「日本人女性はパートナーの不倫は当たり前だと思ってるの？！」と焦り気味で電話してきた、太陽君（彼の愛称）。どうやらオランダ人の同僚たちと、日本の風俗や不倫文化、セックスレスの現状と電車での痴漢問題など、いろいろ議論していたらしい。その中で一番物議をかもしたのが、以下の記事である。

「なぜ日本の84%の女性は不倫・浮気を健康的だと思っているのか？」というショッキングな題名の記事である。西洋文化圏出身である外国人記者が、「不可解な」日本の不倫文化について、現状とその社会的背景の説明を試みている。ざっくり要約すると、結婚して子供が生まれたあとの夫婦間では、セックスレスに陥ることが多々あり、その解決策としての婚外交渉がある意味、暗黙の了解的に認められるている、とのことである。

そこで、オランダ人の同僚と太陽君が行き着いた結論が、「日本人女性と結婚して子供が生まれたら、その後の性生活はないようだ！」ということだったらしい。だから、太陽君は、真偽を確かめるべく、焦って私に電話してきた。

84%とか、そんな話初耳だし、この類のアンケート自体、限られた数の人を対象にしか行われていないわけで、その結果を一般論に反映するのは少々乱暴ではないかというのが私の印象である。（だって私はこのアンケート受けてないし）

この、いわゆる西洋社会から見た日本の不倫文化分析では、夫婦関係が冷めてしまったが、離婚するのは子供のためにも金銭的にも避けたいがため、婚外交渉を選ぶに至っている、と説明されている。

そもそも、なぜ夫婦関係は冷めてしまうのか？私も気になったので、私の周りの友達にも聞いてみた。恋愛結婚して子供ができてから関係が冷めてしまうとしたら、それは育児と家事の分担がうまくいっていないことに起因するのでは、という話になった。それで、パートナーが浮気や不倫をしたところで、それはもうあきらめの境地に達しているから、外から見たら「浮気を許している」ように見えるのかもしれない。

もちろん他にも原因はたくさんあるだろうけど、結婚前のアラサーたちが考えられるのはこの程度。

そこで太陽君に以下の質問をしてみた。

• パートナーが病気になったら、仕事を休んで、子供の世話や看病ができますか？

• 家事の分担に納得してますか？

• パートナーの作ってくれた手料理に感謝していますか？

• お互いのキャリアを尊重してますか？

「えーあたりまえだよ」と言ってくれたので、「じゃあもう、子供ができた後の性生活とか要らんこと心配しなくていいよ」と言っておいた。

他にも、太陽君とオランダ人の同僚たちは「日本人は働きすぎて、夫婦の時間がないから、電車の中とか風俗で性欲を発散するんでしょ？」という話をしていたらしい。まったく間違ってはいないんだろうけど、ここまで言われるとさすがにむなしくなる、、、。なにより、アラサーの男たちが、日本から遠く離れたオランダの地で、職場のお昼休憩中に、日本人抜きで日本のセックスレス社会を論じていた、と考えるとなんとも言えない複雑な心境である。