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ヘルスリテラシーの高い女性管理職がいる職場で起こること

キャリアコンサルタントの松岡澄江です。

先日開催した「mezame 女性の健康とキャリ アセミナー」のお話です。

このときの対象者は、とある企業の女性管理職。女性特有の健康課題を知り、今後のご自身の健康管理と職場のマネジメントに活かしていただくことが目的です。
参加してくださったのは、会場に約40名、オンラインも含めて50名を超えるみなさん。これだけの女性管理職の方にセミナーをおこなうのは、mezameとしても初めてのことでした。

「女性同士が健康について語る場」が必要です

第1部は、mezameの産業保健師による「女性の健康課題」の講義です。みなさん、熱心にメモを取って聞いていました。
その姿を拝見しながら、私はこのmezameプロジェクトに参加したばかり頃を思い出していました。

女性の健康について初めてきちんとした知識を教えてもらったとき、「自分のからだのことなのに、私、ぜんぜん知らないんだ!」と愕然とした感覚がよみがえります。

気がつけば、講義内容を理解しようと私は必死にメモを取っていました。
きっと、参加されたみなさんもそんな気持ちだったのではないでしょうか。第1部終了後にはさっそく「やっぱりちゃんと知ることが大事」「自分の経験だけで判断せず、正しい知識が重要」といった感想が飛び交っていました。

そして、第2部は私のパート。
「女性の健康とキャリア」をテーマに、女性の健康と働くことの関係性について解説し、その後、それぞれの経験を語り合うワークをおこないました。

健康にまつわる話題はプライベートな要素も強いため「お話しいただける範囲内でOKですよ」と伝えてスタートしたのですが、数名にわかれてディスカッションをお願いしたどのグループも、月経や更年期に関する症状、不安に思うことを積極的に共有していて、とてもにぎやか。
よく、女性は横のつながりを作るのが得意といわれますが、「自由に話せる場があれば、女性はこんなにも多くの情報を共有できるのだ」と、私も改めて実感しました。

女性のからだに起こるさまざまな症状は、ときに仕事のパフォーマンスにも影響を与えてしまいます。
普段から、女性同士がお互いの体調やからだの状況などを共有できる場があれば、相互理解が深まり、よりよい協働ができるようになるのではないかと改めて感じました。

婦人科は「病気じゃなくても訪れていい場所」

ワークでいただいた質問のなかに、ひとつ印象に残ったものがありました。

「生理がツラい時、婦人科でなんて言えばいいんでしょうか?」

なるほど、お気持ちわかります。
そもそも、「婦人科へ行くハードルが高い」と思っている女性はとても多いのです。

どんなきっかけで行けばいいのか?
こんな理由で行ってもいいのか?
実際に行ったとき、なんと言えばいいのか?

など、わからないこともたくさんあると思います。

私はその方に「月経がつらいので相談に来ました」でいいと思いますよとお伝えしました。すると、その方は少し驚いた様子で「そうなんですね!?」

これまで婦人科のトラブルを経験したことのない女性はとくに、「産婦人科は妊娠出産でお世話になるところ」というイメージが強いかもしれません。でも、実は婦人科にかかることには、さまざまな健康課題を抱える女性が病気を回避する“予防医療”としての意味あいもあるため、深刻な症状がなくても訪れていいのです。

mezameでも「かかりつけの婦人科医を持つこと」の大切さを繰り返しお伝えしています。月経や更年期症状の悩みは婦人科で相談できることを、もっと多くの女性のみなさんに知っていただきたいと感じました。

ヘルスリテラシーが向上すれば職場もいいことづくし

今回参加されたのは女性管理職のみなさんは、マネジメントを担う立場として、業務管理や人材育成というミッションを持ってはたらいています。
マネジメントをおこなううえでは、メンバーとのコミュニケーションが重要になってくるのですが、

「更年期に入ってから気持ちが不安定で、ついイライラして部下に当たってしまう」とお悩みを話してくれた方もいました。
「イライラしているときに少し込みいった問題が発生し、きつい返事をしてしまった。“性格が悪い怖い人”と思われているかもしれない…」

こうしたことは、女性管理職本人のパーソナリティとは関係なく、ホルモン分泌の乱高下や年齢による急激な体調変化によって引き起こされていることも少なくありません。
「そんな意図はないのに」コミュニケーションに不具合が生じてしまう…。
だからこそ、女性自身が自分のからだについて知り、それについて互いに情報交換をし合う場は必要だと感じます。

私たち女性は、「自分はたいしたことがなかったから、周りもそうに違いない」など、つい自分の経験で相手の状態を判断してしまいがちですが、PMSも月経痛も更年期も、あらわれかたは人により千差万別
それがわかっていれば、相手に寄り添って話を聞くことができますし、客観的なアドバイスもできるようになると思います。

それができる職場では、誰かがイライラしていても

「もしかすると、更年期症状が出始めてイライラしているのかな」
「今日の○○さんはPMSで不安定なのかな。あまりムリをさせず、早く帰って休んでもらおう」

などと想像し、いたわり合うことができます。
自分自身にそういった症状が現れたとしても、

「先月頑張りすぎたせいで生理痛がひどい…。生活習慣を見直さなきゃ」
「これはいよいよ更年期かな。すぐに婦人科の予約を入れよう」

など、悪化する前にスピーディな対応を自分でおこなえるようになります。

すると、コミュニケーションが円滑になり、チームワークも個人の働きやすさも高まっていきます。職場全体の雰囲気も次第に良くなり、副次的に生産性が向上することも想像に難くないのではないでしょうか?

健康知識をみんなで共有し、ヘルスリテラシーを職場全体であげていく取り組みが重要なのは、そうした理由からなのです。

今回、多くの女性管理職のみなさんとセミナーをご一緒したことで、「mezameをもっと知っていただいて、笑顔で働く女性を増やしていきたい」そんな気持ちがますます強くなりました。

■ 文/松岡澄江(まつおか・すみえ)
国家資格キャリアコンサルタント、研修講師


“mezame”は健康とキャリアの両輪で
はたらく女性を支えるプログラムです

さんぎょうい株式会社が提供する“mezame”は、産業保健師と国家資格キャリアコンサルタントがタッグを組み、

*女性の健康知識とキャリアプランニングの基礎研修
*ライフステージ別・職級別のオーダーメイド研修
*従業員個別のキャリア面談によるモチベーションアップ

をおこなうキャリアサポートプログラムです。
女性特有の周期的なからだの変化、年代やライフステージごとに変わっていく役割、体調、かかりやすい病気…。

ウィメンズ・ヘルスをふまえて“はたらく”を考えれば、女性従業員のパフォーマンスは今以上に向上し、女性自身もなりたい自分、叶えたい人生に近づくことができます。

女性活躍推進や健康経営施策としても最適なmezame。
経営者、人事・HRご担当のみなさん、ぜひ導入をご検討ください。

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