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才能か?努力かの最終結論【書評】継続は、だれも裏切らない 内藤 誼人

この著者は昔「立ち読み」でよく読んでいて、どうも、購入してしっかり読むほどでもなく、大衆向けの心理学ビジネス書作家なんだなと思っていた。あまりにも軽いのは好きではない。しかし、この本を読んで著者の内藤氏から、今までにないパッション(情熱)を感じた。

私は昔ながらの根性論が大好きである。理論がどうの、法則がどうの、というややこしいことより、「とにかく頑張れ」式の根性論に、大変な共感をおぼえる。もちろん、本書の中では、いろいろな心理学のデータをちりばめながら、技術的なことを加味しつつ、話を進めてきた。けれども、本当に大切なことは、「とにかく頑張る!」の一言に集約できるのである。

ただ、それをやると紙面が余りすぎてしまい、編集者に怒られてしまいそうだったので、余計な説明を加えただけにすぎない。本当のところ、私は、最初から最後まで、「頑張れ、頑張れ、頑張れ、頑張れ!!」と二〇〇ページくらい読者のみなさんに向けて語りたかったのである。

あとがきの本音を読んで、納得。まさに、言いたいのはそれだけ。使われている理論も、実験結果も、なんとなく後付けで、結局のところどうなのかな?って感じていたんだけど、著者曰く・・・とにかくやれと。なまけるんじゃないと。グダグダ言わずにやれと。内藤氏ならではの「努力論」「根性論」を楽しむことができる一冊。

頑張るからプロなのだ

プロとアマを比べて、一番の違いは、才能ではなく努力の量だ。プロは半端じゃない努力をしている。投下している時間の量がプロなのだ。

例えば、ピアノの練習においてはプロが週に33時間を用いているのに比べ、アマは週に3~4時間。将来有望と評価されるバイオリニストの場合は、一日の練習時間が3.5時間だったが、普通のバイオリニストは1.5時間。

他者から評価される人はそれだけ血のにじむような努力をしているということが分かるのだ。過去に、才能と努力の関係について調べていたことがある。優れた才能を持つ人は、半端じゃない努力を傾けている。その結果、成功する。つまるところ、その努力を苦と思わない傾向が才能なのではないか?と。

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本当に頑張っているか?

私たちは、ともすると自分がやっていることを過剰に推定する傾向がある。たとえば、テキサス大学のケリー・マイケルソン博士が、一〇〇〇名以上の父親に、「あなたはどれくらい育児に協力していますか?」と尋ねる一方で、母親にもインタビューしてみると、父親は、子どもと過ごす時間を、母親よりも一七・六%も長く見積もることが判明したという。たいていの父親は、「俺だって、やっている」と思い込みやすかったのだ。  

多くの人が、自分が願うほどに成功していない理由は、ひとつしかない。成功するだけ、やっていないからなのだ。自分はやっていると思い込んでしまう弱さ。それを他の人のせいにしたり、社会のせいにしたり、才能のせいにしたりする。

これを、克服するには、勉強・作業時間を計測しておくとか、目標値をちゃんと定めて計測するとか、感情だけでは無くて、事実としてがんばりを評価できる仕組みが大事だなぁ。

まとめ

1冊の本としては、それほど面白い!と思えるものではなかったんだけど、著者が「心理学を悪用してウハウハだぜ」みたいな本をいつも書いている(?)のに、実際には「根性だ、根性だ」というタイプの人だったことが新鮮な驚きだった。結局、これだけ多作できる人だもの、根性も半端じゃないわけだ。何にせよ、ある一定レベルを超えて突破する人は、努力も普通じゃないことを忘れずにいたい。

#根性論 #努力が必要 #継続力 #才能か努力か #内藤 誼人

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読書感想文

大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq