hottie and hag イケメンとババア
私がいつもサングラスを掛けているのは
別にイキっている訳ではないんだ。
それは、【醜形恐怖症】の名残り。拭い去れない過去の残り香。
小~中学生の頃の仇名は「ドブネズミ」と「オカメ」
私はずっと、親から、周りから、ブスと言われ育った。
実の父親にレイプされそうになってそのまま家出。
辿り着いた歌舞伎町から、スカウトまたスカウトで銀座まで移るにつれて、
周りのお姉さん達はどんどん美女揃いになった。
女優でしょ、モデルでしょ、くらいに美しいお姉さま達の中で
私はいつも肩身が狭くて、
売り上げでは勝っても勝っても勝ち続けても、いつも心は負けていた。
そのうち私の醜形恐怖は悪化して、
深刻な対人恐怖の地獄に突き落とされることになる。
もとから人が嫌いなのに、
その上人の視線が恐くなってしまったものだから
私は生きる事が困難だった。
何度も何度も死のうと思ったのだけれど、
その度に「死ぬくらいなら整形しよう」と思い直して、
そしてその度に、
「あの親のDNAに負けたくない!整形したら負けを認めた事になる!」
と、思い直した。
さて。これは暗い話なんかじゃない。
ざっくり言っちゃうと私は強かった。
めちゃくちゃ弱かったけど強かった。
弱いなりに生き抜く強さを持っていた。
おどおどと泳ぐ目をサングラスで隠し
恐い視線をサングラスで防ぎ
いざどうしても外さなくてはいけない時だけ
目に渾身の力を込めて相手を威圧した。
(これは黒魔術の一種。真似しちゃダメん♪)
そうやってなんとかかんとか
いじめられっ子に戻らずに生きていたのだけど
またざっくりと端折ってしまうと、私は開き直った。
ブスなもんはブスだし!
隠そうが切ったり貼ったりしようがブスはブスだし!
「この私がブスじゃ嫌だ!」という傲慢さがあるから
絶望したり悲しんだり恐がったりするのだと。
別に私がブスな分、
地球にはそれを中和して余りある程の美人が沢山居て下さるし!!
別に「私」が美人でなくても良いわけで!
美人の役割は美人さんに任せ、私は堂々とブスを受け容れて生きていくことにしたんだ。
そうしたらね。
不思議なものでね。
これが「宇宙のルール」なのだと思うのだけど、
「はい、ブスですよ~😊」って生きて居たら、
何故か何故か「お綺麗ですね」とたまに言われる人生が始まったんだ!
奇妙奇天烈びっくらぽん!!
(宇宙のルールの一つ:嫌な事は心から許可すると起きない!)
しかーし。
既に私は、そんな褒め言葉やお世辞なんて必要としていないものだから、
綺麗と言われても嬉しくないし、
逆にブスと言われても悲しくないし、
ホントもう、どっちでも良いわけなんだ。
(宇宙のルールの一つ:心からどっちでも良い場合、より素敵な方が起きやすい)
どーっちでも良いのだけれど、
サングラスだけは手放したくない。
だって辛い時を支えてくれた相棒だしね。
掛けていると安心するしね。大好きなんだ。愛してるんだ。
流行りの形には興味ない。似合うと思えるものが好き。
夜でも掛けるし、暗い場所でも掛けるから
きっと他人は私を「変な人」と思うだろうなと思っても
それでも別に構わない。
ところで。
私はそういう訳で【人の視線】が恐かった。
でもあるとき開き直り過ぎて、【奇異の目が大好物♪】って言う性癖が開いてしまった😝
街に繰り出すなら
「え!?なんでこの男にこんなババアが!?」
そんな人々の反応を想像出来ちゃう様な男の子と並んで歩くのが好き。
【ほとんど介護】だと感じていつも楽しいのだけれど、
階段を上手く降りられない私を支える若い腕が好き。
満員電車の扉に両手をついて私を囲い、
人の波を堪える強い背中が好き。
「母子?にしてはちょっと・・。何あのババア。なんでなんで?」
ジロジロと不躾な視線をサングラス越しに感じながら
そんな心の声を想像して楽しくなっちゃうのが好き。
つい先日。
俺もサングラス買おうかな、と言い出した男の子がこう続けた。
「少しでも貴女に似合うって言うか・・
釣り合う男に見られたいんだよね。
あー、綺麗な二人だなー、なんてさ。無理かな。
今のままじゃ【美女と野獣】じゃん」
私は人目も憚らず大笑いしてしまった。
宇宙さん、面白すぎます。
アナタはなんて難解で、それでいてシンプルで、
そしてどこまで優しいのでしょう。
「ばーか!私はずっと【イケメンとババア】のつもりでいたわ」
腹を抱えて笑う私の上に
「んなわけないじゃん、美人さん!」の声が降る。
「その辺のクソガキなんて目じゃないくらい綺麗だぞって
こないだも友達に話したよ!」
あーっはっは!腹痛いっ!
自分ごとき、ブスでいいさ、ババアでいいさ♪と悟り切ると
こういう奇跡が起きるのです。
さて。
これを【イタイババアの自慢話】と感じましたか?
それとも【大人のファンタジー】と感じましたか?
どう感じるかが【あなたの在り方】
これは【醜いアヒルの子】の様に、
醜いものが美しく変身したお話ではありません。
人の好みは千差万別。蓼食う虫も好き好きなのです。
私は「ある人達から見れば醜いまま」で、
「別の感性を持つある人達から見れば美しい」と言う事実を受け容れただけ。
自分の【在り方】は、寄せる人種も選んでしまう。
アナタが拗ねて居れば、
よりアナタを拗ねさせる人種を寄せるでしょう。
アナタが自分を楽しめば、
アナタをより楽しませてくれる人達を寄せる事が出来るでしょう。
今日は2月14日。
バレンタインデーに贈る【大人のお伽噺(おとぎばなし)】はここまでです。
皆様、素敵な夜をお過ごしください。
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