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定番「型抜きクッキー」の話とレシピ

さあ、「クッキー」と聞いて、あなたが思い浮かべるのはどんなクッキーだろう。

クッキーを詰め合わせたギフトの中を思い出すと、型抜きクッキーや、アイスボックス、絞り出し、ブールドネージュにメレンゲ、ラングドシャ……など実にいろいろな種類が入っており、それらをまとめておおまかに「クッキー」と呼んでいるぶのが分かる。

クッキーはおうちおやつの定番中の定番でもあるが、その中でも特に扱いやすい「型抜きクッキー」についてのお話とレシピについての話をはじめる。

「型抜きクッキー」の材料について

バター、砂糖、卵、薄力粉。

モノによって異なるが、アイスボックスや絞り出し、型抜きなどの、基本の生地に必要な材料は、この4つだけだ。

あとは、分厚くサクサクとした歯触りを出したいアイスボックスか、柔らかさが必要な絞り出しか……などの種類・製法に加え、味や食感へのこだわり、コストの関係でレシピは多様に変化していく。

味の面で言うと、無塩バターを、より芳醇な「発酵バター」にすることや、一部をサクサク軽い食感を出す「ショートニング」への置き換え、リッチなコクと風味を増す「アーモンドプードル」の配合、バニラオイルをはじめとした、フレーバーの追加―――

というようなことが起こると、次第に複雑なレシピとなっていく。

「型抜きクッキー」の材料

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バター 50g(常温で柔らかくしておく)

粉糖 50g(グラニュー糖でも美味しい)

卵黄 1個分

ふるった薄力粉 100g

最初のハードルは計量にあり。

もしかしたら、お菓子作りの最初のハードルが「計量」だという人も少なくないかもしれない。

材料の種類が多い、とか

持っていない材料があるとか

はたまた、中途半端で変な数値へのプレッシャー?

そこにきて全卵の計量。よく解きほぐしてから計量するが、解ききれなかった白身が一度に流れ込んで上手く測れないこともある。そのうえ中途半端な量が手元に残る。

また、バニラオイルは(バニラエッセンスではない)焼き菓子に簡単にフレーバーを付けられるので重宝するが、「ないから作れない」というほどマストではない。

砂糖は粉糖? グラニュー糖?

砂糖は、粉糖を使えば表面も歯触りも滑らかに仕上がる。こだわって手をかけたアイシングクッキーをする場合は是が非でも用意したい。

しかし、普段からお菓子作りをしない家に粉糖はそうそうあるものではないと思う。

グラニュー糖は、少々ボコボコとした表面になるが、ザクッとした食感でなかなか美味だと思う。コーヒーや紅茶に使えるし、粉糖を買うよりもハードルはぐっと低くくなるはずだ。

ちなみに上白糖は、保湿性がありしっとりとした食感になる。焼き色が付きやすいという一面もあり。カステラなどの和菓子向きだ。ただ、もちろんダメではない。

比較

写真は完成したクッキーの裏面。左が粉糖で右がグラニュー糖。個性を楽しむくらいのおおらかな気持ちで作ってほしい。

「有塩バターを使いたい」気持ち

バターの有塩・無塩を比較すると、こと価格においては無塩のほうが高いのではないだろうか。

お菓子作りの基本は、塩を含まない「無塩バター」を使うことだ。ただ分かっていても、有塩の方が安い とか、有塩なら冷蔵庫にある、という気持ちも十分わかる。

有塩バターを使うと、当然だがクッキーに塩味が付く。

塩は塩味のほか、殺菌作用、グルテンの強化、浸透性などに作用するが、有塩を使うことによるお菓子の状態の弊害はここで気にすることはない。実際クッキーには、あえて微量の塩を入れるレシピも少なくない。

「すいかに塩」と同様、甘味を引き立てる用途もあるからだ。その甘味を引き立てる味のクセ、みたいなものが嫌いで

「塩キャラメル」「塩クッキー」などを敬遠するのでなければクッキーにおいては、塩を計算せずに有塩を使う。それで全く構わない。

1gの誤差は失敗の原因になるのか

お菓子の本や基礎などでは「きちんと計量しましょう」と、正確さをもとめられる。レシピを忠実に再現する上では、当然そうあるべきだ。

しかし、1gや5gが全ての出来を左右するかというとそうではない。

上のレシピの バタを-5g や 砂糖を-10g としてもクッキーは問題なくで出来上がる。 

しかし、ここで卵黄1個ではなく、全卵が1個入ると状態は大きく変化する。水分が多くなれば生地は緩くなり、型抜きに向かない生地になるかもしれない、ということが考えられるのはお分かりいただけるだろうか。

例えばゼリー。ゼラチンなどの凝固剤の量を勝手に減らすと、理想通りに固まらない恐れがでてくる。

また、微量であればあるほど1gというのは大きい。薄力粉2000gの配合の1gと2gの配合の1gでは、与える影響のケタが全然違う。

そのようなことを頭に置かずとも、間違いなく製品を完成させるためには「材料はきっちり計量しましょう」ということになる。

次回は、型抜きクッキーの手順とポイントについて。

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