戦術で勝つ!ASD非モテ男子の最短婚活術

はじめに

 現状と向き合い、改善していくための手順を纏めた婚活マニュアル、ここに誕生です。
 「なんでお前がこんな人と結婚できるの!?」研究室のOB会でパートナーの写真を見せた時、私が先輩に言われた一言です。失礼な事を言うなぁと思いますが、筆者はそのくらい「パッとした人と結婚出来ないような、人付き合いの下手な人」だと思われたのです。そして、今の私から見ても、婚活当初の私は先輩の認識通りでした。そんな筆者が、試行錯誤をしながら理想の相手と結婚するに至った戦術(タクティクス)を纏めた記事です。
 世間一般の婚活本やSNSの婚活アカウントを読んで感じた問題点は以下の3点です。雑多な婚活情報に疲れた方、言われた通りに実践したけど上手く行かなかった方に、この本を是非とも読んで頂ければと思います。

  • 発達障害を持つ人が婚活をする方法、もしくは当事者の日記が出回っていない。もしくは、「発達障害の人にいくら説明しても分かってもらえない。理解のある人と結婚した方が良い」という、匙を投げた(助けようという気概を感じられない)記事がある

  • 相手の脈ありを見破る方法、モテる仕草などの小手先のテクニックが多く、ケースバイケースでしか効かない点です。例えば、『LINEなどのメッセージアプリで返信が24時間以内に来なかったら脈無し』というテクニックが存在します。確かに大半の脈無し女性はこの方法で見切れるかもしれませんが、1日で返信出来ない程忙しい人とは結婚出来なくなります。数多くの異性と出会えるモテ男子は良いでしょうが、非モテ男子にそんな機会損失をする余裕は無いのです

  • 「~すると失敗する」という、前提条件や仮定を提示しないアドバイスが多い点。例えば、『相手の勤務先はプライベートな情報なので聞いてはいけません』というアドバイス、間に受け過ぎると仕事の話が何時までも出来ませんし、タイミングを外せば破談する危険性が有ります。そして、どんな条件を満せば聞いても良いのかは書いていないものでした

目次

フェーズ0:婚活準備編

婚活には「3つのハードル」が待ち受けている

 一人の男性が理想の異性と出逢い、結婚に至るにはどんな課題があるのでしょうか。婚活をしていた当時はがむしゃらに動いていたので気づきませんでしたが、結婚後にパートナーと話していたところ、以下の3つに集約されるようです。

  1. お見合い候補に選ばれる、プロフィールのハードル。年収、年齢、学歴、外観、自己PRなど

  2. レイプや暴力行為が無いと信用されるための「無害な人」というハードル

  3. 「価値観」のハードル

 内容については後述しますが、特に二つ目の「無害な人」というハードルが重要です。ここを乗り越えて相手の信用を得て、初めてプライベートな会話が出来ます。仕事について詳しく聞くのも、家でデートをするにも、価値観を話し合うにも、全てはこのハードルを乗り越えてからなのです

幸せな結婚をしたい! 「コアな価値観」探し

 結婚と言われて、どんな結婚生活になるだろう、どんな相手になるんだろうと想像し始める人がいますが、一旦落ち着きましょう。相手に何かを求める前に、自分が何を提供できて、何を提供できないのか考えなくてはいけません。まずは後者、結婚しても変えたくない部分(=コアな価値観)を考えてみましょう。
 何故なら、結婚してから自分の価値観を相手に押し付けることは許されないからです。夫婦生活はよく「お互いに歩み寄る」と表現されますが、芯を捉えた表現じゃあないと思っています。ここでは、以下の書籍に載っていた言葉で答えていこうと思います。
 この人と結婚していいの? 著:石井希尚 ISBN-10 ‏ : ‎ 4101294313
 書籍からの言葉を引用すると、結婚とは『パートナーに対する100%のコミットメント』です。結婚した後に「ここは君の言う通りに出来ない」と揉めると離婚の原因になりかねないので、コアな価値観を整理して、婚活の間に相手と相談しなくちゃいけないのです。

 とは言っても、コアな価値観は直ぐに思いつくとも限りません。考えるネタとして、おススメの書籍はこちらです。ここでは、その中から二つほど抜き出して紹介致します。ぜひとも、婚活を始める前に考えてみましょう。
 心理カウンセラーが贈る「幸せな結婚をするための38の問いかけ」 著:速水 史子、ISBN:9784865707922

  • 自分が愛を感じる瞬間は?

