はじめて両国国技館で相撲を見に行く
朝、6:30に目が覚めた。
いける!今日の私ならいける!
そうして二度寝を決め込むもどうにか7:50分に家を出て自転車で颯爽と私は向かったのだ。その場所はずっといってみたかった両国国技館。
そう、今日の私は、ついに人生初の相撲を見るのだ。
人生で一度は相撲を生で見て見たいと思ったことはないだろうか。
私はある。それは穂村弘のエッセイ『現実入門』の話での「夢のマス席」から。「現実」を怖れ、逃げ続けてきた穂村弘が人生初のことに挑んでいくというものだ。以前読んだ本の中に穂村弘の『人生における経験値』リストというものもあったが、とにかく普通の人が経験したことあるであろうことをとにかく避けて生きてきたのだ。そんな彼のエッセイはいつも着眼点や感想が独特で好きだ。そんな彼も、相撲を生で見たのだ!しかもマス席で。
私は相撲のことは全くわからない。だけど、日本の昔からの伝統的な競技やエンタメとして興味はあるのだ。マス席だってよくわかってないのに憧れがある。四角いちょっと近い席でお弁当を食べながら見るのは迫力があって楽しそう。相撲の見方を知らなくても行って見たら楽しいに違いない。そんな私は今日思い立ったが吉日、相撲デビューするのだ。
さて、まずチケットの買い方。年末に検索したときは、1月場所のチケットはだいぶ売り切れていた。その時私は初めて知った。そうか!相撲って毎日してるわけじゃないんだ!!!!(そりゃそう)確かに1月場所とか3月場所とか言うもんね。そして、マス席って思ってた以上に高い。今回はひとりだし、初めてだし一番安い席でみよう。
「チケットはここでは買えません。あちらのセブンイレブンで当日券を発見してください」と会場で言われる。
なるほど!なんとかセブンイレブンで発券。2000円の席はなかったけれど3500円の席は今日だけ残っていた。明日から千秋楽までは全て売り切れだったのでよかった!どうにかチケットを手に入れ会場に進む。
何もわからないまま会場へ行く。太鼓の音が「トン、トトン、トン、トトン」わ〜・・!凄い!とても興奮する!
おー!これが国技館の雰囲気!!迫力があるし浮かれる。
相撲のことを点で知らない私、調べないままきたので、会場がどんな感じか、どんな風に楽しむのか、全く知らないまま来ている。朝なので人が少ない、どうやって見るのかな。何もわからないので、スタッフのお姉さんに、あの、今日初めてで、みなさんどうやって楽しんでいるのでしょうか…?と聞いたところ、
「相撲は朝の9:00〜18:00まで行われます。メインは15:00頃からなので、みなさん遅めに来る人が多いですね。一度入場したら、一度だけ再入場もできるので、他のお店に行ったり食べ物買って来て持ち込みもできますよ。席ではお酒や食べ物、お写真もOKです!お土産やお食事は10:00〜開くところがあったり、11:00〜ちゃんこも買えますからね!今なら人もいないのでマス席の方面まで歩いて観れますよ。楽しんで行ってくださいね!」
わ〜!お姉さん!親切にありがとうございます…!泣
私はお姉さんの優しさに救われながら、せっかくなので気合を入れて全相撲見て行くことにした。
それにしても、相撲というものは思っていた以上に神聖なものなのだと感じた。深くは知らないけれど、きっと神のもとで試合をしているのだろう。塩を撒いたり、儀式のような所作、行事さんがひと試合ずつ入れ替わり立ち替わり。とても美しい試合だと思った。朝にやっているのは「序の口」と呼ばれる段位の方々から。
さてさて、11時までみたのでそろそろ他のところも見てみよう!もらったパンフレットを見て行く。もう全部面白いんだよな。
まずは、お姉さんがオススメしてくれた一番人気「やきとり」をGET。地下1階には日本一の巨大焼き鳥工場があるとか。そして、お相撲といえば!ちゃんこ!今日はしょうゆ味でした。とっても美味!
