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Book/Film Reviews

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書評集
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2023年9月の記事一覧

[書評]アシュター・保江対談(テンプル騎士団の注を付記)

オリオン大戦の因果がここにも 一言で要約すれば、シリウスの側から地球人に伝えたい内容を盛込んだ本。したがって、今はシリウスと良好な関係にあるリラについても本当は〈嘘の達人〉であると断じている(231頁)。 このような内容から察せられる通り、従来の保江氏の著作とはトーンも細部も異なる。実際、本書は保江氏の著作とは言えない。奥付には〈ライティング・編集——江國まゆ〉と明記してある。発言の分量も、保江氏は全体の3割ほどだろうか。残りはすべてアシュター(シリウス宇宙連合司令官)/

[書評]ピロリーヌ近著

愛の感覚が地球に平和をもたらす 日本語オリジナルでオリオン大戦とその地球への関りを述べた初めての本ではないかと思われる。 本の趣旨としては、読者の魂の旅について、その出身、使命、目的などを解き明かす助けを提供するというものだ。 人気ブログ「ピロ魂」で日々かたられる数々のエピソードを通じて垣間見える魂の旅への言及に、体系的な視野を与える点で、貴重な本だ。 * 一見すると、星占いの本などのように、自分に影響のある星別に分類された記述を集めた本のように見える。そういう面は

[書評]内藤裕二監修の近著

腸内フローラを健康に保つことは心身の健康につながる 腸内フローラを健康に保つことが体の健康・心の健康・健康長寿につながるというテーマが一貫して追求され、そのための実践的アドバイスに満ちた本だ。 内藤裕二監修の本で、そのアドバイスを元に、実際の執筆は編集集団がおこなったのだろう。 読みやすいといえば読みやすいし、多くは見開き2ページ単位の記事が集められている。 しかし、ある主旨を一貫した文章で叙述したような書物を期待すると、肩透かしをくらうかもしれない。読後感は、ブログ

[書評]空海・龍馬とユダ、復活させたり

著者のインスピレーションが横溢する 全編に著者のインスピレーションが横溢した本だ。 この本で、著者の別の本(『我が名はヨシュア』)から始まった、評者の探求の旅は完結をむかえた。 我が名はヨシュア→光のラブソング→ユダの福音書→本書 結論からいえば、この順序で読まなければ分らなかったであろうことが分った。 ふつうの聖書に現れるイエスとは違う、イェシュアとしての存在に関心があった評者は、『我が名はヨシュア』でユダという新しい角度を知り、『光のラブソング』でユダとの関係の

[書評]ユダの福音書

『ユダの福音書』を現代によみがえらせた最初の出版物 メアリー・スパロウダンサー著『光のラブソング』が〈教師〉の存在との遭遇体験をすべて描いた本ながら、教わったユダの秘密だけは書いてなかった。同書に収録された「ユダの福音書 バルベーローと長年の秘密」でその一端は示唆されるが、さらに深く知りたい読者は、そこで言及されていた本書『原典 ユダの福音書』を読むのが筋だろう。 ただし、本書はそこで言及された米国版 The Gospel of Judas の英語訳を日本語に訳したもので

[書評]光のラブソング

この本に出会えた幸運をかみしめている。 著者は米国人女性。タイトルが『光のラブソング』とあり、それだけでは私の目にとまる可能性はほとんどゼロだった。この本が出ていることも知らなかった。 きっかけは2023年5月に『我が名はヨシュア』を読んだことにある。読み終わったときに、この方面で次に何を読むべきかと真剣に考えさせる内容の本だった。 途方に暮れつつ、ふと、同書の巻末の書籍広告を見ていたら、『光のラブソング』があった。同じ明窓出版から出ている本だから、編集者がこれと判断し