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AIを活用したワークショップの概念拡張について、7つの構想 - コンセプト編

AIを用いたワークショップの概念拡張についてのnoteです。単純な作業の効率化だけでなく、ワークショップのデメリットの解消や、人間の能力ではできない部分を補完することで、ワークショップ常識を見直し限界を突破するための7つの構想を書いていきます。

noteは2部構成で、本noteの「コンセプト編」、そして興味を持ってくれた方々とディスカッションを行うための「ディスカッション資料編」となっています。

「ディスカッション資料編」ChatGPTをあまり触っていない人向けの捕捉資料的なものです。またプロンプトはディスカッション用の見本であり、プロンプトのコンセプトを伝えるために、細かい指示の部分はかなり省略してあります。

それでは、よろしくお願いします。

はじめにワークショップとは

ワークショップの概要

ワークショップは、特定のトピックや問題に対して、参加者が共同で学び、考え、アイデアを創出する活動です。グループワークやディスカッションなど人と人との対話をベースに、専門的な知識やスキルの習得、問題解決能力の向上、アイデア創出、チームビルディングなどを行います。ファシリテーターが進行役となり、参加者をサポートしながらワークショップは進行します。

ワークショップの期待値

  • 対話や議論で多様な視点や意見を共有し、新たなアイデアや解決策が生まれる

  • 参加者同士がコラボレーションし、チームワークやコミュニケーション能力を向上させる

  • 実践的な活動を通じて、理論だけでなく実際のスキルや知識を身につける

  • 参加者同士が互いに刺激を受け、繋がりを築くことができる(ネットワーキングができる)

  • フィードバックを受けることで、自己評価や認識の修正が可能になる

ワークショップは、多様な視点や意見が共有され、新たなアイデアや解決策が生まれることが期待される場ですが、一方で期待外れになる場面も多いのも事実です。

ワークショップの課題

  • ファシリテーターのレベル(属人的な要素)、参加者、場の雰囲気などの影響が大きく、アウトプットの品質が一定ではない、つまりクオリティの再現性の担保が難しい

  • 参加者の能力や知識の差が大きい場合、あるいは参加者の属性が偏った場合、効果的な議論ができないことがある

  • グループダイナミクスによる意見の偏りや、特定の参加者の発言の難しさが生じる

  • ワークショップ後に実践や定着ができず、短期的な効果にとどまることが多い

  • ファシリテーターの属人的なスキルセットに依存することが多い

  • 適切な問いを立てるのが難しい

  • 多様な参加者を集めるのが難しい

ワークショップの概念拡張は「プロジェクト創出型ワークショップ」

ワークショップにも様々なタイプがありますが、今回選んだのはプロジェクト創出型ワークショップ。このタイプは、SDGsなど世界の課題に対し、多様な人が参加し、3つの問いを通じて、解決策となるアイデアを発掘し、プロジェクトのアウトラインを開発するまでを想定しています。

ワークショップの基本の問いは以下の3つです。
問1 現状の課題感の確認
問2 つくりたい未来を考える
問3 つくりたい未来を実現するためのアイデア

Photo by AbsolutVision of Unsplash

ワークショップの概念拡張について、7つの構想

世界の様々な課題に対処するため、多様な人が参加し知識を集めアイデアを拡張し、具現化するプロジェクト創出ワークショップが求められています。ChatGPTなどのAI技術を活用し、従来のワークショップの概念を覆す新しい構想について整理していきます。


構想1 - 効率化

AI(ChatGPT)を活用してワークショップの準備の効率化を行います。まずは、告知ページやウェブサイトに必要な要素やタイムラインの作成をAIが手助けします。さらに、ワークショップのテーマに関する情報をもとに、AIが効果的な問いを作成します。

AI(ChatGPT)の活用シーン

  • AIがワークショップの準備に必要な要素を抽出し、作成の手助けを支援

  • AIがインプット情報からタイトルやテーマの案を作成


構想2 - シミュレーションとロールプレイング

参加者の属性やペルソナをAI(ChatGPT)を使って作成し、ワークショップに望ましい参加者像を具体化。次に、事前にワークショップの問いをAIで作成したペルソナに答えてもらうことで、様々な視点や意見がどのように展開されるかを予測。

さらに、AIのペルソナにファシリテーターが気になる部分の質問も行えます。「シミュレーション」と「ロールプレイング」を活用しワークショップの準備を行います。ファシリテーターのスキル向上にも役に立ちます

AI(ChatGPT)の活用シーン

  • 来て欲しい参加者の属性とペルソナをAIで作成が可能

  • 事前にワークショップの問いを、AIで作成したペルソナに答えてもらうことで当日の議論の流れの予測が可能

  • AIのペルソナに質問を行いロールプレイングを行う事でファシリテーターは事前に問題点や改善点を想定が可能


構想3 - ファシリテーターの進行支援

ワークショップ開催中に参加者の発言内容をリアルタイムでAI(ChatGPT)が要約し、ファシリテーターが議論の流れを把握しやすくすることで、進行を円滑にサポートが可能。例えば、ディスカッションが予定していたテーマから外れてしまった場合でも、AIが適切な問いかけを提案することで、話題を本来のテーマに戻す手助けをします。これによりワークショップの進行をスムーズにします。

