医師の働き方改革で「脳外科医 竹田くん」みたいな先生が増える!!?

「脳外科医 竹田くん」

『脳外科医 竹田くん』は架空の地方都市・赤池市の赤池市民病院を舞台とした漫画です。フリーの脳外科医・竹田くんが赤池市民病院で働くことになり、驚くほど多くの医療事故を起こしていく内容となっています。

2023年に突如としてブログに連載開始され、病院の内情がかなり詳しく書かれており、病院関係者しかしらない内容であると話題になっております。

主人公である「脳外科医 竹田くん」は手術そのものが大好きな外科医で、プライドが非常に高いわりには技量が伴っておらず、外科医としては致命的に手術が下手、さらに反省もしないため患者さんへ重大な事故を起こしまくります。しかし、病院の安全管理体制もずさん、指導医も激アマということで歯止めが利かず、さらにさらに事故を重ねていく、、、という内容です。

これを見た一般の方から、「こんなこと本当にあるのか?」と聞かれましたが、実際にあった話のようです。
不幸にも重大な合併症が発生することはどんな手術でもありますが、事故が発生した場合に通常の医師は原因を究明し、院内の安全管理部と徹底的に再発防止策を話し合います。明らかに稚拙な手技が原因であるならば、その医師の手術は一定期間停止となり、場合によっては二度と手術させないなど厳しい措置が取られます。
しかし、この先生は反省しないばかりか他人のせいや患者自身のせいにして手術を続けています。

最近はこういったプライドばかり強くて、腕が未熟なのに手術をしたがる先生は、病院安全管理のガバナンスが向上していつのまにか少なくなりました。
しかしながら。筆者は2024年から始まる医師の働き方改革で、このような先生が増えていくのではないかという危機感を感じています。

医師の働き方改革で竹田先生のような先生が。。増える?

医師の働き方改革の実行が2024年に迫っておりますが、実行されますと医師の勤務時間が今よりも厳しく制限されます。業務内容は変わらないため、どの病院もより多くの医師が必要になります。


大学病院も人手不足に陥るため、派遣先の病院から医師の引き上げが起こることは想像に難くありません。
そうなりますと少人数で地域医療をささえていた地域の中隔病院はより医師の確保が困難となってしまいます。
もともと医師の数が少ない外科部門ではその兆候が際立つことが考えられます。

そうなりますと、竹田先生のようなトンデモ外科医でさえ、「大変な地域医療を救うために立ち上がる救世主」として、もてはやされる可能性があるのです。
病院も売り上げを確保するために手術数を維持したいので、少々の医療ミスは隠ぺいし、目をつぶる病院も出るかもしれません。この赤池市民病院のように。
そうなると、一番被害を被るのは一般の患者さんです。この漫画のようになることは本当に避けたいです。

新たな竹田先生の出現を防ぐために

ではどうしたらいいでしょうか。
端的にいいます。本気で病院の再編、患者集約化を行って、技術の高い先生を集め、養成していく。そしてそのような技量の高い先生へは給料を上げていく。
このような取り組みはなかなか痛みを伴うと思いますが、考える時期に来ているのではないでしょうか。






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