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KPIツリーで全体を俯瞰しながら企画を考え、影響度と実行可能性の2軸で企画を絞り込む

どの企画が筋がいいのか?可能性が高いのか?を考えるのは難しい。そこで私が行っている思考ステップを紹介したい。

簡単に言うと
■思考STEP1
KPIツリーで全体を俯瞰しながら企画を考える。
■思考ステップ2
影響度と実行可能性の2軸で企画を絞り込む。

1-1 KPIツリーとは何か?

KPIツリーとは簡単にいうと
・KGI=Key Goal Indicator(重要目標達成指標)
・KPI=Key Performance Indicator(重要業績評価指標)
この2つで構成されている。

下記の図を例にとると、売上であるKGIを頂点に置き、重要な要素であるKPIを分解して作成、つまりKPIの1つを向上させれば、他のKPIが変わらない限り、KGIも向上する。この関連をイメージすることが大事だ

KPIツリーの例

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PU(Paid User):課金しているユーザー数
ARPU(Average Revenue Per User):ユーザーあたりの平均売上
ゆえに、売上=PU×ARPU


1-2 KPIツリーのポイント

KPIというとアレルギー反応を起こす人が多い。管理されるイメージが強いからだと思うが、そのアレルギー反応は一旦我慢して、しっかりと向き合って見て欲しい。KPIツリーを3つのポイントで整理する。


1-2-1 組織・事業にとっての重要指標が明確になる

「KPIツリーを作成する過程」で、KGI(売上)達成までの道筋を見極める。

ポイントは重要な指標を絞り込む。逆に言えば、重要でない指標は一旦忘れる。この「一旦忘れる。」とは指標に優先順位を付けるという意味。


1-2-2 企画を考えるときの注力ポイントが明確になる

KPIツリーは、組織・事業のメンバーの共通言語になる。
プランナーは、その指標に注力して企画を作ればよい。
企画を承認するマネジメント層は、そこを見ればよい。


1-2-3 達成しない(達成した)場合の原因の把握が明確になる

企画が実施されたとき、想定どおりに「指標」が動いたか?
例えばKGIの「売上」が上がったとしても、指標が想定どおりに動いたか?反応したか?


1-3 KPIツリーを作成するときの注意点

ちょっと考えるとKPIは莫大に増えてくる
例えばゲームのユーザー指標を
・レベルが1〜20までのユーザーと、レベルが21以上のユーザーで分けて考える。
・AndroidとiOS で分けて考える。
行き着き先は一人一人の管理か?

細かくしすぎても、そこに対応した施策が打てなければ意味がない。
例えば、対応するにはデザイナーやエンジニアなどのリソースが必要だからね。だから組織・事業の中でどの程度の対応できるリソースがあるのか?あたりを鑑みて考える必要がある。

完璧にしようと、あらゆる指標を盛り込んではいけない。
実際に施策に活かせるレベルに取捨選択しないといけない。


1-4 KPIツリーはプロジェクトのコミュニケーションツール

KPIツリーはプロジェクトのコミュニケーションツール。共通で明確な指標があり、その前後関係が俯瞰して確認できるということは、対話の視点で重要ということです。

KPIツリーで全体を俯瞰して、どの部分に対しての企画を行うのか?どのKPIを優先するのか?をまず考える。


1-5 KPIツリーを眺めながら企画を考える

KPIツリーを眺めながら、例えば「売上が増える」企画を考える。

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月間の「売上」を増やすための企画は?

1) PU(Paid User)を増やす。
・有料転換率を上げる。
・月あたりのUL(Unique Login)を増やす。
 ・継続会員を増やす。(=残留会員を増やす。)
 ・新規の会員を増やす。

2) ARPU(Average Revenue Per User)を増やす。
・商品単価を上げる。
・購入点数を増やす。
・購入頻度を増やす。

・・・と、考慮すべき項目は様々、ただKPIツリーを眺めているだけでは決めることはできません。どの項目に注力するかを決めないと行けません。

この注力すべき項目を特定することが、次のステップになります。


2 実行する企画を絞り込む

絞り込むには2軸で企画を評価します。
・結果への影響度
・実行可能性
表にするとこうなります。

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そして「実行可能性」と「結果への影響度」が高い領域の企画を選びます。同時に、それ以外は捨てる。

「実行可能性」の要因としては、開発やデザインリソース、投下できる費用、開発難易度、開発期間など。

「結果への影響度」の要因としては、伸び代がある。(例えば継続率が50%のものを10%向上させ60%にする、つまり1.2倍。と継続率が10%のものを10%向上させ20%にする、つまり2.0倍では全然違う。)

KPIツリーで全体を俯瞰しながら企画を考える。、影響度と実行可能性の2軸で企画を絞り込む。

実行する企画を選ぶと同時に捨てる企画も決める。


アレとソレを組合せてみたらコノ課題を解決できるソリューションができるよね?と言うパズルをやるような思考回路です。サポートして頂いた費用は、プロジェクト関連の書籍購入やセミナー参加の資金にします。