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美しい椅子/フィン・ユール展

1. フィン・ユールとデンマークの椅子@東京都美術館

えっ、うそ、フィン・ユールの展覧会?!

私がフィン・ユールの名前を知ったのは、「HYGGE」という本です。
著者のシャーロット・エイブラハムズさん(デザイン専門ライター)がフィン・ユールのことを「デンマークの家具デザイナーのなかで、国際的な評価を最も早く獲得した」、「デザインの神かも」と絶賛していたのが印象的で、どんなデザインをするんだろう…とずっと気になっていたのです。

ところがなかなかフィン・ユールデザインに出会う機会がありませんでした。(気がつかなかったのかもしれないけれど)
日本では、ハンス・ウェグナーやアルネ・ヤコブセンほど人気がないのかなぁ…と思っていたら、まさかの展覧会?!

ありがとう、東京都美術館さま!

2. フィン・ユールの椅子

左:入口正面の椅子とキャビネット 右:展示品の紹介パンフレット

東京都美術館のギャラリーA・B・Cは、初めて足を踏み入れます。
会場へ向かう階段を降りると、正面にフィン・ユールの椅子(Easy Chair No.45)とキャビネット(Glave Cabinets)。
この魅せ方、上手いわ。

感心しながら右を向くと、そこからデンマークの椅子、椅子、椅子…
美しい椅子が、これでもかというくらい、たくさん展示されていました。

私は、建築や家具(特に椅子)を観るのも好きなのですが、
建築・家具の見どころは「デザイン・設計と加工技術」「芸術性と実用性」のバランスだと思っています。
例えば椅子は、美しいデザインは職人さんの技術によって実現するものだし、いくら美しい椅子ができたとしても座り心地が悪ければ残念だと思う。名作といわれる椅子は、高いレベルでバランスがとれているなぁと感じます。

会場にある名作椅子の中でも、フィン・ユールの椅子は快適さを感じさせる作品でした。
圧巻は「イージーチェア 」
美しいです。「世界で最も美しい肘をもつ椅子」といわれるだけあります。
随所に上品なカーブ、自然でスッとした佇まいが、もう。

3. 織田コレクションとは

それにしても、どの椅子もみんな状態がとてもキレイ。
どうやってこんなに集めたの? デンマークから輸送? と思いながら解説を見ると、「織田コレクション」との文字が。

織田コレクションとは、椅子研究者の織田憲嗣氏が研究資料として長年にわたり収集した、20世紀の家具や日用品のコレクションなのだそうです。
北海道上川郡東川町では、織田コレクションの椅子をデザイン文化遺産と捉え、2016年から公有化、一部を一般公開しているとのこと。

ありがとう、東川町さま! いつか観に行きます!

参考:展覧会公式サイトBlog↓

4. フィン・ユール邸

パンプレット裏面:フィン・ユールと自宅

会場には、フィン・ユール邸の設計図やドローイング、写真もありました。
フィン・ユールが自分で設計し、亡くなるまで住み続けた住宅。事務所としても使用していたとのこと。
すごく、居心地のよさそうなお宅でした。こんな家に住みたい。
現在、住宅はオードロップゴー美術館となっており、見学可能!
デンマークか…、遠いな…、でも行ってみたい…うーん…

と、ウジウジしていたら、なんと!
日本にフィン・ユール邸があることをネットで発見!

NPO法人フィン・ユール アート・ミュージアムクラブ(FJC)が運営。見学可(協賛金3,000円)。場所は、岐阜県高山市。
そうか、飛騨は家具の名産地ですものね。

ありがとう、FJCさま!
ここなら、行けそう。いつか行く。ᕦ(ò_óˇ)ᕤ

5. きょうのおみやげ

今回は、パンフレットだけ

会場で販売されていたのは図録のみで、絵はがきは手に入らず。残念。

6. 展覧会情報

●展覧会基本情報 https://www.tobikan.jp/exhibition/2022_finnjuhl.html

●展覧会公式サイト https://www.tobikan.jp/finnjuhl/

●「ボストン美術館店 芸術×力」のチケット提示で、観覧料が300円引きになります。(ただし、フィン・ユール展は10/9までですが、ボストン美術館展は10/2まで。開催期間が異なりますので、ご注意を!)

<おまけ>東京都美術館 佐藤慶太郎記念 アートラウンジ(B2F)にも、名作椅子が置いてあるようです。もちろん、フィン・ユールも。


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