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ビジネスレベルの中国語力を1年半で習得するための具体的なプラン

この記事では、中国語力(普通語)ほぼゼロのレベルからビジネスで使えるレベルまで上達させる方法について説明します。これまで私も様々な勉強法を試しましたし、その中には良かったものも良くなかったものもありました。今もし自分がゼロから勉強し直すとしたらどうするかと考え、私が考える最短ルートで上達する具体的な方法をご紹介したいと思います。

ご自身の現在のレベルと照らし合わせて、どこから始めると良いかを考えてみてください。早い方でしたら1年半くらいで達成できるはずです。

【お知らせ】Udemyでもビジネス中国語を最短ルートで習得する方法について解説しています。こちらもぜひご参考ください。


この記事はこんな方にオススメです

・中国ビジネスに関わる/駐在や出張の予定があって中国語の勉強を始める方
・中国語の勉強をしているけど勉強方法に迷っている方
・中国語初級〜中級レベル(旧HSK4級以下くらい)の方

※2023年よりHSKは最高9級までに改定されています。この記事ではその改定前の級を基準に説明しています。

筆者の中国語のレベル

私は約3年半、中国の上海で駐在を経験しました。元々中国語力は文字通りゼロでしたが、本気で勉強して約1年で旧HSK6級を取得し、同僚も上司も部下も中国人という完全中国語の職場環境でサバイブしました。きっとこの経験が、これから中国語の勉強をされたい方の参考になると思っています。

最短ルートの4ステップ

さて、早速レベル別に具体的な勉強方法をご説明したいと思いますが、ここでは以下のように4ステップでご説明します。

  1. 初級レベル(旧HSK1~3級くらい):発音と超基本文法を習得する

  2. 中級レベル(旧HSK4級くらい):会話に必要な語彙と文法を身につける

  3. ビジネスレベルへ(旧HSK5~6級くらい):語彙力(一般+専門用語)を伸ばす

  4. 継続しながら語彙を増やす

それでは初級レベルから順を追ってご紹介します。

1.初級レベル(旧HSK1~3級くらい):発音と超基本文法を習得する

まずはアプリ「Hello Chinese」Z会「速読・速聴中国語(①入門編)」を1日1時間くらいやり込みましょう。この2つの教材は、ピンインや四声といった中国語の最初に学ぶべき超基本事項が網羅的に収録されています。特にアプリ「Hello Chinese」は、ゲーム感覚で学べる非常に優れたアプリです。3ヶ月くらいやり込めば、HSK3級くらいまでは届くはずです。

<ポイント>
中国語は発音が非常に難しく、そして重要です。初級者の段階で、ピンインや四声を確実にマスターすることをオススメします。発音が少しでもズレると、驚くほどネイティブに通じないのが中国語ですので、「発音は後でやればいいや」という考えの方がいらっしゃったら結構キケンです。できればこの段階からネイティブの講師のレッスンを受けて、発音を矯正してもうらうことをオススメします(できることなら週2回くらいは受けましょう)。私はオンライン中国語の「CCレッスン」や教室の「ベルリッツ」のレッスンを利用していました。

<到達するレベル>
ここで到達するレベルは、簡単な挨拶や自己紹介などができるレベルです。普通に雑談などの会話をするのは少しまだ難しいと思います。

2.中級レベル(旧HSK4級くらい):会話に必要な語彙と文法を身につける

最初の3ヶ月で基礎が固まったら、次の4〜5ヶ月で会話に必要な語彙と文法を頭に叩き込みます。私がかなりオススメするのはZ会「速読・速聴中国語(②初級編)」です。短い例文の中に、会話で頻出の語彙や文法が収録されていて超コスパのよい教材になっています。私はこのテキストを20回くらい音読し、通勤の時に音声を何度も繰り返し聴きました。実はこのフェーズが個人的には一番重要だと思っています。このレベルの文法と語彙が、読んで/聴いてわかる(受動語彙)だけではなく、自分で話せる/書ける(能動語彙)までもっていくことで、会話力が飛躍的に上がっていることを実感できます。

<ポイント>
日本人は漢字を読めるので、文章を見るとよくも悪くも意味が大体つかめてしまったりします。でも発音が全く異なるため、「聴く」「話す」ことはかなり難しかったりするのです。そのため、「漢字」⇆「ピンイン」⇆「音」を頭の中で結びつけるトレーニングが非常に重要です。それにとても効果的なのが「すでに意味がわかっている文章の音声を、文章を見ずに耳だけで繰り返し聴く」という練習です。だから、私はいつも音読しているテキストを通勤時に繰り返し聴くというトレーニングをしていました。

<到達するレベル>
ここで到達するレベルは、簡単なやりとりを中国語だけでできるレベルです。日常生活ではかなりのことを一人でできるようになるはずです。ただ仕事上のコミュニケーションは、わからない言葉/聴き取れないことが多く、まだまだ苦労が多いレベルです。

3.ビジネスレベルへ(旧HSK5~6級くらい):語彙力(一般+専門用語)を伸ばす

実際の仕事上のコミュニケーションや会議の中では、非常に多くの言葉や表現が出てきます。それになんとか対応するために、語彙力をできる限り増やしていくことが求められます。私が実際に使い、オススメするのは「HSK公認長文テキスト5級」東進「聴読中国語」です。この2冊には大量に文章が収録されていて、これらの文章を音声を聴きながらくり返し10回以上は音読+リスニングすれば、旧HSK5級はきっと超えることができるはずです。ただ、かなり文章量が多いので、おそらくこのフェーズは4〜5ヶ月ほどかけることになると思います。

HSK6級を取るレベルになるには、その級の過去問もしっかりと取り組む必要がありますが。

また、仕事ではその会社や業界の専門用語にも対応する必要があります。これは残念ながら教材ではどうにもなりません。会議の資料やメールなどでわからないけど良く出てくる単語は随時ノートにまとめて振り返るようにしましょう。私自身も、仕事中に単語とピンインをノートに書き留めていました。

<ポイント>
文章を読むだけの勉強になってしまうと、会話力が伸びません。必ずオンライン中国語(私は「CCレッスン」などを使っていました)などを使って、できる限り毎日会話するようにしましょう。

<到達するレベル>
ここまで来たら、ほぼほぼ仕事を中国語だけで自力で進められるレベルになっているはずです。しかし語学学習に終わりはありませんし、仕事上でわからない中国語は大量にあるでしょう。しかし、文脈からなんとなく意味を予想したり、簡単な表現に言い換えて聞き返すことで理解できたりと、十分にサバイブできる力があるレベルになっています。

4.継続しながら語彙を増やす


終わりのない語学学習は、その後も語彙や表現力などを徐々にでも増やしていく必要があると思います。そのために私がオススメしたい教材は2つです。

1つ目は中国のインスタとも呼ばれる「小红书(RED)」です。中国語ネイティブたちが字幕つきのショートムービーを大量にアップしているので、自分が興味があるテーマで検索して楽しみながらリスニング力が語彙力を伸ばすことができます。

2つ目はアプリ「リアル中国語」です。このアプリは、例文+音声集という非常にシンプルな作りになっていますが、シンプルさゆえに使いやすいことと、収録されている表現が本当にネイティブがよく使うものばかりなので、中国語の勉強をスキマ時間に続けながら、語彙を増やしていくにはピッタリなアプリで、自分は今でも使っています。

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さて、この記事では、今もし自分がゼロから勉強し直すとしたらどうするかと考え、私が考える最短ルートで上達する具体的な方法をご紹介しました。これから中国語を勉強する方、今すでに勉強を始めたという方の参考にしていただければ幸いです!

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