認識不可能

目の前に
巨大な波が迫ってきても
そんなわけがないと
逃げずにいる
冷たい風と潮の匂いを感じても
真夏の都会を思い出し
これは何かの間違いと
平気でいる
頭上を覆う高波を
見上げたまま
海水に叩きつけられても
また浮かび上がれば
何が起きたのか分からずに
また忘れた頃に
襲う高波を見上げている
私はこの高波を認められない
我が身に海水をかぶり
息ができなくても
この高波を認められない
この高波はきっと違うはずだと
認められない
認められない

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