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ADHDはなぜ遅刻するのか?理由が分かれば対処法も分かる。たぶん。

頻繁に遅刻する私の姿を見て「だらしないやつだ」と感じる人は多いと思う。そして、遅刻のことを気に留めていないように見えるかもしれない。しかし、その実、私は、できれば遅刻したくない。遅刻しそうになると、すごく焦るのだ。そして、猛烈に後悔する。もっと早く出ていれば、もっと前に準備していれば・・。

これほど苦しんでいるのに、なぜ遅刻してしまうのか。そこに、ADHDならではの理由が存在している。そして、理由が分かれば対処することも可能だ。(私の遅刻癖は、かなり修正された。遅れても数分だ。)

ADHDが遅刻してしまう3つの理由+α

ADHDの衝動性や注意欠陥という特性は、時間通りに着くことを困難にさせる要素に満ちている。自分でも、なかなか言語化できなかったのだが、発達障害の専門医、田中康夫氏の指摘を読んで遅刻してしまう理由について気がつくことができた。(自分よりも自分のことを分かっている人がいるなんて不思議なんだけど)

田中氏はADHDが遅刻してしまう3つの理由をあげている。私の経験も交えながら、ひとつずつ解説してみよう。(最後に私のオリジナルも加えている)

1:移動する時間が正確に見積もれない
2:出発が遅れる
3:寄り道したり、応用が利かない

理由1:移動する時間が正確に見積もれない

田中氏によれば、遅刻してしまう人は「時間のノリシロ」を計算していないのだという。だいたい30分で着くと予想する場合、ぴったり30分しか見積もらないのだ。しかし、実際には準備の時間や移動の時間、待ち時間などで、ロスタイムが発生する。ADHDはロスタイムを予想しないので、その分だけ遅刻することになる。

対処法は、プラス30分の余裕を持つことだ。30分かかると思えば1時間前に出ると決める。決めてもグズグズして、結局は15分~20分しか余裕がなくなることが多い。プラス15分の余裕を決めていたころには、だいたいジャストタイムになってしまっていた(そして遅刻した)。

自分は、とにかく時間見積もりが甘いと理解し、自分を甘やかさないことだ。ナビタイムなどで、移動時間を計測したら、そこから30分をプラスして予定を立てる。この単純なルールで、かなり遅刻が防げる。

理由2:出発が遅れる

遅刻のもうひとつの理由が、出発前に、余裕があると思い込んで余計なことをし始めることだ。そして、一度やり始めると、ADHDの特性上「キリがいいところ」までやめることができない。出発直前に、普通の人には理解できないようなことを、ADHDは行い始めるのだ。メールを返信したり、本を読んだり、YOUTUBEを見始めたり。

結婚してからは、妻に頻繁に怒られるので、だいぶ、この癖は治ったが、わずかなスキマ時間でもあれば、余計なことをし始めてしまう傾向には長年苦しんだ。結局、出発時間は超過し、走って家を出ることになるのだ。そして、そういう時に限って、いろいろなものを失くしていて、探しているうちに致命的な時間になってしまう。

対処法は、とにかく時間厳守である。時間見積もりをして出発時間を決めたのであれば、その時間割に従うこと。自分の感覚は当てにならないと、自分を戒めることだ。シンプルなルール「出発前には何もしない」を徹底すること。

理由3:寄り道したり、応用が利かない

田中氏が挙げる3つ目の理由は、道中にあるものに気をひかれて寄り道をしてしまうことだ。時間がないのに、ファーストフード店に入ったり、雑誌を立ち読みしたり・・。

とはいえ、これは私にはほとんど当てはまらなかった。なぜなら、すでに出発する時点で、かなり追い詰められているので、そんな余裕がないからだ。ASDタイプが混在している場合は、いつもとは違うことが起きると、フリーズしてしまって遅刻することがあるという。(道路・線路が封鎖されていたり)

私の遅刻のほとんどのパターンは理由1:理由2に当てはまっている。田中氏の指摘を見ていて、ほんと近くで観察されているのではないかと思えるほど、その行動パターンがそのままだった。専門医ってすごいね。この点は、以前にも少し書いてみたことがある。

これに加えて、私はもう一つ、ADHD特性が悪さをして遅刻してしまう理由に気が付けた。これはオリジナルだ(自慢すんな・・・)。ここを改善すれば、遅刻はほぼゼロに近づけられるだろう。

4:待つのが嫌

驚くかもしれないが、私は、待つのが耐えられないのだ。たとえ数分でも友達を待っているというシチュエーションが耐えがたい。そんな時、頭の中にうごめく言葉は「退屈だ。死ぬほど退屈だ。」というものだ。最悪なんだけど、誤解を恐れずに言えば、待つよりは遅れたほうがいいと考えている。

黙って時間まで待っているような退屈を味わうくらいだったら、汗水流しながら走っているほうが良いというわけだ。なんて愚かなんだろう(笑)しかし、これもまた、ADHDの「刺激を求める」という傾向ゆえなのだ。刺激がない時間が耐えられないと感じるのだ。

この自分の考え方に気づけたので、対処法を生み出すことができた。それは、現地で時間をつぶせる方法を準備することだ。これだけで大丈夫。私の場合は、kindleに読みたい本(未読本)を常に数冊入れている。そして、待ち合わせ場所に着いたら、それを読むのだ。読む楽しみのためなら、早く着ける。30分あれば1冊読めるし、15分しかなくても、数章は読める。そう思えば、早くついても無駄ではないのだ。

こんな考え方をしただけで、一気に遅刻しなくなった。

遅刻癖に悩んでいるADHDの皆さんは、ぜひ、自分の考え方を分析して、遅刻する理由を探ってほしい。そして、合理的な理由、もっと良い方法を自分に教えてあげることだ。まるで、自分の中に子供がいるようなものだけれど、コツコツ教えれば、必ず遅刻しなくなる。私の経験からだ。

綿樽剛の著書一覧

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq