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ChatGPTを活用した効果的なワークショップの設計は「良い問い」が重要

2023年9月1日に文部科学省、Scheem-Dのワークショップをやってきました。

Scheem-D(スキーム・ディー)は、大学(短期大学、高等専門学校を含む。)の教育、特に授業に焦点をあて、デジタル技術を上手に活用した特色ある優れた教育取組のアイデアを、大学教員やデジタル技術者(スタートアップや大企業)が協働して、教育現場で実践、試行錯誤、普及・実装していく取組です。学修者本位の大学教育を実現するため、サイバーとフィジカルを効果的に組み合わせて授業の価値を最大化する、「大学教育のデジタライゼーション」を目指します。

https://scheemd.mext.go.jp/

Scheem-Dのレポートのこちら

ファシリテーターとして

AI技術、特にChatGPTの進化に伴い、多くの分野でその活用方法が模索されています。私もグループワークやディスカッションの場での利用価値について活用法を模索しています。今回の文部科学省・Scheem-DでのワークショップはChatGPTを用いてディスカッションを実現するための可能性を探求しました。

1.「良い問い」とは何か:その定義と意義

ワークショップの成功の鍵は、適切な問いを投げかけ、参加者の深い思考を引き出すことにあります。しかし、何をもって「良い問い」とするのでしょうか。

  • 問いの解像度を高めること:ワークショップの初段階では、参加者自らが問題意識を持ち、その問いを明確化するプロセスが不可欠。解像度の高い問いとは、具体的かつ明確な方向性を持つものを指します。

  • 良い問いの特徴

    • 議論の方向性が明確で、参加者がそれぞれの立場から意見をまとめやすい

    • 問題解決に向けた深い思考や議論を引き出せる

    • 抽象的な概念を具体的なアクションへと展開させる力がある

2.「発案者の原体験」から普遍的なテーマへ

ワークショップでのアイデア発想の際、発案者の個人的な経験や感情が色濃く影響することは少なくありません。しかし、そのアイデアが多くの人にとって意味を持つ普遍的なテーマへと昇華させる必要があります。

  • 抽象度の上昇:個別の経験や感情から一歩引いて、それをより一般的なテーマや問題点として捉え直すプロセスを経ることで、多くの人々に共感や理解を求めやすくなります。

  • 当事者のバイアスの克服:自らの経験やバイアスを意識し、それを超えた普遍的なテーマを導き出すスキルの育成が求められます。

3.ChatGPTの戦略的活用

ChatGPTは要約や、正確性はさておき、様々な情報を獲得ができる以外に、多様な視点やアイデアを効率的に提供してくれるツールとしても有効です。

  • 多様な視点の提供:ChatGPTは、一般的な知識ベースを基に様々な角度からの提案やアドバイスを行います。これにより、新しい視点や意見が生まれるきっかけとなることが期待できます。

  • 人間のバイアスからの解放:特定の文化や経験、思考の枠組みに縛られないChatGPTは、より公平かつ広い視野でのディスカッションをサポートします。

4.ワークショップとChatGPT:ツールとしての役割を超え、対話の仲間パートナーとして

ChatGPTを活用する際、その真価は情報提供ツールとしての機能に留まらないことを理解することが重要です。むしろ、ディスカッションの質を向上させる一つの方法論、一つのパートナーとしての位置づけの可能性があると感じています。

まとめ

ChatGPTの存在は、ワークショップの質を大きく左右する要素の一つとなり得ます。その活用法を模索する中で、最も重要なのは「良い問い」の設定と、それに基づく質の高いディスカッションの実現です。この2つの要素を中心に、ChatGPTを戦略的に活用することで、より効果的なワークショップの実現を目指して日々、実験を続けています。


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