シェイクスピアって小説じゃないの!?まだ読めていない人への入門ブックリスト
いつか、シェイクスピアを読もうと思っている、
でも、なかなか読めていない、
という方は多いのではないでしょうか。
そこで、
わたしが シェイクスピアしったか になった方法を、
提案したいと思います。
わたしは、この方法で、ほとんどのシェイクスピア作品をしったかしました。
この記事の導入として、
もよければご覧ください。
イントロ 傾向と対策
書店で見掛けるこの表紙。
新潮文庫のシェイクスピア作品の表紙ってカッコイイんですよね。
しかし、本を開くと!
セリフばかり?
わたしは戯曲が苦手です!!
できるなら、小説で読みたい。
そこで、その1の方法
できる限り小説(二次創作)で知る。
それから気に入った作品のオリジナル(原作戯曲)へと進む。
を使います。
つまり、
親しみやすい媒体から入り、
最終的に原作戯曲に進み「シェイクスピアはそう書いていたんだ」、
という戦略を取ります。
その2の方法。
四大悲劇(ハムレット、リア王、オセロー、マクベス)
そして、ロミオとジュリエット
からシェイクスピアに入らない。
こちらは名だたる代表作ともあって、やはり面白んです。
一旦、別の作品でシェイクスピア慣れをしてから、
これら代表作に向き合ったほうがオトクです。
まずオススメするのは、コチラなんです。
十二夜
惚れ惚れられ、そんな中、男装して惚れられ、男装を解いても即惚れされる、ヴァイオラ無双。
夏の夜の夢
ドタバタ恋愛劇、妖精さんもたくさん出るよ!
ヴェニスの商人
夫を救いたい妻が男装して挑む裁判劇、夫はなぜ妻の男装を気づかない? はシェイクスピアのお約束。
以下で紹介していきますが、まずはこの3作品をターゲットに見てみてください。
まず見てみる、読んでみる、Youtubeと絵本、児童書
困った時のYoutube、そして絵本です。
まずは、お気軽に手を出し、それから1話切りするかどうか判定します。
YouTube
Youtube: 【これでわかる 真夏の夜の夢】by Dark san channel
見ドコロがコンパクトにまとまっており、この動画を見れば、シェイクスピアへの敷居が下がるはずです。シェイクスピアの作品は絵画のテーマにも多く用いられています。これについても触れられています。
絵本
あらすじだけではなく、ストーリーを楽しみたい、そんなときは絵本です。こちら、絵本といってもどちらかというと読む絵本です。
とにかく美麗なイラスト、訳も読みやすい。ものすごくおすすめです。
わたしはこの本に出会えなかったら、シェイクスピアを読んでいなかったかもしれません。
収録作品
夏の夜の夢 / ヘンリー五世 / ロミオとジュリエット / マクベス / アントニーとクレオパトラ / 十二夜 / ハムレット / あらし
シェイクスピアっておもしろい! シリーズ, 著: ロイス バーデット, 翻訳: 鈴木扶佐子
児童向けにわかりやすく書かれており、こちらも読みやすい絵本です。また、対訳(英語と日本語)が載っており、英語の勉強としても使えます。※シェイクスピアの原文ではありません。
「あらし」は「テンペスト」と表記されることがあります。
テンペストといえば、ベートーヴェンのピアノソナタ第17番(ニ短調 op.31)があります。ベートーヴェンが「(この曲を理解するには)シェイクスピアの『テンペスト』を読め」と言ったらしいことから、このピアノソナタは「テンペスト」と呼ばれるようになったらしいです。実際のところ、このピアノソナタからシェイクスピア”テンペスト”を思い描くのは難しいです。
絵画
note記事「シェイクスピアしったか"のための予備知識」でも解説しています。
シェイクスピアの作品は多くの画家によって描かれてきました。この本では、シェイクスピアのほとんど作品から、関連する名画を取り上げられています。それら絵画を、ネットでも探すことができますが、こちらの本を利用したほうが手っ取り早いです。
シェイクスピアの挿絵といえば、
アーサー・ラッカム(Arthur Rackham)です。
挿絵がアーサー・ラッカムによる美麗本もあります。
文はオリジナルの翻訳(一部抄訳)です。
新訳 夏の夜の夢 翻訳: 井村君江 レベル出版 (大型本)
新訳 テンペスト 翻訳: 井村君江 レベル出版 (大型本)
児童書 おすすめ!
