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【Web文章構成】PREP法とSDS法の使い分け/例文(メリット・デメリット)

「書くことが苦手」
「『何が言いたいのかよくわからない』と言われる」

こういった悩みを抱えている人は少なくないと思います。
日本人のほぼすべてが論理的な文章を書くことができません。

なぜか?

日本では、論理的な文章を書くための書き方を学校教育で十分に指導しませんし、Webライティングにいたっては指導しないからです。

新課程国語の教科書では従来よりも指導されるようになりました。
ただ、新課程でもWebライティングに関しては全く習いません。

学んでいないため、特にWeb上においては論理的に書ける人が少ないのです。

ここでは、誰でも簡単にわかりやすい文章を書くことができる、Webに適した代表的な文章の型PREP法(プレップ法)とSDS法(エスディーエス法)について学びましょう。

■ この記事を書いている人
Webコンサルタントで、大学の非常勤講師。
大学ではWebライティングの講義を受け持っています。

プロフィール(2023年2月更新)

1. PREP法はプレゼンテーションにも使える

PREP法
(読み方 プレップ法)

PREP法は、論理的で、分かりやすく、説得力のある構成です。

Webライティング以外にも、面接試験やプレゼンテーション等、話すシーンにおいても活用することができます。
Webライティングの型として最も有名です。

1 結論(Point)
2 理由(Reason)
3 具体例(Example)
4 結論(Point)

PREP法は、主張したい結論を最初に提示し、最後にもう一度強調する文章の型です。

結論を先に語ることで力強さが生まれます。

ユーザは結論を最初に提示されることにより、理由、具体例を説明されている間、「だからこういう結論に至るのか」と理解しながら読み、最後にもう一度結論を述べられることにより、納得することができます。

PREP法は、短時間で伝えることができるというメリットもあります。

最初に結論を伝えるためです。

▶理由や具体例を先に述べるとどうなるか?

その間ユーザは何が言いたいのか分からない状態で読むことになり、「私が知りたいことはここにない」と判断されて、ページからすぐ離脱されてしまいます。

Webユーザは早く知りたいので、早く知らせた上で、より詳しく知りたい人に続きを読んでもらうとよいでしょう。

▶先に結論を述べてしまうと続きが読んでもらえないのではないか?

Webでは、先に結論を述べないほうが読んでもらえません。
先に結論を伝えるからこそ読んでもらえるのです。

なぜかといいますと、結論を最初に言われると、人はその結論に対する「理由」を知りたいと思うからです。

一言で結論だけ言われると「本当にそうなのか?」と思い、気になりますよね。
「なぜ?」「根拠は?」と知りたくなります。

先に結論を伝えた上で、理由、具体例を述べて、最後にまた結論を伝えましょう。

▼PREP法の例文

1 結論(Point)
私が最近よく利用しているアプリはXMindです。
2 理由(Reason)
XMindは頭の中を整理整頓してすっきりさせてくれるので重宝しています。
3 具体例(Example)
執筆するときの企画案や構成づくりによく活用しています。
イベントのスケジューリングに使用したこともありました。
今日やることリストを作るために利用している時もあります。
4 結論(Point)
このように、日常生活において頭の中を整理整頓したい時に活用できるので、XMindをよく利用しています。

2. SDS法はスピーチにも使える

SDS法
(読み方 エスディーエス法)
 

SDS法は事実を分かりやすく伝えることに適した構成です。

話すシーンにおいても、大勢の前でスピーチをする時等、じっくり聴いてもらいたい時に活用できます。

一般的に広く様々なシーンにおいて利用できる型です。

SDS法は事実を分かりやすく伝えることに適した構成です。

話すシーンにおいても、大勢の前でスピーチをする時等、じっくり聴いてもらいたい時に活用できます。

一般的に広く様々なシーンにおいて利用できる型です。

1 概要(Summary)
2 詳細(Detail)
3 まとめ(Summary)

