きみが作ってくれた私を壊せない
「あなたが苦しむ姿なんて見たくなかった」と言われて、あの人に弱音を吐けなくなったんだ。
手先が器用だね
運動ができるんだね
英語得意だね
スピーチが上手いんだね
効率良くこなせるんだね
センスがいいね
努力家なんだね
よく周りを見ているんだね
真面目だね
非の打ち所がないね
あなたなら何でもできるね
何でもできるね
全てを取り繕って隠した
クラスで私だけ赤点をとった日
クラス分けのレベルが下がって教室を移動した日
誰でも行けるような大学に行った日
意外だねって言われた日
大学を辞めた日
発達障害ですねって言われた日
追いつけなくなってしまったんだ。私に。きみが作ってくれた私に。
そんな私を消すのに、切り離すのにじゅうぶんな材料が揃って、もう何も気にしないで生きていけると思ったんだ
私が私じゃない証拠はたくさんあるんだから
なんでまだ縛られているんだろう
縛られていると言ってしまう自分は、まだまだ人のせいにしているんだろう
きみが作ってくれた私を消すには
きみが作ってくれた私になるしかないんだ。
追いつかなきゃいけないんだね
追いつかなきゃいけないんだね
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