斉藤洋 物語で読むシェイクスピア(静山社ペガサス文庫)
この方、有名な児童書作家さんらしいです。かなりの数の作品を書かれていて、古典作品のリライト作品も多く手掛けられています。「物語で読むシェイクスピア」シリーズでは、現代人にとってわかりやすいようにアレンジが加えられ、古典文学に特有のぎこちなさが皆無です。大人が読んでも読み応えあります。風刺めいた後味は、ある意味でシェイクスピアの真打ちかもしれません。オリジナルよりも面白いのではないでしょうか。
いずれも、エンタメ小説として面白く、ほんとにおすすめです。
残念ながら、斉藤洋のシェイクスピア作品は5作品しかないんです。
この時点で、復習を兼ねて、各々の作品の映画版を見るのもいいかもしれません。
そして、つぎに
なんと挿絵が里中満智子さんです。
小田島雄志先生はシェイクスピア作品の全作品翻訳で知られる英文学者です。信頼のおけるリライトがなされています。このシリーズを読んで、オセローってそういうことだったのと、初めてわかりました。
これで有名作品をほぼ制覇できました。
10作品完了です!!
ここからは、
『シェイクスピア物語』に進みます。
※ リライト 執筆者以外の者が文章を書き直すこと、
有名なリライト版に
チャールズ ラム,&メアリ ラム(ラム姉弟)『シェイクスピア物語』
(Tales from Shakespeare,1807)
があります。
1807年といえば、翌1808年にフェートン号事件が起きています。
まだ江戸時代です。
夏目漱石はもちろん生まれていません。
オースティン「高慢と偏見」が1813年です。
そのころの作品だということを念頭に入れてください。
この『シェイクスピア物語』ではシェイクスピア作品から20作品ピックアップされ、小説風にアレンジされています。いくつか翻訳が出版されています。
厨川圭子 訳 偕成社文庫 シェイクスピア物語 上 下
訳が読みにくいかも。
松本恵子 訳 新潮文庫 シェイクスピア物語
12作品のみ
矢川澄子 訳 岩波少年文庫 シェイクスピア物語
11作品のみ
岩波文庫 シェイクスピア物語 上 下 安藤貞雄訳
安藤貞雄先生は言語学者・英語学者です。しかし、訳文が硬いです。まさに英訳文(英文和訳ぽい、文の最後でやっと被修飾語がわかる和文的には倒置された日本語)という感じです。それでも、いちばん許容できる翻訳です。こちらで読まれるのをオススメします。
上巻:
あらし(テンペスト)/真夏の夜の夢/冬物語/から騒ぎ/お気に召すまま/ベローナの二紳士/ベニスの商人/シンベリーン/リア王/マクベス
下巻
終わりよければすべてよし/じゃじゃ馬ならし/間違いの喜劇/しっぺい返し/十二夜/アテネのタイモン/ロメオとジュリエット/ハムレット/オセロー/ペリクリーズ
また、ラム姉弟以外のリライト版翻訳として
金原先生は、多く翻訳を手掛けていますが、こちらの翻訳はかなりぎこちない。「子供に買い与えたとして、その子が挫折しても子供に責はなく、親でさえ挫折するでしょう」レベルです。
ということで、岩波文庫 「シェイクスピア物語」で未読の作品へと進みます。
岩波文庫 「シェイクスピア物語 上 下 安藤貞雄訳」を終えると、
20作品 制覇 です!!
(すこし辛いかもしれません。未読の作品だけでいいですよ)
このあとは
原作戯曲を読むもあり
未読の史劇に進むもあり
映画もあり
演劇を観劇もあり
長くなりましたので、また今度書きます。
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