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遅れてきた反抗期

私は学生時代、反抗期がなかった。
親や先生の期待していることを読み取り、それを実行することが最優先事項だったからだ。

高校生の時に部活で遅くなった日があった。
当時は母に送り迎えしてもらっていたけど、母は遅刻や遅くなることが大嫌いな人なので、帰りの車内で酷く怒られたことがある。

でも、私の最優先事項は期待通りに動くこと、相手の機嫌を損ねないことだったので、そういう時は無言を貫き、ひたすら我慢するという選択肢を取った。
というか、なんでこうなったのか理由を説明することすら口答えに感じられて、そうするしか無かった。

だから、誰かの怒りや怒られていると感じるシチュエーションに対峙した時の対処方法が分からない。
学生の時のように口をつぐんでも、感情が全部顔に出てしまう方なので、残念ながら相手には伝わってしまっているのだが。


大学生の時にアパレルでアルバイトをしていた時に、店長と副店長から「注意した時にムスッとしたその表情をするのをやめてください」と言われたことがある。
もはや怒られ慣れていない当時の私は、「怒られてるのに笑顔になれるわけないだろ」とさらに激昂したのだが、この経験でやっと怒りへの対処法を知った。

店長は何かあるたびに「ありがとうございます」を強要する人だったので、それからは注意される度に「すみません、ありがとうございます」と言うようにした。
心の中では感謝のかの字もなかったのだけど、表向きは ""注意されたことに感謝して、ちゃんと反省している"" 風を装えた。

でも、そうしているうちに 注意される=怒られる=人格否定だと思っていた自分の認識が変わった。
「ありがとうございます」と言っているうちに、注意されることはありがたいことだと思い込み始めたからだ。
実際に、自分に(最低限の)期待をしているから注意されるのであって、注意されなくなったら終わりだよなとちゃんと理解できた。

何より、注意されて生意気な態度を取って、さらに相手が怒り、店内の雰囲気が悪くなることは避けたかった。店長はお客さまがいる前でも大きい声で怒る人だったので、この場を早く収束させなければという防衛本能が働いたのもある。


そして今、またこの怒りへの対処に悩まされている。
接客と店舗運営を学ぶために新しい仕事を始めたものの、営業経験があるからと現在は営業にも回されている。
会社からしたら都合が良いと思っているだろうし、それは納得できるのだが、営業が苦手(身体に影響が出る程度)なのに、勝手に営業に回されるなんて勘弁してほしい。それを断れない自分も悪いのだけど。

残念ながらバリバリ仕事ができる人間ではないので、営業をしていると今までの仕事に割く時間がなくなる。それは他の社員も同じなようで、メインの業務を片手間でやるしかなかったことで、クレームが入るほどの大きなミスが起きてしまった。

それについて、スタッフ全員で反省会をした時のこと。お客さまの気持ちを鑑みて自分の意見を話していると、社長に「そこまで考えるのは無駄」と言われた。
その瞬間、私の心のシャッターが降りた。ほんと、その一言で。

「そうでしたか、貴重なご意見ありがとうございます」と言えればよかったものの、アパレルを辞めて3年経った今、魔法の言葉「ありがとうございます」をすっかり忘れてしまっていた。

この時に気づいたのが、""自分の怒り""への対処法も分かっていないということ。
黙りこくってハイしか言わないbotになってしまうこと。
最近母や姉に対しても、少しのことでイラッとして部屋に籠もってしまうこと。


これ、遅れてきた反抗期では?

もちろん社会人としてしょーもない、でも重大な欠点であることは承知している。直そうと反省もしているが、なんでか最近やけに反抗心が強い。
そんな時に見つけたこちらのツイートとそれについたリプライ

今は、自我が確立するのは社会に出てから、年齢でいうと25〜35歳くらいだと言われています。
「自分で決めた」と思っていたことが、実は「親の価値観に沿った判断だった」と気づいてからが、自我の確立の始まり。

これを見てハッとした。
私って、もはや思春期すら来ていなかったのでは?

しかも、今まで母と言い合いになったことや結論にたどり着くまで話し合ったことがあまりない。
何か言っても「もういいよ、私(母)が悪いんでしょ」というオチになるし、それ以上長引かせたくない気持ちの方が勝っていた。
話し合いすら出来ないから、諦めて心を閉ざしてその場をやりすごしていた。

だから誰かに怒りを覚えた時に冷ややかな態度を取って、言葉で解決しようとしていなかったのか。そういう解決をしたことがなかったから。

普通の学生なら、部活で喧嘩したりしてお互いに話しあって解決するという絆を深めるイベントがあったかもしれない。
だけど、私はその時から""心を閉ざす戦法""を取っていたから、社会に出た今、やっとそのイベントに直面しているのか。だから友達が少ないのか(納得)

どうやら、遅れてきた思春期の真っ最中にいるから、言葉での解決方法を履修しているところなのかもしれない。


いつもnoteを書くときは ""わたしの成長日記"" みたいな内容になってしまうのだけど、同じ経験をしている人がいるのかもしれないし、自分の心の動きを記しておきたいと思って、恥をしのんで書いている。

思春期が遅れてやってくるツイートに8.6万(7/25 18:00現在)もいいねがついているのを見ると、25〜35歳で同じく思春期やってる人がいるんじゃないかと思えてくる。

もはや ""いいね"" の基準ってなんだろうなと思っている節もあるのだけど、それはまたnoteに書くとして。

すでに思春期や反抗期を経験した人からすれば、ほとほと呆れるような内容だったかもしれない。
だけど、これから自我を確立していく私たちにとっては、これからが大事な時期なので、どうか温かく見守ってやってほしい。
もちろん怒るのもいいけど、それを解決するまでちゃんと付き合ってほしい。

すみませんが、どうぞよろしくお願いします。

ありがとうございます。


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