見出し画像

暗示文の可能性

 古典催眠の場合,暗示文は催眠誘導文とは異なり,強めに命令調に言うことが多いです.「一,二,三で指を鳴らすと,もう立てません」「一,二,三(パチン!)もう立てない!」とかそんな感じです.そしていわゆるエリクソン催眠の場合には「立てるかもしれないし,立てないかもしれないし,でももう立てなくなっているかもしれません」「いずれにせよあなたが決めることです」みたいな感じになります.
 上記二つと異なる暗示の言い方を思いつきました.例によって中井久夫「精神科治療の覚書」にヒントがありました.すなわち急性精神病状態の患者の場合,患者に語る言葉は短い文章で,なるべく漢語が少なく,低い声で,しかも平板でない音調の方がいいそうです.
 すると例えば「肩に触れます」「身体が重いです」「立つ気がしません」「もう立てません」こんな感じです.古典催眠とエリクソン催眠の中間になっているのかもしれません.近々試してみます.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?