塔崎めぐみ

お菓子作りのハードルを下げたい元パティシエです。都内・フランス・地方で、計8年間パティ…

塔崎めぐみ

お菓子作りのハードルを下げたい元パティシエです。都内・フランス・地方で、計8年間パティシエとレストランパティシエを経験しました。現在、ライター兼編集者。いびつでも愛せる、心に染み込む手作りお菓子を、肩の力を抜いて作るための話に加え、パティシエネタも綴ります。

最近の記事

定番。ショートケーキについて①【ジェノワーズ編】

誕生日とクリスマスにはケーキを用意して祝うのが世の中の定番になっている。 ケーキと言うだけでもそうなのだが、ホールともなると特別感は相当のものだ。普段はなかなか食卓に並ぶものではない。 目当てのパティスリーへ予約を入れることもあるだろうし、手作りで祝うこともあるだろう。 ケーキの中で、多くのケーキ屋の店頭に並び、日本で老若男女に長く愛され続けているホールケーキといえば、やはりショートケーキ。そして事実、これまで私が経験した店のクリスマスケーキのラインナップにショートケー

    • 「折角だから」と、必要以上に作る是非。【冷凍について】

      焼き菓子でもパウンドケーキでもゼリーやプリンでも、レシピには「○個分」「○本分」などと仕上がる量が書いてある。 型が余分にあったり、材料に余裕があれば「せっかく作るなら、多めに作ろうかな」という気持ちがわくかもしれない。 今回は多めに作ったときに必要な保存方法のひとつ「冷凍」の心得について、触れてみたいと思う。 パティシエは「冷凍」している食料品や日用品の買い物がレジャー感覚で楽しめると人気の「コストコ」。どの商品も大量で販売されている。ここで定番人気のティラミスやチー

      • 「手順を頭に入れて作る」ことの大切さ

        「お菓子づくりは時間かかる」「なんだか疲れる」と思う方へ。家庭料理と同じで、お菓子も“慣れ”がとても大切な要素だ。 ただ、料理はお菓子に比べて生きていく上で必要な「食」を担うもの。苦手だと思っていた人でも、必要に迫られて作り、回数をこなし、上達した例は多いはずだ。 お菓子はそれとは前提がちがう。 それでも、この話で、心にかかる負担を少し軽くすることはできると思う。 作業は、繰り返すほど精度が上がるパティシエがお菓子を仕込む際、次の工程をいちいち確認することはまずない。

        • 型抜きクッキーの仕込み方

          「型抜きクッキー」はどうやって作る?クッキー(サブレ)って、暑い場所や、長時間の作業はバターが解けて生地がダレるので、暑い場所での作業はNGだ。 サクサクを楽しむために「混ぜすぎって厳禁、そこそこ手早く」なことが多いけれど、型抜きはちょっと違うと思う。バターはホイッパーで混ぜて立てていい。粉も結構合わせて問題ない。 クッキーを仕込むときに共通して大事なのはバターの状態だ。特に、冷蔵庫から出したての固い状態では、ほぐすのにめちゃくちゃな労力がかかる。 レンジの解凍でチンし

        定番。ショートケーキについて①【ジェノワーズ編】

          定番「型抜きクッキー」の話とレシピ

          さあ、「クッキー」と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどんなクッキーだろう。 クッキーを詰め合わせたギフトの中を思い出すと、型抜きクッキーや、アイスボックス、絞り出し、ブールドネージュにメレンゲ、ラングドシャ……など実にいろいろな種類が入っており、それらをまとめておおまかに「クッキー」と呼んでいるぶのが分かる。 クッキーはおうちおやつの定番中の定番でもあるが、その中でも特に扱いやすい「型抜きクッキー」についてのお話とレシピについての話をはじめる。 「型抜きクッキー」の材料

          定番「型抜きクッキー」の話とレシピ

          「凄く」なれなかった元パティシエが考える。誰でも作れる「おうちおやつ」について

          「独身の頃、パティシエしてた」という話をすると、相手からは「凄い」という反応が返ってくる。 残念ながら、私は何も凄くない。 東京とフランス、さらに地元でパティシエの仕事で生活をしていた私は、多くの「凄い方々」と出会い、共に働き、素晴らしい経験をさせてもらった。 その方々は誰もが 情熱、体力、気力があり、物怖じに勝る好奇心を持ち、自分自身を信じていて、夢を持っていた。 「好きなことを仕事にする」。それは一見、幸せなことのように見えるが、残念ながら「好き」には個人差があ

          「凄く」なれなかった元パティシエが考える。誰でも作れる「おうちおやつ」について