9章

チビたちをどう登場させていいものやら、小説をまともに書いたことのないわたくしには、何だか・なかなか・難関ですね。
 わたくしは一応、詩を書く生き物ですから、町や田舎を出歩いたときポエジーが訪れることがあります。神様だかなんだか(まあ神様がいるとは個人的には思ってません。地球外には暇つぶしで地球の生物たちが何か悪さしてないか観察してる高度な知的生命体がいるかもしれない、とは思ってますがね。うっしっし。)が、釣り糸の先にわたくしの大好物を結び付けて、天空からそれを垂らしてくださる瞬間のことです。
 そんな時、なんだかチビたちがそこにいる気がするのですよ。
 たった一人で出歩いていても、世界にはチビたちが溢れている、と言いますか……。
 ポエジーあるところ、チビたちの影あり、って感じですかね。
 そのポエジーを生かした小説がポンポンかければいいんですが、やはり梶井基次郎さんのようにはうまくはいきません。
 そういえば、急に話は変わりますが、こんなことがありました。
過去の話ですが、わたくし新幹線に乗っておりましたところ(席は常に一番後ろの三人席の窓側を好みます。よく覚えておいてください)、窓を通して外界に目をやりますと、走る新幹線と同じくらいのスピードで、チビたち三匹(なぜか巨大化していて目立つ目立つ!)が、体操選手よろしく、からだをいろんな角度から回転させたり、雑居ビルやら商業施設やらを跳び箱を跨いで跳びながら付いてくるわけです。併走するのを楽しんでいるんです。
 まあ、チビたちは神ががってるワンちゃんたちなので、別にありえなくもないのですが、しかしさすがに巨大化してる時点で、こりゃ夢かもしれないと思い、狐でありながら狐につままれた気分でずっと凝視してたわけです。
 目的地の駅に着いたとたん、巨大化したチビたちは前方宙返りをしながら、遠くの方へ跳んでゆき、見失ってしまいました。わたくしはホームに降り立ち、改札口につながる階段に向かおうとしたときに、何故か乗ってきた新幹線からサムシング・グレートを感じ、振り向くと、なんとチビたちが乗っているではありませんか。一体どこにいくのやら、といぶかしげに手を振ると、新幹線が凄まじい物音を立てて、地下道を掘るように線路の下へ下へと潜っていったのです。これは本当の出来事だったのです。
 そう、夢ではなかったのですよ。なぜならわたくしほっぺたをつねってみたのですが、痛かったんですから。 
「だから何?」
「ポエジーとなんの関係もないのでは?」
 今、何人かの読者の方からクレームを頂きました(いや、そんな気がしただけですが)。
精進せねばなりませんなあ、ぼかあ。

ではまた!

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