そして角を曲がると「スイーツ親方の店」。スイーツの親方・・!?親方が甘いパンを売ってくれている。もうおもしろすぎて楽しくてパンも買ってしまった。今日の夜ご飯はスイーツ親方のいちごパンです。
こちらにはグッズ販売。私は今までグッズデザイナーをして来たのだけれど、ここで売ってるグッズはどれも最高!!!とてもシャレが効いててうまい!ちょっと欲しくなってしまった。とてもセンスがある。上手だね。相撲ってもしかして推し活&エンタメの最高峰なんじゃ・・・??なんでいままで知らなかったんだろう!新しい世界を見た。楽しすぎる。
天才の仕事である。これ力士さんたちも考えたのかな〜!最高!
それにしても、相撲って結構しっかりした印象だったのだけれど、競技場から廊下に出ると、一気に有明のオタクイベント感があって、なんだろう、とても肌馴染みがいい・・私、知っているこの空気、とてもホーム感がある。
グッズ屋さんや食べ物屋さんは、引退した親方たちが売っていて、お店を準備する間に声をかけて来るお客さんと朗らかに喋る風景、売っている間も楽しそうにご挨拶する風景。さながら、コミケのサークル主とお客さんの風景である。え、好き〜!あまりのあたたか幸せ空間にニッコリしてしまった。
12:30からは相撲博物館の展示がオープン。
横綱の回しや、行事さんのお祭りの神具などが見れる。神聖でよかった。
食べ物や博物館など楽しみながら、相撲も15:00頃を迎える。相撲では「十両・幕内・横綱」が一人前とされているそうだ。どんどん強い力士たち同士の試合になっていって試合の迫力が上がってくる。幕内土俵入りはとても圧巻でかっこよかった!とても好きだ。
幕内取り組みになってくると、試合に「懸賞」というのがかかってくる。試合をする前にぐるぐるとスポンサーの入った「懸賞旗」を掲げて回る。この広告の入った試合は一口7万円なのだそうだ。(力士さんはうち3万円らしい)これらは数日の場所中でどんどん積まれて行く。一瞬の試合のなかでこんな大きいお金が動いて行くのが凄い。調べたら年間懸賞金の最多は白鵬の6330万なのだとか。この緊張感のある試合を何本も勝ち続けてたんだなとびっくりしてしまう。
相撲は本当に一瞬で決まるスポーツで、そんな一瞬で面白いのだろうかと思っているところもあったが、見ているうちにこの一瞬で決まるまでの集中した試合、駆け引き、白黒つく感じが良いのだ!と思った。
そんなことを考えていたら、東京ドイツ村の懸賞旗がやってきて「千葉にあっても東京ドイツ村」とアナウンスが入って最後の方の試合なのにみんな笑いが起きてしまった。おもしろくてニッコリ。
最後は弓取り式というのが行われる。大相撲の本場所で結びの一番(最後の試合)の勝者に代わり作法を心得た力士が土俵上で弓を受け、勝者の舞を演ずることなのだそうだ。とても舞がしっかりしていて、かっこよかった!
朝の8時から18時までしっかり10時間見たのだが、本当に楽しかった!相撲そのものの楽しさ、そして、引退したお相撲さんやお客さんも作り上げる、さながらテーマパークのようなあらゆるおもてなし。ちょっと今まで見て来たエンタメの中でも圧倒的だったんじゃないかな!これはファンがつくな〜。自分が思っているよりも、ずっと面白いコンテンツだったし、全員が相撲って楽しいんだよ!って思いながらお仕事したり楽しんでる姿がとても良くて、とても勉強になった気持ちになった。
大大大満足です!お相撲興味をもてるいい機会になった!
最安値だと2000円でチケット買えるので、何も知識のない人もぜひ試しに行って見て欲しい!そこには知らない楽しい世界がある。また一つ世界の見え方が変わった1日だった。
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