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型抜きクッキーの仕込み方

「型抜きクッキー」はどうやって作る?

クッキー(サブレ)って、暑い場所や、長時間の作業はバターが解けて生地がダレるので、暑い場所での作業はNGだ。

サクサクを楽しむために「混ぜすぎって厳禁、そこそこ手早く」なことが多いけれど、型抜きはちょっと違うと思う。バターはホイッパーで混ぜて立てていい。粉も結構合わせて問題ない。

クッキーを仕込むときに共通して大事なのはバターの状態だ。特に、冷蔵庫から出したての固い状態では、ほぐすのにめちゃくちゃな労力がかかる。

レンジの解凍でチンしてもいいが、レンジ前に張り付いていなきゃならないし、一部だけ溶けだしたりもする。

良い状態、とは言い難い。

バターが持つ「可塑性」と呼ばれる、粘土のように形を保つ状態(13~18℃あたり)がベストで、溶けたバターが持つ性質とは違うからだ。

そういった理由で、レンジにかけて溶かすのは神経を使うのでオススメしない。

パティシエも同じだ。その日焼き菓子で使うバターは基本、あらかじめ出しておく。手間をかけず、置いておくだけでバターを均一に柔らかくすることができる。コンディションが整ったバターは、すぐに大きなボウルに入れて、ミキサーで回し始められる。

それから、出来上がった生地は1時間~1日寝かせるので、焼く前日に仕込んでも良い。お店では「今日仕込んで、明日焼く」ということが多いように思う。

もし、日持ちさせようと思うならシリカゲルはマストだ。100均で買えるので、一袋買っておくと便利だと思う。

型抜きクッキーの手順(1)ねかせるまで

①常温に出していた、軽く押すと凹む、柔らかなバターを、ボウルに入れホイッパーで立てる。

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②砂糖を加え白っぽくふわっとさせる。(写真は粉糖)

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③卵黄を入れ、そこそこ立てる

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④振るった粉を入れ、さっくり切り混ぜる。徐々にまとまっていく。

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型抜きクッキーは、しっかり混ぜてまとめる。

⑤薄く四角くラップして、1時間~1日冷蔵庫へ。

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型抜きクッキーの手順(2)焼成

⑥作業するほんの少し前に常温に出し、オーブンを170℃に余熱する。

⑦手粉(強力粉)を打ち、麺棒で約3mmにのす。または、手粉を使わず、ラップの間に挟んでのすと、粉が散らず、麺棒も汚れず、片づけが楽。

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固いときは麺棒でドンドンと叩くと、温度を上げずに均一に柔らかくすることができる。

⑧抜型で抜き、クッキングペーパーを敷した天板にに並べ、約12分焼く。

作業中に生地がダレてきたら、冷蔵庫に入れると生地の切れや伸びを防ぐことができる。

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※抜いた周りの生地は、最初に比べて状態の落ちる「2番生地」と呼ばれる。再度のして使えるが、手間がよりかかるので、多く出さないように詰めて抜くとよい。お店では、1番生地の仕込みで混ぜ込んで使うところが多い。

※抜型を使わず、包丁で四角くカットして焼成すると、2番生地が出ないので楽ではある。

⑨焼き終えたら冷まして完成。保存するときは、シリカゲルと一緒にタッパーやジップロックなどで密閉すると良い。

卵のはなし。

今回は、卵の計量のために「卵黄」を使ったレシピを紹介したが、全卵を計量して作ってももちろんかまわない。

全卵を1つ60gとした場合、卵黄は大体1つ20g弱。型抜きクッキーに必要な全卵の量も20gで計量してよい。

味と生地がちょっと、いや、結構変化する。複雑なレシピなんて実際こういうことの組み合わせだ。

簡単に言うと

卵黄だけだとコクがあり、黄色く、焼き色が付きやすい生地になる。

全卵だと、卵黄に比べて淡泊。生地は白っぽくなる。

卵黄の方がリッチな配合だが、アイシングに向くのは生地自体が白い全卵の方だと思う。

ま、いずれにしても、おいしい型抜きクッキーは問題なくできる、と言うことでその辺はご安心を。

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