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なぜ研究は難しいのか? 2/2

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4. 好奇心は言動にも現れる

受け身に近い人、すなわち興味を追求する習慣が無い人にとっては、研究は卒業に必要な単位の一つに過ぎず、時間がやたら長い義務作業であり、対処が厄介な問題のひとつなのではないでしょうか。

ですから、論文をいかに沢山読んで、もし学会にいくつ出れたら将来仕事や就活で役に立つのかな、という目先の足し算から逃れるのが難しくなる気がします。

こうなってしまうと、実は元々能力の高かった人以外はハードモードのクソゲーに突入してしまい、圧倒的につまらないものになりやすくなります。

対して好奇心を元に動ける人間は、即座に必要な情報を仕入れ、その知識と共に新しい考えを巡らせることができるようになるので、学んだ知識と共にベキ乗で成長していきます。

行動も早く、命令を必要としない自発的なスタイルも自然に染みつくのです。将来のことを考えすぎるよりも、今現在の自分が賢くなっていくことを優先しています。

彼らが何倍も自立して見えるのは、この行動する動機や成長速度が違うからではないでしょうか。

例えば、質疑応答でも、研究熱心な学生や教授らが、厳しめで批判的な質問をしている光景をよく見かけると思います。

そうしたリアクションの背景にあるのは、「それは間違ってる。でもこう考え直せば、あなたの目指す目的に近づけて、興味深いことが分かるかもよ!」という、好奇心に基づいた助言だと私は考えています。

彼らが理論的な間違いや粗を探しているように見えたとしても、当の本人たちに悪意は無いのかもしれません。

こうした背景に気付いて普段の生活意識から見直してみることで、「研究の原点は、まず興味を追求して、きちんと言語化してナンボなんだ」、という世界感を理解できるようになり、スタートラインに立つことができるのではないでしょうか?


5. 仕事でも強制でもない。

研究は、机に座ったからといって始まるものではありません。

向いてる人は、定時で帰っているように見えても、問題の続きを他の場所でも頭の片隅を使い、考え続けています。

前提を疑い、自分の考えをアップデートするまでの思考の流れは、研究発表でいう目的~考察の流れと似ています。ですから、研究で求められるような深くて長い論理的思考が苦になりません。

それに比例して、蓄積する知識も幅広く相当な量になっていき、その積み上げられた思考経験と知恵が、未知の問題を解決するのに活きてくるのです。


6.【なぜ研究は難しいのか?】


①興味のあることから調べ尽くす
先の予定や将来のことで悩んで動けなくなったり、研究への義務感を強く感じ過ぎてしまい、大事な目の前のことへの興味を失っている可能性があります。

まずは研究以外の日常生活で、好きなものや気になっていたことから細かく調べ、自分の興味の矛先や思考のパターンと共に言語化して、分析してみましょう。

②科学知識に頼った生き方・考え方に慣れる
研究のベースになる思考パターン、すなわち前提を疑ってから考えをアップデートするまでのことに慣れていない可能性があります。発表に関係ない部分でも、普段の研究生活で素朴に気になっていたことも、とことん考えて調べてみましょう。そしてあなたの疑問に応え好奇心を満たすには、科学知識に頼ってその場で考えて生かす必要があることを身体で覚えていきましょう。

例えば、自分の普段している作業、実験で使用している物の特徴や性能・ルーツなど、目に入る物理的な要素を題材に、自分の興味に合わせてフォーカスし、説明できるようにしてみましょう。すると、自分の身の回りで起きている現象のあらゆる理由が垣間見えてきて、面白くなってくるかもしれません。


研究歴1~2年目の方にオススメの本

理系にいる学生は、上記で述べたような視点やパターンを、過去に無意識で獲得している場合が多いようなのです。しかし、当然そうでなかった人間もこうして無事留年せず、卒業しています(汗)

たとえ研究が難しいと感じていても、結局研究発表で話す内容の種類は、ある程度決まってくるはず。そこでまず、普段時間に追われて作る資料に現れる特徴から見直してみることで、自分に必要な要素が見えてくるのではないでしょうか。

↓こちらの電子書籍では、主に【研究の資料作成方法】を紹介しています。

その他にも、
【学生を"放置"する教授の正体】
【進捗が無い場合の切り抜け方】
【実験データが少ない人の特徴】
【研究が停滞した時に取るべき行動】など…

研究を始めたての頃に知っておきたかった事実も多数収録しています。

研究が苦手な人でも、やり方次第で成果を発表できるようになります。
本記事のような研究に役立ちそうなコラムや、実際の状況を踏まえた解説も含め、理系学生に必要なスライド技術を一冊にまとめてみました。

実際のスライド例や画像を参考に、
自分の普段作るスライドとの違いを確認してみてください。



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