AI(ChatGPT)の活用シーン

  • 参加者の発言内容などをワークショップ開催中にリアルタイムでAIが要約を行いファシリテーターの進行のサポートを行うことが可能

  • 想定しているテーマからディスカッションがずれている場合、想定しているテーマに戻すために有効な問いかけをAIに相談することが可能


構想4 - AIによる仮想人格のワークショップへの参加

AI(ChatGPT)を活用して、仮想の人格を作成し、ワークショップに参加させます。AIによる仮想人格の参加により、参加者の属性の偏りを解消し、多様な意見や視点が議論に取り入れられることが期待されます。また、AIの仮想人格は、人間が持つバイアスや制約がないため、アイデアの幅が広がる可能性が高くなります。

AI(ChatGPT)の活用シーン

  • AIで仮想の人格をつくり、ワークショップに参加させることが可能

  • AIには人間が持つバイアスや制約がないので、アイデアの幅が広がる可能性が高くなる


構想5 - 多角的な要約

従来のワークショップでは、参加者たちが議論の中で生み出したアイデアや情報を整理する際に、人間が手作業でまとめることが一般的でしたが、AI(chatGPT)を活用することで、多角的な要約を瞬時に作成することが可能となります。

AIは、ワークショップのアウトプットを様々な視点で整理・要約することができるので、参加者全体の要約や属性別の要約と傾向、さらには参加者一人一人の要約と傾向も瞬時に作成されます。

また、グループダイナミクスによる意見の偏りや埋もれた議論も、AIの力を借りて探し出すことが可能となります。

AI(ChatGPT)の活用シーン

  • AIはワークショップのアウトプットを、様々な視点で整理、要約が可能

  • AIの持つ情報処理能力で、参加者全体の要約、属性別の要約と傾向、参加者一人一人の要約と傾向が素早く用意

  • グループダイナミクスによる意見の偏りを、AIにより探し出し可視化

  • 埋もれている議論を、AIにより探し出し可視化


構想6 - 非同期で変化・拡張を続ける、終わりがないワークショップ

ワークショップ終了後でも継続的に参加することができるというアプローチです。例えば、参加できなかった人や再度参加したい人が基本の3つの問い(現状の課題感の確認、つくりたい未来、つくりたい未来を実現するためのアイデア)に対して、ワークショップ終了後も回答できるようにします。

その新しい回答を加えてAI(chatGPT)が、新たなアイデアや意見が反映されたワークショップの要約を再構築します。

AI(ChatGPT)の活用シーン

  • AIの持つ情報処理能力で、新たなアイデアや意見が反映されたワークショップの要約を素早く再構築することが可能


構想7 - プロジェクトの具現化

AI(ChatGPT)がワークショップで提案されたアイデアをもとに、プロジェクトの概要や実現に必要な要素、さらには企画書の目次を生成することが可能になります。これにより、参加者たちのアイデアが具体的なプロジェクトへと進化することを助けます。

また、この構想は個人の発言に基づくアイデアの具現化にも応用できます。つまり参加者一人ひとりの意見や提案をベースに、プロジェクトを生成するということです。

AI(ChatGPT)の活用シーン

  • ワークショップの成果物である様々なアイデアを具現化するために、AIでプロジェクトの概要、具現化するために必要な要素や企画書の目次など生成ことが可能

  • 個人の発言をベースにした個人起点のアイデアの具現化にも活用が可能


まとめ

従来のワークショップと新構想によるワークショップの比較表

新しい構想によるワークショップでは、AI技術を活用し、効率化、多様性、継続性を向上させ、従来のワークショップの課題を克服することが可能となります。これにより、より多くの人々がアイデアを共有し、具現化するプロジェクトが生まれる可能性が高まります。

Photo by fortytwo of Unsplash


最後に

AI技術を活用した新しいワークショップ概念を実現するために、様々な実証実験を行いたい。効率化、シミュレーション、進行支援、仮想人格の参加、多角的要約、終わりのないワークショップ、そしてプロジェクト具現化など、これらの革新的なアプローチにより、従来のワークショップの限界を超え、多様な人々が知識を集め、アイデアを拡張し、具現化するプロジェクト創出の場を提供していきたい。プロジェクトを創出する未来のワークショップの形を模索していきます。


またChatGPTの実際のイメージを持ってもらいながらディスカッションするためのnoteも用意しました。



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AIとやってみた

アレとソレを組合せてみたらコノ課題を解決できるソリューションができるよね?と言うパズルをやるような思考回路です。サポートして頂いた費用は、プロジェクト関連の書籍購入やセミナー参加の資金にします。