  • 自分がされて嫌だと感じた経験は?

 ちなみに、私のコアな価値観は、コミュニティで発生する酷い理不尽を見過ごさないということです。本当に嫌な目に遭ったら、現状に我慢せず、周りの人に相談したり、所定の窓口に連絡したりする。それでも解決しなければ、自分からコミュニティを離れようと思っています。これが職場であれば、転職や配属変更をするということです。
 ここまで整理した上で、1つのタクティクスを伝授します。出会った相手を、コアな価値観以外の理由で断るのは止めましょう。例えば、コアな価値観と年齢が結びつかないのであれば、年上の人からお見合いの申し込みがあっても断る必然性が無くなります。

婚活の傾向を掴める「婚活白書」

 次に、いつ撤退するか、婚活を止めるかを決めておきましょう。何故なら、時と運と自分のスペック次第で、失敗する可能性もあるからです。この時のネタとして使えるのが、結婚相談所の親分にあたる株式会社IBJが公開している成婚白書です。自分の年代における婚活の傾向を掴む上で便利です
 9,987名の成婚実績から『成婚しやすさ』を分析!交際から約4か月で婚約へ | 株式会社IBJ

 この白書によると、例えば、30代以降の男性は年下の女性を狙う傾向があるそうです。よって、同じ年代で年下を狙えば競争率が上がり、そうでなければ競争率が下がるという事です。だからと言って妥協する必要はなく、コアな価値観を踏まえても若い人と結婚したいならば、覚悟を持って競争率が高い戦場に踏み込めば良いと思います
 ターゲットと自分のポジションを把握したら、婚活のエンドは、該当する層の中央値としてみましょう。その時期が来ても成果が出ていない時は、婚活を休止するか検討します。言い換えると、大きなイベントが発生しない限りは、その日まで婚活を続けるという事です

フェーズ1:お見合いの申し込みを獲得せよ

 婚活に向けた準備が出来たところで、本格的に活動を始めていきます。ハードルの一つ目であるプロフィールを超えていくため、以下の3点をお勧めします。

発達障害に関することはプロフィールには書かない

 自分のことを知って欲しいという気持ちから「私は発達障害です」とか「人と話すことが苦手です」とか書きたくなりますが、婚活アドバイザーからの明確な指示がない限り、書かないでください。『発達障害』という単語から世間一般に連想されるイメージは、恐らく、皆さんが思っているよりもネガティブです。本来の自分よりも低く評価されてしまう恐れがあります。よほどの理由が無い限り、書かない方が良いと思います。 

同レベルの競争相手に勝つ「未来型キャリア」

 アプリには年収と年齢のフィルタ機能があり、男女ともこの機能を使って年収や年齢の振るい落としをします。ここに載っている情報は婚活スタート時のスペックに依存しますので、どうしようもありません。しかし、これから稼ぐぞという意思と、頑張っている姿勢を示すことで、リストに入った同じ年齢・年収の男性の中で優位に立つことは出来ます。最善を尽くしていきましょう。

人柄を伝えよう!「エピソード型プロフィール」

 好きな物や趣味がある時、名詞(モノ)だけを書くことは避けていきます。私には愛車が有ったのですが、車種やスペックは書かず、「休日は車の点検をして、ドライブに出掛けています」と書いていました。車を通して、物を大事に使いたいという信条と、お出かけするのが好きというライフスタイルを伝えるのが大事だと思ったのです。モノは時を経て代わりますが、価値観やライフスタイルは早々変わりません。変わらないことを伝えていきましょう。

フェーズ2:お見合いを成功させよ

 申し込みが来てお見合いが決まったら、ハードルの一つ目を乗り越えたことになります。ここから、当日に向けた準備に入ります

お見合いに向けた準備はそれ程難しくない

 お見合いと聞くと身構えるかもしれませんが、しっかりしたプロフィールが有れば、それ程難しくありません。女性の話に耳を傾けながら、聞かれたときに自分のプロフィールを話すようなイメージです。割合で言うと、女性:男性で7:3くらいですが、目安ですので多少前後しても構いません。お見合いはスーツなどのドレスコードが有りますので、必要な洋服や小物を揃えた上で、髭剃り・爪切りなどを行って清潔感を保つことを意識しておきましょう。