SDS法とPREP法の共通点は、「概要」と「まとめ」で最初と最後同じことを繰り返す点です。

異なる点は、PREP法は「結論」を伝えるのに対し、SDS法は「詳細」を伝える点です。

  • PREP法で伝えたいこと 「結論」

  • SDS法で伝えたいこと 「詳細」

PREP法では「結論」を理解してもらうために、「理由」「具体例」を挙げて説明します。

一方、SDS法では、話の内容そのものである「詳細」を伝えます。

話全体を読んでもらいたい時はSDS法が適しています。
SDS法はテレビのニュース番組で利用されています。

▼SDS法の例文

1 概要(Summary)
天気は、晴天から一転、梅雨空になります。
2 詳細(Detail)
明日までは全国的に晴れの予想が続き、大阪や福岡など主要都市でも30℃以上の真夏日となる見込みです。

ただ、11日(金)になると梅雨前線が徐々に北上して本州付近に近づくため、西から雲が広がりやすくなり、九州を中心に雨が降る予想です。

梅雨の中休みだった西日本や東海もゆっくりと梅雨空が戻ります。
3 まとめ(Summary)
晴天続きでしたが、今後ゆっくりと梅雨空に戻ります。寒暖差にご注意ください。

(※Yahoo!ニュース週間天気2021/6/9をもとに筆者編集。)

3. PREP法とSDS法の共通点

Webライティングでは、PREP法、SDS法にそって書くと書きやすいです。

Webに適した文章の型はこの他にも様々ありますが、共通している点が一つあります。
それは、最初と最後を同じ内容にすることです。

先に文章の大枠である結論を伝えた上で、細かいことを述べて、最後にまた大枠である結論を伝え締めくくるようにしましょう。

縛られすぎる必要はありませんが、参考にしましょう。

4. PREP法とSDS法の使い分け

SDS法は一般的に広く利用できる型ですが、PREP法は説得力を持たせる伝え方のため、使用できるシーンが限られています。

・PREP法のデメリット
PREP法は解説文やプレゼンテーションには適していますが、一般的な文章に使用すると、きつい印象を与えてしまう場合があります。
ユーザを説得しようとするためです。

文章全体が解説文であれば全体をPREP法で書くと分かりやすいですが、そうではない場合は解説が必要な章(段落)のみPREP法で書くとよいでしょう。

・SDS法のデメリット
SDS法はシンプルで分かりやすいため、情報を伝えることに適しています。その分、情報を伝えるだけのため押しが弱いです。

ユーザに何か行動を起こさせたい時や納得させたい時にはPREP法を使うとよいでしょう。

5. Webの文章は読まれないことを前提として書く

書籍は最初から最後までまともに向き合って読まれる傾向にあります。

Webの文章は、まともに読んでくれる人はほぼいません
プレゼンやスピーチ等でもその場にいる人が聞いてくれるとは限りません。
むしろ聞いてもらえない、まともに聞かれないと思ったほうがよいです。

そこで、注目させるためにPREP法やSDS法を使います。

Webの文章は強めに書いてようやく普通に読まれます

流し読みされますので、終始一貫した主張を論理立ててハキハキと伝えるとよいでしょう。

もちろん、Web小説や物語等、話の流れそのものを楽しむ場合は、Webでもまともに読まれます。
ストーリーを楽しむ内容であれば、結論は先にこないほうがよいです。
ネタバレになってしまうからです。

ただ一般的には、情報を「知る」目的で閲覧されますので、情報を分かりやすく的確に伝えるPREP法やSDS法が適しているのです。

6. まとめ

Webライティングに適した文章の型を2つ紹介しました。

<PREP法>
1 結論(Point)
2 理由(Reason)
3 具体例(Example)
4 結論(Point)

解説文やプレゼンに使える。論理的で分かりやすく短時間で伝えられるメリットがある。

<SDS法>
1 概要(Summary)
2 詳細(Detail)
3 まとめ(Summary)

シンプルに情報を伝えたい時に使える。スピーチにも有効。

▶PREP法とSDS法の使い分け

  • PREP法
    ユーザに何か行動を起こさせたい時や納得させたい時に効果的。

  • SDS法
    広く一般的に様々なシーンに用いられる。
    ただし、説得したい時には向かない。

PREP法やSDS法にとらわれすぎる必要はありませんが、早くわかりやすく書けるので意識して使ってみてはどうでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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