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うま味のはなし

今回も調味料とは少し離れた話になるかもしれませんが、うま味ということについて取り上げてみたいと思います。

私が昔学校で習った味についての話では、味の基本は甘味、酸味、苦味、塩味、この4つだったと記憶しています。それがいつの間にか増えていた(?)という事なのですが、その前にもっと大事な話を見つけました。「旨味」と「うま味」は、実は別のものだという事らしいです。漢字とひらがなの違いだけでは済まないような、大きな意味を含んでいるのだとか。

あるサイトの記事によれば、「うま味」とは科学的な視点から捉えた、特定の物質の味の事なのだとか。それに対して「旨味」とは、感覚的なおいしさの度合いを表す言葉で、「旨み」といった表記も同じ意味になるという事でした。そこには最初に「よく誤解されやすいのですが、・・・」と書かれていましたが、そりゃ誤解だってするでしょう。音読すれば全く同じなのですから。

さて、うま味または旨味を味として捉えるとき、その味をうまいと思う人たちにとっては馴染みのある味という事なのですが、時として違う地域で暮らす人にとっては「なんとも表現しにくい味」という事になるかもしれません。といっても不味いわけではなくて、慣れ親しんでいる味ではないので判断しづらいんだろうと個人的には考えているんですが、皆さんはどう思いますか。

こういった場合は、その地域の食文化や歴史的な背景なども含めた考察が必要になるかと思いますが、味を構成する要素として考えてみると、「基本の味」かそれ以外の味に分けることができます。基本の味は舌の味蕾という味を感じ取るセンサーを介して受け取るということが分かっています。脳に伝達する神経の応答についても、それぞれが分離するという特徴があるのだそうで、それが定義となって基本の4つの味が決められたという経緯があるようです。そして、この定義に合致しない味は「それ以外」といった分け方にされるのだとか。ちなみにどんな味があるのかというと、辛味や渋味、えぐ味といったものが該当します。

それじゃうま味はどっちの分類になるのかという話になるのですが、様々な研究の結果。基本の味のひとつとしての位置が確立しました。そして今では世界的にも「UMAMI」として、それも公的に通用する用語として定着しているのだとか。

この場合のうま味とは、「グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸の単体、または混合して得られる味に対する応答」ということが定義になっています。ですから、この場合は「うま味」であって「旨味」ではないんですね。

それでは、なぜ国際的に「UMAMI」で通用するのかというと、これはなんと日本人が発見したものだからだそうです。そして、こういったところから開発された調味料のことを「うま味調味料」と表現します。その成分は先に挙げた3つの物質から成り立っていることも分かります。

したがって、基本の味として5番目に表記する場合は「うま味」の表記が正解ということになるんですね。それにしても、日本人って結構食いしんぼ?


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