価値観より前にやりたい「無害ですアピール」

 ところで、婚活テクニックで頻繁に取り上げられる「清潔感」はなぜ重要なのでしょうか。結論から言うと、自分が危なくない人であると見なしてくれるか否かの材料になるから、です。
 女性側の結婚の決め手によく書かれるのが「一緒にいて安心できる人」です。婚活前当時の私は、「いやいや、日常生活普通に送っていれば不安とか無いでしょ、何を今更言っているんですか?」と思ってました。しかし、パートナーとの婚活を通して、これは真剣ガチの話だと理解しました。
 経験が無い人には気づきが得にくいのですが、治安が良いと言われている日本でも性犯罪はそれなりの数が起きています。法務省のサイトで痴漢関係の件数が出ているのですが、現在(H.26)でも8000人/年ほどが強姦、迷惑防止条例の痴漢事案で検挙されているのです。また、駅のホームを歩くと痴漢防止のポスターを見かけると思いますので、是非、読んでみて下さい。「痴漢は止めよう」という抑止ではなく、「痴漢を見つけたら通報しよう」という発生後の対策が書いてある筈です。つまり、痴漢が実際に有って、周りに言えない被害者がいるという前提で書かれているのです。誰かと一緒にいる、道を歩いている、電車で通勤するという、日常の当たり前の場面において不安を感じることがあるのだと理解する、それが婚活の大前提になるのです。
 では、相手に不安を与えない、安心される人になるには何が必要なのでしょうか。いくつかの視点で考えていきます。まず、外見です。身も蓋もないですが、イケメンは相手からの警戒度が下がります。骨格は変えられないので、眉を揃えたり、脂汗を取ったりして、出来るだけイケメンを目指しましょう。婚活本に出てくる「清潔感を保つ」というのは、相手に警戒されないような、近づいても怖くないようなイケメンになろうということです。
 続いて、素性、すなわち学歴と職歴です。有名大学や有名企業にいる人は最低限の教養があると見なされ、警戒度が下がります。実際には有名大学生のレイプ事件などが起きていますが、それでも、ネームバリューは有るに越したことがないのです。
 最後に大事な点として、自分の誠実さを行動で示せるかという点です。イケメンで高学歴・高スペックであっても、そうではなくても、相手が身の危険を感じるような状況は避けましょう。お見合いにおいて二人きりになるような状況は止めておきます。また、何かの場面で相手が自分から離れたとしても、決して近づいてはいけません。世間一般の婚活本では「異性との適切な距離感が大切です」とオブラートに包んだ優しい表現になっていますが、私は正確に、「相手に無害と信用されるまで、不用意に距離感を詰めないでほしい」と表現したいです。

コラム:何でも気軽に話せる人は存在しない!?

 心理的安全性という単語をご存知でしょうか。マネジメントの現場では、『誰もが安心して発言や行動ができる職場環境』という意味です。ビジネスで取り上げられることが多いのですが、同じことが結婚生活や婚活にも当てはまります。プロフィールに「気軽になんでも話せる人が良いです」と書いて相手探しをする方がいますが、お見合いでそんな人には出会えません。出会ったばかりの2人に、何でも話せる心理的安全性は構築されていないからです。相手からすると、指摘した途端に怒鳴ったり、暴力を振るってくるかもしれませんので、対立する意見やアドバイスはしてきません。交際を重ねて仲良くなって初めて、止めてほしいこと、実は言えなかったことも話せる関係になってきます。

お見合いの後にやりたい「お相手メモ」

 お見合いは、終わった後が本番です。速やかに喫茶店などに入り、相手と話した内容、思ったことを記録しましょう。プロフィールに載っていない情報や、今後話してみたい事を書いていきます。また、相手との出会いを通して気付かなかったコアな価値観を見つける時が有りますので、気づいた点があれば書いていきます。お見合いは日に何回も行う場合がありますので、終わる度にメモを残していきたいところです。記録は、お見合い後のあらゆる場面で役に立つ筈です。ラインやインスタグラムでやり取りする時のネタ、上手く行かない時に仲人さんと相談するネタなどなど、色んな用途でメモを見ると思います。記録をつけるのは面倒くさいですが、婚活の勝率を上げるためにやっておきたいところです。

