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地鎮祭とホットドック

あれ?こんなところに土地がある!と見つけて、お金をかき集めて購入してから一年たった。
まだ現役で働いているので、ゆっくり作る方がお金も溜まるし、じっくり考えることができる。でもゆっくり過ぎると住む年数が少なくなっていく。

実は結婚している時も家を作った。妊娠中でつわりがひどくて思考能力もなかったし、あれこれ希望を言ったのはキッチンと間取りくらいなもので、ほぼ元だんなさんが決めたので覚えていない。

今回は娘の意見は聞くけれど、ほぼ自分で決めなくてはならない。いや、自分で決められるのだ!
芸大生時代にインテリアデザインの成績が悪かったし、インテリアコーディネーターの試験にも落ちている私が、果たしてかっこいいお家を建てることができるのだろうか? でもここは奈良の中でも建築基準が一番厳しい場所なので、その中で希望の形と擦り合わせていくと必然的に形が出来上がっていく。
「これはダメ!あれもダメ!」と指摘されて修正を重ねてやっと8月末に審査が通った。そしてやっと地鎮祭をする日がやって来た。

定休日の中で「いい日」を選んだのが9月4日の月曜日だった。ひとつ前の記事で書いたけど、その日は終わりと始まりの日みたいな日になった。前日は営業日だったので全くそのことについては考える隙間がなく、仕事終わりに泳ぎに行ったあとに、「さてと、神主さんに渡すお金はどうしたらいいんだっけ?」焦り出した。そして祝い袋を買いに東急ハンズへ行き、筆ペンでたどたどしく名前を書いた。あれ?帛紗はどこにあったっけ? 近頃は不幸ごとにしか使っていないから、お祝い用のがない!ゴソゴソやっていたら引き出しの奥から20代の頃に遊び半分で習っていたお茶のお稽古の朱色の帛紗があったから、「これでいいや。誰も見てないし!」と使うことにした。結果、なんとかなった。

塩とお酒を四方にまいてから儀式が始まった。「もしかして私が主役やん!何したらええねんやろ?」と不安だったけど、教えてもらいつつ、榊をお供えしたり、鎮め物を埋めるために「えいや!」と盛砂に鋤でかき分けた。
鎮め者とは、「人形、盾、矛、小刀子、長刀子、鏡、水玉」が入っていて実際の土地の中央に埋めるもの。神主さんの顔に紙吹雪のかけらがずっとついているのに気がついて、「ここは笑ってはいけない!」と収めつつ、記念撮影をして終了した。

終わったらまたいつものいい風が吹いた。

そのあと、サブレを持って近所に挨拶に回った。みなさんとてもいい人ばかりでよかった。近所のTOMOSHIKIさん(服と雑貨のお店)は定休日に駐車場を使わせてくれるし、斜め向かいにはfangleの多恵ちゃん家も住んでいるから心強い。

帰宅してホットドッグを食べながら「いろいろあるけど、方向は決まってる。快適生活を目指してコツコツやっていこう」と思った。

鎮め物


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