夏の夜、狭い店のカウンターでカレーを食べる
わたしは仕事を終えてカレー屋に行った。
ラーメン屋の2階にあるカウンター10席の小さな店。
こじんまりした空間には、夫婦やカップルが既に座っていて、わたしはその間に空いていた席に割り込むように小さく座った。
キーマカレーとジントニックを頼んだ。
疲れた体に、ジンが染み込んでいく。
仕事終わりの酒がうまいと思うほど、
仕事をしたのだなあと思った。
わたしの腕には、冷房の風か外の風か分からないような生ぬるい風があたっている。
窓の方に目を向けると、窓が少し開いていた。
アンティークと中古品の間のようなランプの光に映画のパンフレットが照らされていた。期限切れのやつだ。でも雰囲気が良くて、こういう部屋で映画を観ながら語り合うなどしたかったなあと思った。
そしたらなぜか涙がこぼれそうになった。
やはり歳をとったのかもしれない。
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