フェーズ3:仮交際を経て真剣交際を獲得せよ

 仮交際が成立したら、ハードルの二つ目である無害アピールを乗り越えそうになっている状態だと思います。ただ、何処まで成功しているのかは相手の性格や相性に依りますので、今後も相手が嫌がっていそうなら距離を空けるようにしましょう
 ところで、「仮交際」と聞くと何だか浮ついた印象がありますが、婚活においては、お付き合いする前に相手を見定める期間のことを指します。最大の特徴は、仮交際中に他の人とお見合いしたり、他の人と仮交際したりしても良いという点です。当然、仮交際中の相手も他の人と仮交際できる状態ですので、女性と二人っきりでデートだぁ!とか、浮つかないように気を付けましょう。

ハイリスクハイリターンの「婚活ノーガード戦法」

 より短い期間で相手との信頼関係を築く戦略の一つが、お見合いや仮交際で出会った相手に、結婚相手にだけするような全力のコミットメントをすることです。相手が自分の誠意に応えてくれる保証は無いですが、自分の性格や生活を劇的に相手に合わせていきます。ただし、「無害ですアピール」に書いた通り、相手に恐怖を与えるようなことはしないで下さい。例えば、勢い余って相手に顔を近づけたり、家に帰ろうとしている相手を呼び止めたりするのは止めましょう。

  • 相手の発言を全て信じます。「またの機会に会いましょう」と言われたら、脈無しかもしれないけど、またの機会が来るまで待つ。「お付き合いするか悩んでいる」と言われたら、他の同性と付き合い出すかもしれないけど、正式に断られるまで誠実にコミュニケーションをとり続けます。

  • おススメされたことをやり切ります。勧められた場所があれば実際に行って、勧められた服を買って着ていきます。試してみることで、相手の感性をどれだけ受け入れることが出来るのか感覚的に掴めるはずです。

 こうして、少しやり過ぎな位に相手を尊重し、理解しようと努力していきます。尚、注意として、別れた時には大きな精神的ダメージを受けますので、仲人や心理カウンセラーなど、愚痴を言える相手を探してから実践しましょう。

コラム:テーブルマナーで得るものは何?

  • 仮交際するようになれば、デートでお洒落なイタリアンに行く機会もあるでしょう。美味しい食事を一緒に食べて、雑談を楽しんで、手を振って帰って。そして…交際終了の連絡が来るのです。問題が何も浮かばなくて、食事の前まで関係性が良かった場合は、テーブルマナーを疑ってみましょう。食べカスが散っている、箸の持ち方が正しくない、パスタを上手くフォークに絡めない等を見ている時、相手から「育ちが悪い」と思われている可能性があるのです。ここから導き出されるバイアスは、家が汚い、家族含めて口が悪い、自己中心的などです。数時間で改善出来るポイントですから、是非とも仲人さんにお願いして、食事を見てもらうことをオススメします。たったそれだけで、劇的に婚活の勝率が上がるかもしれません

二つ目のハードルを越えたと思ったら

 相手から自分に近づいてくれるか、もしくは試しにちょっと近づいても嫌がられない様子になったら、恐らくハードル二つ目「無害な人」は越えて、信頼関係が作られ始めています。どうにも確証が得られない時は、仲良くなったタイミングで「手を繋いでもいい?」「近づいてもいい?」と聞いても良いと思います。
 ハードルを越えたら、勤務先、家の最寄駅、家族の話などのプライベートな質問を聞いてもよい関係になります。ただお付き合いしている訳ではないので、夜の生活や宗教、過去の交際歴など、友人でも聞けないような話は避けましょう。ある程度プライベートな会話を通して、相手の価値観を理解し、尊重できるか否かを見極めていきます。

いざ、告白のとき

 相手の価値観をある程度理解して、この人と一緒にいたいと思ってきたら、告白です。仲人から説明されると思いますが、告白は事前申告制です。デート後、自分の仲人に次の機会で告白しますと宣言します。仲人は今までの経験や、相手側の仲人との情報交換を通して成功率を探り、見込みがあれば「行ってこい」というGOサインを出してくれます。個人的に結婚相談所に行って良かったと思うのは、時々「未だ早い、やめておいた方がいい」と言ってくれるところだと思います。

