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ソーシャルゲームの運営とその闇 #2

前回の記事はこちら

今回はソーシャルゲームとガチャという関係性についてお話します。根が深いので次回まで続くかも…そもそもなぜガチャという売り方なのか?です。

運営側として都合が良い

簡単に言ってしまえばこの一言に尽きます。ソーシャルゲームというのは通常のPS4やNintendo Switchなどの家庭用ゲーム(コンシューマーゲーム)と異なり、終わりがありません。それはパッケージとして販売するのではなく、Web上であったりアプリ形式で運営していくことにも起因します。

アップデートや調整などが容易である、ユーザが始めやすいといったメリットがありますが、反面運営するだけでもお金がかかります。主にサーバ代であったり、アップデートのためにモンスターや武器をデザイナーに依頼したり、新規機能を実装・テストするのにもお金がかかります。

これは当然コンシューマーゲームでも発生しますが、パッケージというゴールがあるので、そこから逆算して掛けられるお金や売上見込みを算出可能なのです。最近はDLCやパッチファイルで修正などもしているので、発売後が本当の山場なのはソーシャルゲームもコンシューマーゲームも変わらなそうですね笑

とにかくソーシャルゲームという大手でなくても参入可能なゲーム業界では運営に多額の費用がかかるのです。

そこで売上を担保する機能が必要となります。まず仮にゲーム内でとても強い武器を1万円で売ったとします。その武器があれば仲間からは必要とされ、英雄扱いされるものとします。ただ、それは売れても最大で1万円なのです。さらに言ってしまえば1万円さえ払えば誰でも英雄になれてしまうのです。

そこで満を持してガチャの登場です。ガチャを一回500円として強い武器の確率を2%にしてしまえば、期待値は2万5000円です。1万円以上の売上を上げる可能性があるのです。

そしてガチャに必要なアイテム(仮に魔法石とします)をゲーム内の進行やログインでも配ります。そうすると誰でも強い武器を手にするチャンスがあるのです。その武器を持ってるユーザが課金していようが、していまいが関係なく。

ここが意外とミソです。1万円で武器を売ってしまうと他ユーザから見て、嫌悪感を抱かれたり、こいつ必死かよ、そんなに目立ちたいのかと思われたりします。誰でも挑戦する機会を与えて、なおかつ課金することでその確率を高められるよう設計しているのです。

運は誰を味方するか

先も言った通り、魔法石自体は課金をしなくても手に入るため運が良ければ課金することなく手に入れることも出来ます。ユーザ全員にガチャに挑戦する機会があるのです。

魔法石を無課金で集めるために毎日ログインして、ゲームを進めてもらう、それだけで運営側としては大成功です(理由は別記事で)

例えば確率2%だとしたら確率の世界では50人に1人は1発で当てられることになります。この当てたユーザはその強い武器を使って当分ゲームを続けてくれます。なんならSNSで拡散してくれるかもしれません。運営側としては逆に非常にありがたい存在です。

では当たらなかった残り49人はどうなるか?2/100が2/99になったし、まだ集めた魔法石はある。もう一度くらい引いてみようか。なんだったら最初から10連ガチャのようなものを利用しているかもしれません。

ここがガチャの怖い所で、実際は2%は2%でしかないのです。1回目のガチャでも2%ですし、10回引いたからって20%にはならないのです。大きな母数で言えば確率の世界では2%になるように調整されますが、個人で引く回数では誤差の範囲内を出ません。仮に100億回引けば、強い武器は2億個に近い数を所持しているはずです。確率なので。

私もそうですが、やはり次こそは、これだけ引いたんだから後戻り出来ない、そういった心理が働きます。目当ての武器を当てなければ無駄にするだけですしね。これがソーシャルゲームのゲーム性と非常に良くマッチしていると私は思います。その価値を知る仲間がインターネット上にいますし、SNSを通じて当たっているユーザも目にします。これが無課金を課金者へ、そして重課金へと繋がるのです。

分かりにくくなっていますが、お金はお金なので、自制心を持ってプレイして欲しいです。ゲーム自体はスタッフの血と汗と涙で出来ていますので笑

この記事の終わりに

現在、資金決済法の影響で有償・無償の表示をしているゲームが多々ありますが、確率の調整はしていないと思います(というかそう信じたいです)

有償用の確率と無償用の確率を用意して、その期待値を計算して〜なんて無駄なことしてる暇あったら次のガチャ施策考える方がよっぽど有用です。そんなことしてる会社があったら逆に話伺ってみたいです。よっぽど普段することないんですね^^と笑

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