉型の三種類。

「ディスコ」は「クラブ」、「スチュワーデス」は「CA=キャビンアテンダント」、「根暗」は「陰キャ」、語句が表す内容や性質自体はさほど変わらず時代の変化に伴って当世風な呼び名に転じたものが〈脱皮〉型

「アムラー」から「シノラー」酒井のりピーの「マンモスうれピー」から中川しょこたんの「ギガントウレシス」流行担い手により意味に互換性のある接頭辞無意味でも語感性のある語尾が改変される〈承継〉型

当時は最先端を表した「ナウ」や問題児的存在を指した困ったちゃん人々口々に発して一世風靡したばっかりにこすられて色褪せてセピア色のオーラをまとった死語廃語亡霊のように浮かび上がる〈言霊〉型。

ガチガチに死語硬直して大衆が死亡確認したはずの「ナウ」「ナウい」はツイッターで「なう」大化けお化けお化けでも守護霊ならぬ死語霊インターネット・デジタルタトゥーとして刻み込まれて成仏することなくつきまとう様子はまさに廃語霊困ったちゃんも同じ語感互換性「かまってちゃん」に憑依してゆらりとうっすら再浮上、なんならインターネット・デジタルネイティヴによって神聖化までされる始末。

そんなわけで流行り言葉は廃り言葉「新語」「現代語」ギャル語ネットスラング廃れて死んだら最近の流行語で云うしごおわ!」とばかりにお役御免、雌伏の時をしばらく経てから〈流行り廃り流行り〉のサイクル言霊化するや、同じ言葉でも意味が変わって「死語おわ!」

えー、「一字千金」という故事ことわざもありますが、【まくら✖ざぶとん】を〈①⓪⓪⓪文字前後の最も面白い読み物〉にするべく取り敢えず①⓪⓪⓪作を目指して積み上げていく所存、これぞ「千字千金」!以後、お見知りおきを!!