フェーズ4:真剣交際になったら真っ向勝負

 告白が成功したら、真剣交際の期間に入ります。ハードル二つ目を超えている状態かと思いますので、二人で深いコミュニケーションをしていきます。

 各々の価値観に委ねますが、例えば以下の項目を話し合うのはどうでしょうか。

  • 発達障害を打ち明けるならば、このフェーズからにしましょう。発達障害なんだ、と一言で済ませるのではなく、コミュニケーションが上手くなくて発達障害という特性らしいんだ、と具体的に説明するのが良いと思います。たぶん、相手も薄々気付いています

  • 仕事の状況。夜間の緊急出勤など仕事を優先する場合があり得るのか、プロフィールに載っている年収がどの程度変動するのか等も含めます。ただマイナスな情報を話すだけでなく、リカバリー案を出すのも大事です

  • 広い意味の宗教と相手を引き込む可能性の有無。〇〇教という狭義の宗教は勿論、好きなプロ野球球団などの「人生を賭けた推し」も含みます

  • 家族や地域などの故郷に関する情報。また、故郷に帰る可能性が有るのか。農家の長男など、家の土地や家業を継ぐことを求められている立場なのか

  • 二人で子供を授かりたいのであれば、子作りに関する情報。エイズなどの病気を持っている、実は子供を作れない体になっている等の情報があれば共有します。もし現状が分からなければ、検査に行って報告しましょう

  • 夜の生活に関する相談。セックスはどの位の頻度でしたいのか、どのような目的で考えているのか。例えば、子供を授かる手段としてのみ考えているか、コミュニケーションの一環としてやりたいか等。ただし、人によっては婚前に性に関する話をすることをタブーとする場合がありますので、相手から話しても良いという了解をとってから相談を始めて下さい。

 これらが代表的なトピックです。ただし、話していて相手が嫌そうな顔をしたら会話を止めましょう。同様に、相手から聞かれて自分が話す時も、相手が嫌な表情をしたら話を打ち切りましょう。相手を理解するためであっても、嫌な気持ちにさせるのは駄目です。

あらゆる選択を見据えた「プリナップ」

 価値観を話すネタとして、もしくはお互いの信頼を深めるうえで是非お勧めしたいのが、プリナップ(もしくは婚前契約書)です。これは結婚前にパートナーと交わす契約で、結婚後も民法上の効力を発揮しますので、万が一離婚するときにパートナーと揉めずに済みます。結婚するのに離婚の事を考えるなんて縁起が悪い!と思うかもしれませんが、結婚を目標とせず一生のパートナーとなる上では、個人的にはやっておいて欲しいアイテムなのです。記載内容に関しては、税務・法規が絡みますので事例を提示致しません。気になる方、不安な方は行政書士や弁護士にご相談ください。

プロポーズのその前に

 お互いに話し合って、結婚を決めたならプロポーズの準備に入ります・・・が、その前に胸に手を当てて「結婚というステータスを求めていない」ことを確認してください。貴方が選んだ相手は、貴方のコアな価値観を尊重してくれる人で間違いないですよね?
 
そりゃあそうだろう、何を言っているんだと思うかもしれませんが、意外と間違っている場合があるのです。長い婚活に疲れたり、自分の年齢から焦ったりすると、無意識の内に大事な部分まで妥協してしまうのです。もし引っかかることがあれば、仲人さんに思いを打ち明けてください。幸いに、貴方はまだプロポーズをしていません。引き返すなら、今の内です。
 
また、プロポーズの準備をしている最中にでも、結婚後の生活について話し合っておきましょう。結婚後の住まい、親御さんへの挨拶など、相談しておくことは沢山あります。特に男性側が見落としがちなのは、結婚後の姓をどうするかという話し合いです。何も相談しなくても、オートマチックに相手が自分の姓に変えてくれると思うのは大きな勘違いです。姓名はアイデンティティの一種ですから、お互いの意思を合わせて選んでいきましょう。尚、2022年の日本においては、主に以下2択から選ぶことになります。

  1. 外国人と結婚する時を除き、婚姻時に夫・妻のどちらかの姓に変更する。一般的には妻が夫の姓に合わせる"風習"になっていますが、夫が妻の姓に変更することも勿論できます

  2. どちらの姓も維持するため、事実婚状態にする。住民票や扶養控除などで一部不便が生じますので、自治体の制度をよく見て判断していきたいところです

 さあ、プロポーズの準備は出来たでしょうか。皆さんの成功をお祈りしております。成功した暁には、筆者まで一報を頂けると大変嬉しく思います。

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