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書評「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」

こんばんは。Mickey★です。
久々の投稿です。

営業のマネージャーとして売上や粗利に責任をもつ立場となり、営業目線での戦略、戦術を考えなければいけないのですが、圧倒的に未来の数字が足りないので、急いで来年度の予算取得活動をしなければという状況です。
そして、新組織になったことにより、既に問題も発生しつつあります。
先々の戦い方を知りたいと思い、USJをV字回復させた森岡さんのマーケティング本を読みました。


この本をオススメしたい人

1.マーケティングを実践的に活用したい人
2.数字が好きな人
3.管理職の人

USJが成功した理由

森岡さんと言えば、ジェットコースターを逆に走らせる等の様々な施策やハリーポッターの建設で450億という巨額投資を成功させ、USJの経営をV字回復させたマーケターとして有名です。そして、2010年の年間来場者数750万人を2016年には1460万人と6年で2倍の集客となっています。
私は、USJが成功したのはハリーポッターがヒットしたことだと思っていたのですが、実情は全然違っていました。
USJは関西地区にあるテーマパークとしては知名度があったものの、全国区での知名度が弱かったそうです。日本国内での認知度90%とするためにメディアに取り上げてもらう必要がありますが、森岡さんは、USJがV字回復した本を書いてベストセラーにして、USJは注目すべき成長企業であることをメディアに認知させるという策を取ります。
普通、出版業界でも余程の知名度が無い限り)ベストセラーとなる本を出すこと自体が難しいと思うのですが、これは、メディアの人たちが常にアンテナを張って話題の本を手に取ってくれるため、成功している企業として取材として取り上げてもらうことが狙いだったようです。
そして、結果的に森岡さんの狙い通り、メディアがこぞって取り上げたもの(ハリポタの開園情報やスポット紹介)が1視聴者として、私にも届いていたということです。
残念ながら、ハリーポッターがオープンしてからは行けていませんが…。

テーマパーク入場料の価格値上げ戦略

東京ディズニーランドの値上げがよく話題に上がっていましたが、私もこの本を読むまでは、東京ディズニーランドが先なのかなと思っていましたが、最初にテーマパークの入場料を値段を上げたのはUSJでした。
海外にあるテーマパークの入場料と日本のテーマパークの入場料を比べると圧倒的に安かったそうです。
東京ディズニーランドが入場料を上げなくても飲食やお土産で収益を上げていたため、値上げする必要が無い判断だったようですが、それによって他のテーマパークや遊園地は立ち行かなくなり、閉園に追い込まれる…といった結果になっていたようです。
森岡さんは本の中で『値上げできるようなプレイヤーが少ないこと、それを断行する能力や勇気のある経営者が少ないこと、ブランド価値の向上に向けた技術革新や投資をしないことが日本経済停滞の原因』と記載しており、入社して即座に5,800円から6,100円に値上げを行い、6年連続で値上げして結果的に7,400円(21%増)を断行しています。
東京ディズニーランドは、USJに追随して値上げしたのが事実のようです。

ただ、この値上げや来場者数の増加は、全て過去の数字もしくは未来予測の数字を用いた確率で作られており、様々なシュミレーションから一番保守的な予測値が採用されています。勿論、予測と現実が乖離することもありますが、プランAがダメになった時のプランBでも予測を立てており、予測を外した場合にも勝てるプランを作っていることが凄いと感じました。
この本自体は、森岡さんともう一人のマーケターの今西さんの共著となっていますが、この今西さんが数学が好きなんだな~というのが、よく分かります。。数学の研究とか論文を読み漁るとか、基礎知識が無いと理解できないと感じました。
後半に公式が載っていますが、普段見慣れないΣ(シグマ)とか入っているので、ちょっと敷居が高い気もしますが、考え方は参考になったので、実践で活かしてみたいと思います。


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