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岡本一平とかの子の様に

この話はこちらの続きです。「第二話」としようと思ったけどタイトルを変えました。


それから随身時間が経った。焦る気持ちや、相手に自分の考えを押し付ける事に関して、気づかされる事が沢山あった。

強引とまではいかないけど、なんか一方的にセックスされた事に対する、静かな怒りを自分の中で咀嚼したとき、「モノガミーの彼に、ポリアモリーをおしつける自分」が、それと同じエネルギーだった事にも気が付いた。

レイプみたいな事を、私は彼にしたんだなあ・・・・。だから私は腹が立ったんだ・・・・。

それからというもの、自分に集中した。

いつも自分のエネルギーを持て余している。それを相手にぶつけてしまうとしたら、その相手はしんどすぎる。一人だと相手を燃やし尽くしてしまう。何人かで丁度いい。だから分散した。感謝しながらボケっとすごした。

そしてアキ君と会う日がやってきた。

少しずつ話し始めた私の話を、彼は聞き留めてくれた。受け入れてくれるのがわかった。

いま、親密な関係の人がいること。事前に伝えたかったけれど、伝えられないうちに事後になってしまった事。相手がどんな人かという事。どんなお付き合いなのか、という事。

一気には話さず、その都度その都度、彼がちゃんと受け止めきれているか、不快な思いをしていないか、丁寧に向き合おうと思った。

「ちょっと待って(笑)一気には!!少しずつにして!」と最初笑っていた彼も、そのうち、いろいろと質問してくるようになった。

「会う時ってどこで会ってるの?」「彼が住む街に行くこともあるし、この家に泊まった事もあるよ。」

「何回くらいセックスしたの?」 「3回くらい」

意外にも、あまり嫉妬はしていない、と彼は言った。

「そりゃ少しは。」と。

そしてこれがとても興味深いと思ったのが

「嫉妬するとしたら相手の方が辛いんじゃない?」と彼が言ったのだった。

え? 

どういう事だかピンと来なくて、よくよく聞いてみると

「自分たちの間には長い年月と、実際に暮らした重み、娘という存在など、切っても切れない絆があるから、新規参入者側からしたら、それに嫉妬するのでは」との事だった。  なんという!!!(笑)

私は笑ってしまった。優しいし、おめでたい!そして溢れる自信!!!きっとJO君に限ってはそんな嫉妬は感じてないであろう。そしてこれから誰かを好きになってお付き合いする事になる事を想像しても、「そっち?」という感覚しかない私はオカシイのだろうか。

だって、私がもし逆の立場だったら・・・

「長い付き合いの彼女または奥さん」のところに私が新規参入して・・・・。まあ、嫉妬しなくはないけど

どっちかっていうと JO君に新しい彼女ができたほうが嫉妬するんですけども・・・・。

ああでも、確かに、アキ君(元夫)に彼女ができたら、「ごめんねぇ。こんな私がいて。嫉妬とか大丈夫あなた?」って思ってしまうかあ・・・・。これって優しさ?いや違うよな。優越感。てことはエゴ。

なるほど。エゴ。エゴと嫉妬は、違う様であって、実はエネルギー同じだよね。結局、人と比較して、自分はイケてるのか劣ってるのかを比較してるからわいてくる感情。

そしてさらアキ君は言った。

「出会った時から、君がそういう人だと、知っていたよ。それでも好きになったよ。」

誓って言うが、彼と出会ってから離婚するまで、わたしは他の男性に心揺れた事は一度もない。(芸能人とかにカッコイイ💛とかときめいた事くらいはある。)「恋したいなあ」という願望すら抱いた事がなく、完全に「彼一筋」だったわけで、ここで彼が言う「そういう人」というのは

間違いなく「潜在的に、沢山の人を愛せる人だと知っていた」という事に他ならない。私でも気が付いていなかった、私の女神的な一面を、彼は見抜いていたらしい。

最後に彼はこういった。

「君が、何人の人を好きでも、誰を好きでも、ぜんぜん構わない。そんな事はどうでもいい。ずっと知ってたし。

俺も、もしかしたら、他に好きな人ができる日がくるのかもしれない。

君は何人を好きでも、誰を好きでもいいけど、俺は、君一人が好きで、それだけでいい。

だからどこにも行かないで欲しい」

と言った。

私は「どこへも行かないよ。」と答えた。

「私」という人間の肉体を着ている「愛」という「そのもの」はただここに存在していて、どこにも行かないという感覚だけがある。


ところで。岡本太郎の両親の、岡本一平とかの子の関係を、知っていますか?

かの子は、亀三という恋人がいて、その亀三は3人で同居していた。そして亀三が、かの子を独占したくなったのだろう。ある日一平にこう願い出たそう。

「奥さんを下さい。正式に結婚します。」

それを受けての一平の答え。

「かの子を僕から奪わないでくれ。世間の道徳や、世間の非難はど問題じゃない。きみたちがどんなことをしてもいい。ただ、かの子をぼくの生活から奪い去る事だけは許してくれ。」

そんな形の愛があってもいいんだなと思う。

私たちの場合、というか、アキ君の場合、一平と違うのはこういう事だった。「君は、沢山の人を好きになる事でパワーチャージするみたいだけど、俺は本当に一人で居るのが好きで、一人でいる事が俺のパワーチャージなの。だから、君の事は大好きだけど、ずっと一緒には居たくない。 だからあんまり会いたくない。」

いろいろとツッコミどころ満載。

結婚8年。離婚1年目。また新しいパートナーシップの在り方を実践することになった。










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