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【詩】抜け殻

こころが























わたしのこころが
粉々になってゆくのを
ただ黙って
見てるしかありませんでした





















粉々になったまま
もとの形には戻らず
手のひらに並べて
ただ眺めていました



























風が吹いて飛ばされたかけらを
まるで自分の魂のように
空に消えてくのを
はかなく見ていました


























抜け殻は遠くを見ながら
何を思っていたのでしょうか?
粉々のこころでは
何も感じることはできませんでした
































それから何年たちましたか?



























抜け殻は哀しい想い出とひきかえに
死を選びました































抜け殻はやっと重たい殻を脱ぎ
本来あるべき姿に戻りました




























粉々のこころは
ひとつにかたまり
生まれる前の姿に戻りました




























わたしは

























わたしは気づいた時には抜け殻でした
抜け殻は大人のふりをして
見よう見まねで
人生を歩いていました
































ある日涙を知った抜け殻は
あまりのつらさに耐えきれず
過去の記憶とひきかえに
死を選びました
































不思議に思ったひともいるでしょう
































抜け殻は何度も死を選んだのです


































抜け殻にとって死を選ぶのは
ひとが明日を待つのと
同じくらい
それはとても自然なことでした


































この世界に
後悔も未練も何もないのです































この世界に
未来も希望も何もないのです





































今も何もないのです




















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