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そうだ、誕生月だからサーティワンに行こう

先日誕生日を迎えた。当日は私だけハイテンションで、時間になると母に「生まれた!」と冗談を言ったり「ねえねえ、何かちょうだい」などと催促していた。毎年のことなので母は冷たい視線を向けてきたが、なんだかんだで買い物のついでにシフォンケーキを買ってきてくれたので一緒に食べたりもした。

まあそういった自分からの積極的な誕生日であったわけで、要するに他の人からは自発的に何かしてもらったわけではない。学生時代などは友達同士でちゃんと示し合わせてプレゼント交換をしていた時期もあったが、社会人になってお互いに忙しくなるとそれも難しくなっていった。このあたりは仕方がないと思う。それぞれ自分の人生があるのだから。みんな他にもっと大切にしたいものが増えていく。


そんな若干の寂しさを抱えつつ、数日後に私はとあるお店に向かっていた。アイスクリーム店のサーティワンだ。アプリを登録して1年目に誕生日のクーポンとして無料でレギュラーサイズのアイスを食べられるというサービスがあり、それにどうにか間に合うように行かなくてはと気合を入れていた。私にとって企業からのこういったお祝いサービスは毎年の楽しみの一つだ。

いつもの通り大好物のフレーバーを注文すると、スマホを店員さんに見せて「クーポンを使いたいんです」と言った。すると目の前にいた男性店員さんはぱっと満面の笑みを浮かべて「おめでとうございます!」と言ってくれたのだ。

完全なサプライズだった。


いや、よく考えてみれば誕生日クーポンを使うのだからそうなるのだろうとはわかる。それでも私としては全く期待していなかったわけで、いきなり向けられた祝福の言葉に驚いて何とか「ありがとうございます…」と返すことくらいしかできなかった。

だけどだんだん気持ちがこみあげてきて、胸のあたりがほんのりと温かくなった。レジの女性店員さんにも同じことを言ってもらい、さらに喜びが爆発した。もちろん注文したアイスも最高においしく頂いた。帰ってからすぐに渡されたアンケートページに飛び、とても感動したことを備考欄に書いてきた。本当に本当に嬉しかったのだ。

この少しだけ遠出しないといけないサーティワンにはまた行きたいと思う。今度はダブルにしてちょっと奮発しようかな、なんて考えたりしながら。


今日も私は感じのいい店員さんに出会うと笑顔で「ありがとうございました」と返す。私自身が接客業をしていたことがあり、そういったポジティブな反応があるとやりがいを感じると知っているからだ。自分から積極的になるだけではなく、受け身でいる場所ではちゃんと返していく。これからもそんなスタンスで生きていきたいと思った経験だった。

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